【観戦記】11年第16節:浦和 1-3 清水
いやはや、今年の降格はもはや免れまいと感じてはいましたが、こうも早々と当確ランプが点いてしまうとは・・・
周囲と全く連動せず、また何人ものDFを交わしてシュートをぶち込む超人的な個人能力を持ち合わせているわけでもないのに守備を全くやらないマゾーラを自陣に大穴を開けるだけの「自爆装置」だと散々揶揄してきましたが、監督自身が壮大な自爆装置でした。その破壊力たるやマゾーラどころの騒ぎではありません。オランダの監督ライセンスって取得が難しいそうですが、ペトロを見ていると「金さえ払えば誰でも取れる」ようなレベルにしか思えませんね・・・
もっとも取得が難しいライセンスを持っていても、それが現場での能力の証明になるとは限らないのは世の中数多あるわけで・・・
負傷したわけでもなく、大宮戦の暢久のように致命的なミスを犯しまくったわけでもなく、守備網が破綻しているわけでもないのに、34分でCBを交代。清水戦惨敗の主因はこの自爆に尽きます。しかもこの自爆テロでも飽き足らないペトロは60分に早々と自爆装置をセット。完全に攻守のバランスが崩れた浦和は案の定清水のカウンターを食らって致命的な2点目を献上。
カウンターから梅崎が1点返し、スタジアムは俄然盛り上がりましたが、さほど時間をおかずにボスナーに再びFKをぶちこまれて文字通りジ・エンド。この瞬間にスタジアムを後にする観客も目立ちました。
試合終了後のスタジアムにはブーイングが鳴り響きましたが、ブーイングされる選手たちは誠に気の毒。この試合、出来不出来はあるにせよ、選手個々人は自分の出来る限りのことを精一杯やっているように見えました。問題なのは攻守ともに選手たちが同じ絵を描けていないこと。糾弾されるべきなのは無能極まりない監督であり、その監督をどういう意図を持って招聘したのかさっぱり判らないGMであり、社長でしょう。
3連敗の後5引分け。そして惨敗。結果が出ないだけではなく、内容に進歩も見られず、しかも試合となれば自爆装置を押しまくるしか能がない監督は即刻解任されて然るべきだと思いますが、なぜか未だ監督の進退問題は噂にすら上らず。
試合終了後のGMコメント「選手起用、戦術についても監督としっかり話し合っていきます。次の福岡戦から上位との差を縮めていかなければなりません」を額面どおり受け止めるならば、早急な監督更迭はないのでしょう。もっとも試合終了後に監督更迭の可能性をストレートに言及する人は滅多にいないと思いますが。
なにせ招聘した経緯自体が謎なので、今の惨状を巡ってフロント内部で責任を押し付けあっているうちに時間を浪費。
社長「俺は悪くない」
GM「俺は悪くない」
監督「俺は悪くない」
三者「じゃ、そういうことで」
勢太郎「ちなみに、私も悪くありません」
みたいな三者会談を延々と繰り返しているだけでしょう。 ペトロが延命しているのはフロントがペトロを信頼しているからではなく、更迭を口にしたら責任を取らされるためにそれを言い出せないだけ。
また誰かが腹をくくって監督更迭を決定したとしても、これまで何の実績もないペトロを招聘したくらいですから、今のフロントが真剣に監督選びをやるようにも思えず。また万一思い直してフロントがそれなりの監督を招聘しようにも、浦和の迷走ぶりを見ればまともな人ほど監督就任には二の足を踏むのは必定。ハセケンサンバやジョウフクキタルなんてのはまず無理。ハヤノトップガンですら難しいかと。世界的名馬リティーフランキーやカリオカラモスなら来るかもしれませんが(苦笑)
シーズン初にずいぶん金を使ってしまったので、「新監督を招聘しようにも金がない」のかもしれません。ペトロがだらだらと生き延びているのは案外これが主因なのかも。
伝手がない、呼んでも来ない、金もないと3拍子揃ってしまえば、監督更迭後に残る可能性はGM「モンデーサイレンス」自らの出馬でしょうな・・・・ これで浦和の戦績は一時的に上向きになり、ひょっとすると降格圏を脱出できるかもしれませんが、本質的には問題の先送りでしかありません。
-----エジ-----
達也---柏木-丸塩--
---啓太--暢久---
平川-永田--坪井-峻希
-----加藤-----
得点:80分 梅崎
34分:坪井→原
60分:啓太→マゾーラ
69分:達也→梅崎
結果は惨敗に終わりましたが、それはペトロが自爆装置を押しまくったからであって、序盤の内容はそんなに悪くありませんでした。監督は
「広島戦で良いプレーをした選手たちをほとんど代えずに、出場停止のスピラノビッチの代わりに坪井が入っただけで、ここまで大きな差が出るとは思っていませんでした。」
と口走っていますが、なんで坪井を責めるようなコメントを発するのか全く意味不明。惨敗の主因を特段悪いプレーをしたわけでもない選手になすりつけているのであれば監督として言語道断です。
この日の布陣は出場停止のスピラに代えて坪井を入れただけで広島戦同様の守備に重点を置いたもの。ボスナーのFKで先制点こそ許してしまいましたが、それまで清水に決定機を与えてはいませんから、「大きな差」なんて全然なくて、監督の当初目論見通りに試合は進んでおり、坪井に責めを負わせる理由は全くないように思います。
先制されたものの清水の出来も良いとは言いがたい以上、ロースコアでじっと我慢して終盤に勝機を見出す。この日の布陣からすればそう考えるのがフツーですが、ペトロの発想は斜め上でした。
広島戦の布陣の問題点は点が取れそうな感じがしないこと。これはスピラだろうが坪井だろうが全く同じで、ここにも「大きな差」は見出せません。ペトロがホームでの勝ち点3を必須と考えたのであれば、そもそも広島戦同様の布陣を敷いたこと自体が間違い。
「エジミウソンの近くに選手を置くことによって、彼を助けられると思いましたが、結果は良くなかったです。」
って、監督もエジの1トップじゃ得点は無理なのが判っているなら最初から2トップでやれっちゅーねん(苦笑) 2トップにするとしても、坪井ではなく何の役にも立っていない柏木を下げるほうが遥かにマシだと思いますがね・・・
まさかの失点でペトロは逆上。百歩譲って、点を取るために坪井アウトを是だとしても、代わりに投入されたのはこの試合久しぶりにベンチに入ったばかりの原。これまた全く理解不能。広島戦で活躍した直輝ではなく、ペトロお気に入りの自爆装置でもなく、広島戦でようやく復帰した梅崎でもなく、なんで原???
しかも布陣も大迷走。原は投入当初柏木に代わってトップ下というか、柏戦同様の1.5列目的な位置にいましたが、後半頭になるとなぜか左SHに移動(エジ&達也のはっきりした2トップによる4-2-2-2)。そして自爆装置セットにより、今度は2トップの一角に(達也が右SHへ)。
そもそも点を取るイメージが選手間に全くといっていいほど共有化されていないのに、これだけ目まぐるしく布陣を変えまくったらそりゃ選手は混乱するだけですわなぁ・・・ 古巣相手に久しぶりに長い時間起用された原の出来は全く持ってさっぱりでしたが、個人能力でなんとかできるレベルの選手じゃありませんから、こんな使われ方は気の毒といえば気の毒。
監督は「持ってから考えては遅い」とお嘆きの様子ですが、そもそも選手が同じ意図を持って動けてないからそうなってしまうのであって、ハーフタイムに嘆いても仕方がないわなぁ・・・
そして自爆装置セットによって外されるのはいつも啓太。中盤の守備を放棄すれば点が入るより点を取られる可能性のほうが遥かに大きくなるのは至極当然でしょう。高原の得点は、クロスを上げた枝村もフリーなら、高原のマークも外れまくっているという無残なものでした。
結果的にボスナーの豪快なFK2発にやられた格好になったので、壁の作り方がどうだとか、跳んだ達也が悪いとかの話になりがちですし、西村主審の怪しげな判定にも目が行きがちですが、この日の惨敗の原因はそんなディーテイルに潜んでいるわけではありません。巨大自爆装置ペトロビッチ。これを早く撤去しないとどうにもなりません。もっとも撤去する決断もできなければ、撤去する手立てもないのは先述した通りですが。
高木---高原---大前
--アレ----小野--
-----平岡-----
太田-ボスナ--岩下-辻尾
-----碓井-----
得点:24分 ボスナー、64分 高原、86分 ボスナー
HT:小野→枝村
58分:高木→小林
77分:高原→永井
浦和が自爆したため、後半はカウンターで何度か決定機を作って快勝しましたが、浦和が自爆するまでの内容は浦和とどっこいどっこい。
広島とは対照的にDFラインを積極的に上げて前からプレスをかけて来ましたがさほど効果的とは言えず、ビルドアップの稚拙な浦和でもなんとか前線にボールを運べました。ただ清水もサイドでは数的優位をしっかり確保して容易にクロスを上げさせず。また浦和の攻めはどうしても時間がかかるため、清水はサイドを崩されてもエリア内中央を固めておけば何の問題もなく、カウンターで一点こそ失いましたが、それ以外は危なげなかったかと。
主力選手が大量流出して、浦和よりも遥かに難しい状態でのスタートになったゴトビ監督。今年最終的にどの順位で終わるのかは判りません(この試合を見る限り上位はしんどそう・・・)が、清水は浦和と違ってまともな監督の招聘に成功したことだけは疑いありません。
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