【観戦記】11年第26節:清水 1-0 浦和
前半途中から事実上一人少ない状態でやっているペッカーで、清水のサッカーに勝てるわけがない。この試合を煎じ詰めればそういうことかと。
ペトロは試合後に
相手の清水エスパルスは、自分の頭の中では、1本か2本くらいしかチャンスがなかったと思います。ただそれが失点に繋がってしまい、逆に私たちは、たくさんチャンスを作りながら点が取れませんでした。
とコメントしていますが、たぶん別の試合を見ていたんでしょうなぁ・・・ 保身のために嘘をついても良いけど、もうちょっと説得力のある嘘をつけっちゅーねん。1本か2本くらいしかチャンスがなかったのはどう見ても浦和(笑) 前半を中心にたくさんチャンスを作っていたのは清水で、試合内容は1-0以上の差がありました。この試合内容で浦和が勝ち点1を得るには相当の強運が必要だったような(苦笑)
噂どおりエコパのピッチはボロボロ。序盤は共にボールコントロールに苦しみ、あちこちでつまらないパスミス、トラップミスが頻発。これじゃとてもとても良質のフットボールなんて望むほうが無理というものですが、それでも清水が曲がりなりにもボールを繋ぎながら攻撃を仕掛けてきたのに対し、浦和は徹頭徹尾CFなりSHなりへ放り込んでの1対1での仕掛け中心、すなわち「ペッカー」全開の攻撃。
ピッチ状態が劣悪なので、無理に繋ごうとせずにペッカーで万に一つの勝利を掴み取るのもあながち間違いではありませんが、肝心のCF=マゾーラの出来がお話になりませんでした。清水も大量失点が多いことに象徴されるように致命傷になりかねないパスミスが結構あり、それをマルシオらがカットして浦和もチャンスを作ってはいましたが、マゾーラが対峙するDFとの1対1で全く勝てず。もう「慌てて飛び込まず、かつ左足だけケアしていれば大丈夫」と相手に見切られまくっているみたいな・・・
そうこうしているうちに前半も終わらないうちにマゾーラは電池切れ。カウンターのチャンスで相手CB2人が絞って来る中を突破ができればビッグチャンスというところで焦って転倒。しかも家本主審の心象を早々と害していたのかシミュレーションでイエローをもらう始末。
その後マゾーラは消えたも同然。しかもこともあろうに仲間にも見捨てられたようで、前半の終わりころにはカウンターのチャンスを得てマルシオや柏木が前を向いてもマゾーラにはボールを出さず。味方の上がりを待ってしまって、それがゆえにチャンスを生かしきれないことも。
一方の清水は前半半ば過ぎから荒れたピッチにも慣れて両サイドからチャンスメーク。浦和は永田の出来が不安定で、CF鍋田を背負ってのプレーでイージーミスを犯し、加藤のお世話に。また永田が釣りだされた裏をユングべリ→辻尾に突かれて浦和右サイドを完璧に崩され、大前&ヨンと立て続けに決定機を作られてしまいました。
前半0-0で終えたのはラッキーとしか思えない、加藤様々の試合内容。従ってペトロはいつものように後半頭から選手交代を仕掛けてくる=自爆装置マゾーラの撤去=ものと思っていたのですが、どういうわけかこの日に限ってペトロは不動の構え。
しかも悪運だけが強いと思われていたペトロの命脈も尽きようとする中、神もペトロを見放したのか、ペッカーシステムの制約下で守備だけは大過なくやってのける平川が小破(?)。代わりに宇賀神を左SBに送り込みましたが、今年序盤でペッカーに対応しきれずに左サイドに穴を開けまくった宇賀神の破壊力は健在。いとも簡単に辻尾相手に裏を取られ、とうとう大前に先制を許してしまいました。
こうなるとそれまで決定機らしい決定機なんてなかった浦和に勝ち目はありません。先制されてから遅まきながら梅崎を投入するも撤去するのは自爆装置ではなく、なんと特段落ち度もない小島・・・ あのー、ナビスコ杯大宮戦で魅せてくれた小島の展開力とか、そういうのは一切無視なんでしょうか(苦笑)
梅崎は左SHに入ってセルがFWに上がり、柏木がボランチに下がって4-2-2-2にシフトするも、やっていることは所詮ペッカー。最後の一手は啓太→ランコでしたが、ランコはボールキープもできず、シュートも撃てず、これなら代えないほうがマシといった惨状。
清水の守備ブロックも強固とは言いがたく、なぜか浦和左サイドをがら空きにしてしまう場面が目立ちましたが、浦和は浦和でそんな清水守備陣を崩しきれず、宇賀神なり梅崎なりが遠目からシュートを放つのが精一杯。CKからの流れでセル→梅崎のシュートに力がなかったのが一番マシかなぁ・・・・
結果は最小得失点差に収まりましたが、浦和の決定機は皆無に等しく、試合内容的には清水の順当勝ち。まともな監督に率いられているチームと、監督と呼ぶに値しない単なる情熱家の率いるチームの差を如実に示したような試合でした。
-----マゾ-----
セル---柏木---丸塩
---小島--啓太---
平川-永田--摩周-峻希
-----加藤-----
58分:平川→宇賀神
67分:小島→梅崎
72分:啓太→デスポトビッチ
ナビスコ杯大宮戦で掴みかかった良い流れを自ら手放してしまったかのような布陣&選手交代。大宮戦の布陣、戦いぶり、そして選手交代がこれまでと一変していたので、GM交代に伴ってペトロは実権を失ったのでは?と勘ぐりましたが、それは全くの妄想でした。ペッカーも健在。「納涼アタッカー祭り」も健在。
繰り返しになりますが、荒れたピッチでボールを繋ぐことを諦めてペッカーに徹するのは間違いとはいいきれません。しかし、ペッカーの命運を託したマゾーラの出来がお話にならないのが明らかになったにも関わらず、大宮戦でそれなりに機能したセルの1トップに切り替えなかったのは実に不可解。絶望的な戦局だった前半を運よく0-0で凌いだだけなのに選手交代が後手に回っただけではなく、その後も選手交代も大宮戦の良い流れを全く生かせず。
その後の試合で16位甲府が勝ったため、勝ち点差は4に縮まってしまいました。底を打ったかと思われたチーム状態も、清水戦の惨敗で再び底割れ。二番底だか、三番底だか判りませんが・・・ そして残り試合は前半戦勝てなかった相手がずらずらっと並び、いよいよ降格が現実味を帯びてまいりました。これまでクラブが繰り返してきた愚行の数々を考えれば降格は必然とまで言いませんが、十二分にありうること。
その結果を淡々と受け入れる覚悟はとっくに出来ています。
高木---鍋田---大前
--アレ----ユン--
-----ヨン-----
太田-ボス--岩下-辻尾
-----海人-----
得点:63分 大前
55分:高木→枝村(ユングべりが左WGへ、枝村が右IH)
65分:ボスナー→平岡(小破?)
76分:ユングベリ→永井
ユングべリがついにスタメンで出場。しかし残念ながら本調子にはほど遠く、それどころかミスが非常に多くて少々期待はずれ。むしろ後方から鋭いシュートを2本放ったヨン・ア・ピンのほうが目立ちました。
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