【観戦記】11年第11節:浦和 1-1 C大阪
・立ち上がりに浦和が前目に人数をかけて猛攻。バイタルエリアで細かくパスを繋いで、左から中央へ入ってきた原口がゴールとC大阪(以下「桜」)っぽい攻撃が決まって幸先良く先制。積極的に前に出てくる相手には願っても無い試合展開になりながらつまらないミスで同点に追いつかれ、その後はこれといった見所なし。後半は何度と無く桜に守備陣を完璧に崩されながら、桜のシュートミスに助けられてなんとかドローで試合終了。
・90分を通じてみれば運よく勝ち点1を拾ったといって差し支えない試合でした。週央にACLの一戦をこなした桜に対してコンディション面では優位のはずですが、その利点は全く活かせず。
・桜がばっさりと介錯してくれればいいものを、介錯が下手で頚動脈を切ってくれずにいたずらに頭蓋骨を傷つけるだけに終わったような試合と形容してもいいでしょう。柏戦よりはマシだったとは思いますが、攻守ともズタボロなのは大して改善しているように思えず。
・この日は非常にはっきりとした4-1-2-3を採用しましたが、前の5人が有機的に絡んだのは立ち上がりの1点だけで、あとはもう個々人、特に原口が頑張っているだけ。マルシオや柏木がボールを受けても出しどころに迷って長考に沈んでしまい、挙句の果てにボールを失ってしまう場面が多々。前目に人数を裂いても浦和の攻撃に連動性が感じられないので、桜はボールホルダーにだけきっちり対応していればよいので楽チン。
・故障の達也に代わってこの試合では右WGにセルが起用されましたが、ボールを持っていない場面ではいないも同然。しかもボールを持っても簡単に桜守備陣に囲まれて何もできず。なんで途中で交代を命じられないのか非常に不思議でした。
・非常に悲惨だったのは最終ラインからのビルドアップが全く出来なかったこと。スピラが必死にボールをキープして前の様子を伺うも、前にはマーカーを背負った選手だらけで出すに出せず。やむなくGKにバックパスして山岸がどっかーん!!!という場面を何度見たことやら。
・山岸のキック精度はもともと期待できない上に、今日は風が強くてどうにもならず。かといって啓太を経由しようとしても大きな展開は見込めない上にボールロストの危険大。失点場面は安易な横パスを出した永田の罪が大きいと思いますが、相手の動きに気づかずにあっさりカットされる啓太もなんだかなぁ・・・
・従って浦和が能動的にチャンスを掴むのはほぼ絶望的で、桜のミスに乗じてカウンターを仕掛けるしかありません。実際後半は何度かカウンターのチャンスがありましたが、逡巡してボールを出すのが遅かったり、出しても精度が低かったり、あるいは無駄にサイドを経由したあげく桜の帰陣を許して、決定機どころかシュートにも至らず。
・セットプレーも依然得点の臭いなし。
・この試合の様子だと原口が消耗したら浦和の攻撃は完全に手詰まり。気候条件の良い日でもこんな感じですから、夏場は前半で終了でしょうなぁ・・・
・守備は決壊寸前。早々と先制した後は縦にコンパクトな陣形で桜の攻撃を封じ込める意図は伺えましたが、2列目が非常に流動的に動く桜に対して中盤で守っているのは啓太だけという布陣にはかなり無理がありました。
・前半から乾にDFライン裏に飛び出されたり、ピンパウオンの強襲を許したりと危ない場面がありましたが、陣形が間延びして柏木やマルシオの帰陣が遅れがちなった後半は目も当てられない状態。バイタルエリアといい、サイドといい、良いようにボールを繋がれて最後はどフリーの選手がシュート。桜のシュートミスあり、スピラなどが体を張って事なきを得た場面もあり、とにもかくにも無失点でやり過ごしましたが、一歩間違えれば大量失点を喫しかねない内容でした。
・桜がボールを繋ぎすぎて、浦和のIHやWGの帰陣が間に合ってしまう場面も多いのですが、不思議なことに浦和の守備陣は数的有利にも関わらずなかなかボールが取れません。桜の攻撃陣が上手いというより、浦和の守備時における連携がメロメロなだけのような・・・個々人が頑張っているだけという点においては攻撃と全く同じ。
・勝ち点1を得はしましたが、浦和が崩壊の淵に立っている状況に変わりはない。そんなことを確信せざるをえない一戦でした。攻めても守っても数的不利に見えるのは組織として異常事態です。
原口---エジ---セル
---丸塩--柏木---
-----啓太-----
宇賀神-永田-摩周-峻希
-----山岸-----
得点:8分 原口
76分 啓太→暢久
82分 宇賀神→野田
85分 エジミウソン→高崎
-----卓球-----
倉田---清武----乾
---マル--ボギョン--
丸橋-上本--茂庭-高橋
-----ジンヒョン----
得点:35分 清武
59分 高橋→酒本
68分 清武→中後
86分 乾→小松
| 固定リンク