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2011.06.16

【観戦記】11年第15節:広島 0-0 浦和

 スタメン、選手の配置、及び戦いぶりを見れば負けないことを最優先としたのは明らか。降格圏にいるチームが2位にいるチームと遠方のアウェーで闘うのですからまずは勝ち点1を狙いに行くのは当然です。

 そしてその狙い通りに勝ち点1を確保し、かつ試合内容も共に低調ながら相手を上回っていたのは確かなので、まずまずの試合だったと評価して然るべきでしょう。

 ポジションが極端に固定的で「エポック社のサッカーゲーム」みたいなこのサッカーに何の将来性も感じられないのは相変わらずですが、もはや浦和は将来のことなんて構っている場合ではありません。ペトロビッチ監督は試合終了後ガッツポーズだったそうで、その志の低さには感服いたしますが、もうこのクソサッカーを突き詰めるしか道は残っていないんでしょうなぁ・・・

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-----エジ-----
達也---柏木-丸塩--
---啓太--暢久---
平川-永田--摩周-峻希
-----加藤-----

68分:柏木→直輝
76分:達也→マゾーラ
90+2分:エジミウソン→梅崎

 原口がU22で離脱し、ペトロがその穴をどう埋めるかが見ものでしたが、その結果は予想の斜め上でした。

 高崎が負傷離脱したためか4-2-2-2をあっさり放棄して4-2-3-1に変更。原口のいた左SHには右が本職の達也を転用し、マルシオが右SHへ(といってもサイドには張らずに中へ絞り気味のポジション)。ボランチに暢久を入れて、柏木を一列上げてトップ下に起用。おまけに不振の宇賀神をついにスタメンから外して平川を起用。

 まぁどう見ても原口の離脱を受けてこうしたというよりも、目先の広島戦で勝ち点1を取るためにまずは守備を固めたといった感じの布陣です。

 おまけに闘いぶりも非常に慎重。攻めるのは基本的に前の4人と片方のSBの5人だけで両ボランチは最前線に顔を出すことは絶対にありません。ここが両ボランチはおろか、DFすら場合によっては決定的な場面に顔を出してくる広島とは対照的で、浦和の闘いぶりは前後分断そのもの。時々両ボランチが最終ラインに吸収されて、前の4人と後ろの6人の間に広大なスペースができることもあって、思わず笑いがこみ上げてきます。

 で、前半の攻撃は達也のドリブル突破頼み。対面のミキッチの守備はそんなに上手くないせいか、広島の右サイドを攻略するのは比較的容易でしたが、広島はその辺は織り込み済みなのか、中で構えているエジを抑えるのに専念。従って浦和は攻めている割りには決定機を掴めず。

 後半は達也が消耗したせいか、峻希のオーバーラップ&クロスを多用。後半面白かったのはエジをターゲットとしない攻撃が何度かあったこと。柏木の縦パスで達也が広島DFライン裏に抜け出した場面は惜しくもシュートに至りませんでしたが、、峻希→マルシオは決まってもおかしくなかったもの。

 勝負どころで投入されたマゾーラのクロスにエジと直輝の二人が飛び込む形はそれまでなかったもので、これが何度も見られるようになればペトロの「エポック社サッカー」にも多少の光明が出てくるんでしょうけど。

 直輝は一応右SHに投入されたようですが、例によってポジション不定。時にマルシオとポジションを代え、時に最前線に顔を出し、時にボランチに加勢。「エポック社」のスペックには収まりきらないプレーぶりで、これを使いきれないペトロの懐の狭さにクラクラ・・・

 そして「負けないこと」を優先したはずなのに、なぜか残り15分でペトロはまたもや自爆装置をセット。セット直後に左サイドを抜け出してのクロスでビッグチャンスを作っているので全くダメだったわけではありませんが、その後は広島にきっちりスペースを埋められて、ただの徘徊地蔵に。

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 守備は広島の拙攻に助けられたような・・・前半は寿人にDFライン裏を常に脅かされ続けましたが、決定機らしい決定機は与えず、素早いリスタートで寿人に抜け出され、寿人→李でひやっとしたくらい。

 後半の広島は単純なカウンター攻撃の形こそ作れなくなったものの、時折ボールを回しながら人数をかけて攻めてきた時の応対には苦労。広島の2列目は両ボランチがついて監視し、広島の両WBも浦和のSBがしっかり見張っていましたが、広島のボランチなりDFなりが出てきた時はたちまち大混乱。マルシオが一人で火消しに回っていたような気がしましたが、なんか大駒が守備にしか使われないみたいでかなり不憫・・・

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-----寿人-----
---李---ムジリ--
服部-中島--浩司-ミキ
-横竹--和幸--森脇-
-----西川-----

60分:ムジリ→高萩
66分:森崎浩→トミッチ
70分:服部→山岸

 広島の出来には正直かなりがっかり。前半は寿人を浦和DFラインの裏に走らせる狙いが明確。しかも浦和の単純極まりない攻撃を見切って、浦和にボールを持たせてカウンターを狙っている節も伺えましたが、後半はさっぱり。浦和のゆったりとした、緩急なんて全くないボール回しを眺めるだけで、ほとんどボールを奪う意欲が感じられず。

 ビルドアップが下手な浦和に対して広島がなんで消極的というか受動的な闘い方を選択したのかは良く判りませんが、SH以外は大して動かない浦和とは違って、大多数の選手が流動的に動く広島には中3日はきついのからかなぁ・・・ 終盤トミッチの一発でヒヤッとしましたが、あんな形で中盤を制圧してしまえば浦和はひとたまりもなかったように思いますが。

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