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2011.05.22

【観戦記】11年第12節:浦和 2-2 鹿島

2点ビハインドを2つのスーパーゴールで跳ね返し、勝ち点1を得た。もちろん勝ち点ゼロよりははるかにマシだけど、先に繋がるものがあったかといえば何もないと断言せざるを得ない試合でした。同点に追いついてからカウンターでスタジアムが沸き立つ場面があったり、傷んでいる峻希やマルシオがそれでも玉際で激しく競り合ったりと、試合内容はボロボロだけれどもそれなりに見所があったりする点で90年代の浦和みたいな試合と言ってもいいでしょう。そこまで浦和は後退しました。

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早い時間帯に失点して、その後はずっと鹿島ペース。浦和の攻撃は全く形をなさず、業を煮やしたペトロがなんと後半頭から自爆装置をセット。案の定ただでさえ微妙だった浦和の攻守のバランスというか、守備陣形がこれでボロボロになってしまい、鹿島が浦和の惨状をあざ笑うかのようにパスを繋いで追加点を上げた時点で大敗を覚悟しました。

ところが、ペトロが破れかぶれで送り出した高崎がDFを前に無理やり放ったシュートが決まって1点差。往時の鹿島であれば、ここで試合を壊してぐだぐだ模様に持ち込んだでしょうが、この日はそんな暇もなし。左サイドを縦に抜け出したマゾーラが、100%クロスを予想していたであろうGK曽ヶ端のニアをぶち抜いて同点。

その後は双方中盤がスカスカになって(というか浦和の中盤はないも同然・・・)攻め合いの様相を呈しましたが、浦和は自爆装置がくだらないイエローカード2枚で派手に自爆してジ・エンド。GK山岸は時間稼ぎを始めてチームは勝ち点1で満足した格好で試合終了。一人少ない状況でしたからその判断は間違ってはいないと思うんですが、そんな現実的判断をここでするなら最初から現実的な試合を志向すべきでしょう。「攻撃的」と称する「自殺的」な試合を止めて。

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-----エジ-----
原口-丸塩--柏木-セル
-----啓太-----
宇賀神-永田-摩周-峻希
-----山岸-----

得点:67分 高崎、69分 マゾーラ

HT:セル→マゾーラ
HT:啓太→暢久
64分:柏木→高崎

 スタメンは一歩間違えれば大敗していたC大阪戦と全く同じ。フォーメーションも同じ4-1-2-3だったのでしょうが、ボールが来ないせいか両WGが下がり気味だったので4-1-4-1と表記しました。

 C大阪戦と明らかに違っていたのはバックパス→山岸どっかーん!を止めて極力スピラからのビルドアップを試みたこと。もっともスピラには鹿島FWが激しく詰め寄ってくるので、やはりビルドアップはままなりませんでしたが。山岸がどっかーんに代えてスローを多用していましたが、受け手との呼吸が合わずにそのまま相手に渡ったり、相手に挟まれている啓太に出してどっきりだったり。

 それでも改善しようという意図があっただけまだマシで、それ以外はズタボロ。相変わらず離散的な陣形を取ってはいますがピッチを大きく使うワイドな展開なんてほとんどなくて、足元から足元へボールを繋ぐだけ。選手間の距離が遠いので壁パスによる崩しなんて全然できませんし、パスミスも多い。選手間のイメージがすり合っていないのでパスの出しどころに困る場面も多々。セルが時折対面のアレックスをぶち破るものの、如何せん周囲と全く連動しないので相手には何の脅威にもならず。結局早い時間帯に先制して引き気味になった鹿島守備陣の周りでぐるぐるパスを回しているだけで前半終了。

 前半可能性があったのは峻希→原口のシュートのみ。盛んに中へ切り込んで、どうにもならない状況を原口が一人で打開しようともがいてはいましたが、どう見ても空回りで消耗だけが激しく、案の定後半半ば以降は沈黙。SBを盛んに攻撃参加させるもこれまた何の効果もなく、むしろ自殺行為といっていい状況。この日は2失点とも浦和左サイドを突かれたパターンでしたが、攻撃が体をなさない中で宇賀神の守備の拙さだけが目立ってしまいました。

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 前半の惨状を受け、ビルドアップ能力に欠ける啓太を暢久に代えたのは判らなくもありませんが、ペトロは同時に自爆装置をセット。全く守備をしない上に、低い位置からドリブルを仕掛けてはボールを失いまくる自爆装置の効果はてきめんで、ただでさえ煙が上がっていた浦和守備陣は大炎上。同点になったスーパーゴールは確かに見事で、相手が前に出てこざるを得ない局面なら使いようがある選手だと思いますが、メンタル面を含めて難が多すぎます。

 この日の数少ない収穫といえば高崎を投入して4-2-2-2になってからエジが多少良くなったこと。高崎がエジをサポートすると同時に、高崎がしきりに鹿島DFラインの裏を狙う動きを見せたことで鹿島の陣形が間延び。アンカーに適任者がおらず、エジに1トップは不向きと悪材料が重なってまったく機能してない4-1-2-3を放棄して4-2-2-2に代えるきっかけになればこの無様な試合も多少意味があったとは思いますが、そんな柔軟な考えをペトロが持っているとも思えず。

 もっとも浦和の問題はフォーメーションではなく、もはや何をやろうとしているのかさっぱり判らなくなっている点にあり、こればかりはフォーメーションをいじったところでどうにもならないでしょうなぁ・・・・(´・ω・`)

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---大迫--興梠---
遠藤--------野沢
---青木--増田---
アレ-伊野波--岩政-西
-----曽ヶ端----

得点:13分 西、62分 増田

58分 遠藤→本田拓
78分 大迫勇也→カルロン
90+2分 本田拓→新井場

2点リードを追いつかれるという、ちょっと前までは考えられない大失態を演じた鹿島。追いつかれてから投入したカルロンが何の役にも立たなかったのにも大笑いしましたが、それ以上に中盤のミスが非常に多かった感じ。相手が浦和でなかったらカウンターに沈んでいたような気も・・・

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