【展望】11年第16節清水戦
・難敵広島とのアウェーゲームをドローで凌いだ浦和。続いて、おそらく残留をかけて争うことになるであろう2チームとホームでの連戦を迎えます。
・降格したわけではないのに選手が大量流出した清水。浦和が前回対戦した時のスタメンで残っているのは最終ラインの3人(児玉、ボスナー、平岡)と小野だけという惨状。
・ヨンセン、市川、伊東、西部といったところはフロントの判断で契約を更新しなかったのですが、その後兵働や藤本、本田が国内移籍、岡崎がすったもんだの末にシュツットガルトへ移籍と中盤から前目の選手が壊滅するとはフロントも予想しなかったでしょうなぁ・・・
・また清水は監督も交代。長期にわたって監督を務めながらもとうとうタイトルには届かなかった長谷川健太に見切りをつけて、イラン代表監督を務めていたゴドビを招聘。ゴトビはイラン代表監督の前は長らく韓国代表コーチを務めていましたが、どういう伝手で日本にはあまり縁のない監督を連れてきたんでしょうか・・・
・選手大量流出の一方で清水はアレックス(シドニー)、髙木(東京V)、村松(湘南)などを補強。高原や小林大といった完全にピークを過ぎた海外で戻り組を加えているあたりは苦肉の策といった感は否めず。
・DF児玉が故障で長期離脱。DF村松がU22で離脱中。またシーズン初と現在とでは若干スタメンに変化があり、伊藤笑を諦めて高木をスタメン起用しだした第12節以降は2勝2分けと負けなし。浦和では最後までいいところがなかった高原もスタメンに名を連ねるようになって現在4得点。
・置かれた状況はゴトビの方が圧倒的に厳しいはずですが、勝ち点で浦和を上回っているのは監督の能力の差なんでしょうなぁ・・・
・対する浦和はスピラノビッチがイエロー累積で出場停止。今年の浦和はやたらイエローが多く、警告数21は神戸、C大阪、福岡に次いでリーグワースト4位。一頃柱谷GMは「フェアプレー」をチームの目標の一つに掲げていたように記憶していますが、それもすっかり反故になってしまった格好。まぁもうフロントにとって開幕時の公約の一つや二つなんてもはやどうでもいいんでしょけど(苦笑)・
・イエローがやたら多くなったのは監督の掲げる「ファイト」なり「情熱」なりの賜物なのか、あるいは守備組織が未成熟(というか監督に成熟させる気力も能力もないような・・・)ゆえ、守備が後手後手に回ったあげく、個々人の頑張りでなんとかせざるを得ない場面が多いからなのか・・・
・で、そのスピラノビッチに代わってCBに入るのが、本番になってみないと集中力の有無が判らないという不確定要素テンコ盛りの暢久なのか、あるいは今季全く出場機会がなく、試合勘や連携面で懸念材料の多い坪井なのかが清水戦の見どころの一つ。暢久がCBに入った場合は必然的にボランチに柏木が入ります。
・もう一つの見どころは浦和の布陣。広島戦では極端に守備的な布陣&戦いぶりで、目論見通り勝ち点1を持ち帰ってきましたが、降格圏を脱出するにはホームでの勝ち点3が必須。広島戦の試合内容は今季のゲームの中ではマシなほうだとは思いますが、その内容は「点を取られる可能性は低いが、点が入る気もしない」というもの。先に繋がるような内容ではなかったかと。
・1トップだろうが、3トップだろうが、中央で孤立無援かつマークがべっとり付いたエジにいくらサイドからクロスを上げても点が入る可能性は限りなく小さいというのはこれまで何度も実証。戦術的に無理があることをやっているのに叩かれまくるエジは少々気の毒で。中央に飛び込む枚数を増やし、かつエジを囮に他の選手を使うしかないと思いますが、単調かつ無謀な攻撃を改善する練習をやっている時間はありませんから、一人でバンザイ突撃の日々が続くのでしょう。
・点を取りに行くとすれば、大宮戦後半のようにエジをサポートすべく達也をFWに上げて4-2-2-2の布陣を敷くとか、広島戦後半のように直輝を入れて布陣に流動性を与えるといった手を打たないとどうしようもないかと。机上論でよりマシな布陣を考えれば考えるほど、その布陣はペトロが志向している「エポック社のサッカーゲーム」とは真逆になってしまうという大皮肉・・・
・原口不在でどうやって点を取り、どうやって勝つのか。今の浦和にはなかなか難しいタスクですが、降格圏にいるにも関わらず引き分けを繰り返してさえいれば誰からも批判されないペトロはあえて勝ちに行かないかもしれませんね・・・ 「浦和があるべきところへ帰る」、それがペトロの目標なので。99年に浦和がいたところへね。
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<前節:清水 2-1 山形>
高木---高原---大前
--アレ----小野--
-----平岡-----
太田-ボスナ--岩下-辻尾
-----碓井-----
得点:68分 高原、90+4分 アレックス(PK)
58分:大前→小林
68分:小野→枝村
89分:平岡→永井
岡崎---四千---藤本
--兵働----小野--
-----本田-----
児玉-ボスナ--平岡-市川
-----西部-----
得点:38分 岡崎
68分:藤本→山本真
74分:小野→枝村
85分:岡崎→原
勝ちきれなかったが負けもせず。結果・内容とも満足はできないが失望感もない。清水がベストメンバーだったのに対し、浦和は怪我人だらけで2種登録の岡本すらスタメン起用せざるを得なかったにも関わらず、終始優勢に試合を進められただけで良しとすべきなのかもしれません。
ただ誰が出ても普段どおりの闘い方ができ、しかも上位チーム相手にそれなりに闘えるって08年頃には考えられなかった話で、遅々として結果は出ないんだけれども、それなりに組織化が進んでいることが判る試合でした。
今はその組織の片鱗すら残っていませんが(´・ω・`)
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