【観戦記】11年第14節:大宮 2-2 浦和
ラッキーなPKと原口の執念のゴールで2点のビハインドを跳ね返し、ダービーらしい気持ちの入った興業的には見ごたえのある試合でしたが内容は甚だお粗末。浦和は降格へ向けての地歩をしっかりと固めつつある。またしてもそう確信せざるを得ないお先真っ暗な試合でした。
この試合でまずまずだったのは後半開始から自爆装置をセットするまでの20分強だけ。それ以外は無為に時間が流れたも同然。序盤は2トップ目掛けてのロングボール攻撃を多用していましたが、これは屈強な大宮CBに封じられてどうにもならず。達也投入でなんとかボールが良いリズムで回りだしたのは良いのですが、攻撃は結局のところ原口のドリブルによる単騎突入頼み。
まぁ原口がボールを持つとスタジアムは沸きかえり、うぃあーさん好みのサッカーだとは思いますが、それしかないんじゃ守っているほうは楽ですわなぁ・・・ 原口に自由にやらせる監督の方針が原口のレベルアップに繋がっているのは間違いないのですが、チームの強化には全く繋がっていません。
守備は暢久の出来が壊滅的。山形戦同様DFラインを積極的に押し上げるのはいいんですが、暢久個人の出来は体調が思わしくないのではと訝しくなるほどでハイボールはラファエルに完敗。スピードでもイ・チョンスを抑えきれず。
極め付きはマークのズレっぷり。2失点とも暢久が直接関与してしまいました(もっとも1失点目は渡部の切り返しに簡単に引っかかってしまう宇賀神の対応もアレですが・・・・)。さらにセットプレーでひやっとする場面があったためか、とうとう暢久はスピラに交代を命ぜられる始末。
ところがペトロがご丁寧にもまたまた自爆装置を装填し、啓太を下げてしまった(4審が番号を間違えたのか、柏木がピッチ外へ出てユニフォームを脱いでしまう一幕も・・・)ためにただですらないも同然の浦和の中盤はすっかり消失。ボールの出所が抑えられないこともあいまって、終盤はスピラがスピードのある石原にやられまくり。オフサイドに助けられてなんとか3失点目は免れましたが・・・
また暢久の不出来という個人の問題以前に浦和の守備には相変わらず組織性が感じられません。この日は大宮もロングボールを多用してきたため、その欠点はそんなに露にはなりませんでしたが、それでも大宮の最前線にボールが収まって押し込まれてしまったときの浦和守備陣の狼狽っぷりはまさに噴飯もの。
CBが相手FWについてしばしば前に行ってしまうためか、DFラインはギャップができまくりで、相手が2列目から飛び出してこようものならひとたまりもないような・・・ カバーリングもあってないようなものなせいか、マークについた個々人が無理をして。、結局自陣深い位置でやむなくファウルを犯してしまう場面も目立ちますし・・・
リーグ戦3連敗の後4連続引き分け。勝ち点わずかに7で、試合数の少ないC大阪、鹿島にもぶっこ抜かれて正真正銘の降格圏入り。結果が奮わないだけでなく、将来性が全くなく、最大限良く言って「原口の個人特訓」に過ぎない試合を繰り返しても、不思議なことにどこからも批判を浴びることがないペトロビッチ監督。
今のスタジアムを支配しているのが単なる妄信なのか、あるいは諦念なのかは判りませんが、アマゾンがうぃあーさんに対して「るるぶ鳥取」や「るるぶ富山」「るるぶ岡山」をおすすめ商品に紹介してくるのは時間の問題でしょう。
---高崎--エジ---
原口--------丸塩
---柏木--啓太---
宇賀神-永田-暢久-峻希
-----加藤-----
得点:56分 エジミウソン(PK)、78分 原口
HT:高崎→達也
66分:暢久→スピラノビッチ
72分:啓太→マゾーラ
繰り返しになりますが、達也が投入されてからの20分ほどは悪くなかったと思います。達也が激しく動き回ることで大宮の守備網もやや混乱し、それなりにスペースが出来たせいか、前半右サイド~中央で孤立して全くいいところがなかったマルシオも息を吹き返す好循環。
まぁ多少よくなったとはいえ大宮の守備ブロックを崩しきるには至らず、しかも最終的に原口のドリブル攻撃に頼ってしまう傾向は否めませんでしたが、それでも原口のクロスを受けたマルシオがややラッキーなPKを得たのは達也投入があればこそ。
ところが、せっかくの良い流れを自分で叩き壊してしまうのが名馬ハイゼリコー、いや迷将ペトロビッチ。鹿島戦の夢をもう一度と思ったのかどうかは判りませんが、またしても自爆装置をセット。前節山形戦のようにリードしていて敵陣にスペースがある状態ですら危険な自爆装置ですが、1点ビハインドでそんなにスペースがない状態で自爆装置をセットしてどうする???
さすがのペトロも中盤に自爆装置をセットするのは危険すぎることだけは学習しているようですが、最前線に自爆装置をセットしたためにあれだけ効いていた達也は哀れにも右SHに押し出されてその後沈黙。
幸いにも原口の魂のゴールが飛び出して、ペトロの大失態は有耶無耶になってしまいましたが、これでまたペトロが嬉々として自爆装置をセットしつづけるかと思うと実に複雑な心境。周囲と全く連動せず、かといって独力でゴールをこじ開けるだけの能力もなく、20分程度しか出場していないのに早々と燃料が切れて最前線で散歩している自爆装置。なんでこんなんと心中しないといけないのか・・・ 啓太を外して大博打に出るなら直輝投入という選択肢もあったはずですが・・・
---ラファ--李----
藤本---------東
---上田--青木---
坪内-金---深谷-渡部
-----北野-----
得点:37分 ラファエル、53分 深谷
75分:藤本→渡邉
80分:東→石原
84分:ラファエル→金久保
・ナクスタでダービーを見るのはこれが初めて。バックスタンド(2E)での観戦でしたが、臨場感がある一方、高さがないので個人的には不満。もっともチケット確保が大変なのでブロックをより好みしている場合ではありませんが。
・ナクスタにはキックオフ30分前くらいに到着。立ち見でもええわと思ってゆっくり出かけましたが、難なく空き席を確保。大宮の係員もこまめに空き席をチェックして観客を誘導してました。
・ゴール裏が非常に暗く見えましたが、照明の照度を落としていたんですなぁ・・・ プレーはもちろん観戦にも何の支障もありませんでした。でも帰りの氷川神社周辺は暗すぎてちょっと難儀。
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