【観戦記】11年第28節:G大阪 1-0 浦和
前日の試合で16位甲府が敗れたため、G大阪戦で勝ち点1が得られれば万々歳と思いましたが、残念ながら全く良いところなく敗戦。結果こそ1-0でしたが、3-0くらいで終わってもなんら不思議はないほど両チームには力の差がありました。しかも浦和はこの先一つも勝てないと確信せざるを得ないほど無様な内容で敗れ去りました。
90分を通じてチャンスらしいチャンスは終盤右サイドのクロスが原に合った一回こっきり。しかもジャンプした原の体勢は伸びきっていましたから、ボールを叩きつけるのはまず無理で事実上ノーチャンス。あとは可能性が感じられない遠目からのシュートを散発的に放つだけで、シュート数こそそこそこ稼いでいますが、GK藤ヶ谷をヒヤリとさせるようなシュートは一本もなかったかと。
前半の浦和の攻撃はまさにお笑い種。G大阪の前目から中盤にかけてのプレスは厳しく、ただでさえビルドアップが苦手な浦和は全くボールを前に運べず。出しどころがないのですぐに最終ラインにボールを下げ、そこでもG大阪の厳しいフォアチェックにあって最後はGKへバックパス。あまりにも何度も同じ光景が繰り返されるので、周りのガンバサポは失笑また失笑。まぁそう見られても仕方ないですなぁ・・・・
ペトロはナビスコ杯で2ゴールを上げたランコをスタメン起用しましたが、残念ながら全く良いところなし。前半はカウンターで手数をかけずに攻めきる意図が垣間見えましたが、それが一応形になったのは序盤の直輝→ランコだけかな?
ランコがフィニッシャーに専念できるような状況ならまだ使い道があるのでしょうが、G大阪はDFラインを積極的に押し上げてランコをゴールから遠いところに追いやってしまいました。こうなるとランコはスピードがないのでどうすることもできません。ハイボールはG大阪の両CBに完敗。また足元でボールを受けて叩いたところで、今の浦和はその先に何もありません。
先制を許してペトロは攻撃が全く期待できず、しかも前半イエローをもらってしまった野田を下げて暢久を投入(宇賀神が左SBへ回って、暢久が右SB)。さらに小島に代えて梅崎を入れ、マルシオをボランチに下げるいつもの博打を敢行して、なんとか両サイド深くまでボールを運べるようにはなりましたが、G大阪も手馴れたものでブロックをしっかり形成して防戦。浦和はそのブロックを最後まで崩すことができませんでした。
相手の守備ブロックを全く崩せなくても、原口の強引な一発でなんとか点を取っていた時期もありましたが、この日の原口は不調どころか攻撃の阻害要因でしかありません。梅崎投入時に下げるのは原口でもなんらおかしくないほど酷い出来でしたが、ペトロは御守り、いや御神体と化した原口には手をつけずじまい。
攻撃を犠牲にした分、守備が安定していればまだ光明があるのですが、守備も安定感は微塵も感じられず。G大阪の狙いは単純で浦和最終ラインの裏狙い。深い位置から縦パス一本で浦和DFライン裏を狙ってくることもあれば、ある程度ボールを繋いでバイタルエリアでウロウロしている二川あたりからのショートパスで浦和DFラインを突いてくることもあるので、浦和守備陣も対応は楽ではありません。
2,3本縦パスがラフィーニャに通って危ない場面を作られて嫌な予感だけが漂う中、とうとう決定的な縦パスがイ・グノに通ってG大阪先制。まぁ深い位置にいたとはいえ、あれだけ遠藤に自由を与えてはどうにもならんでしょうなぁ・・・中盤で優位に立っているわけでもなく、前目からしゃかりきにプレスをかけているわけでもないのにDFラインをむやみに上げるとこうなってしまう好例ですわ。
後半のG大阪は浦和のカウンターを警戒してか、人数をかけて攻めてボールを失うような事態を避け、逆にある程度浦和にボールを持たせてカウンター狙い。その狙いが奏功してラフィーニャがDFライン裏に飛び出してGKと1対1になる場面が2度ありましたが共に決められず。それ以外にも前がかりになった浦和のミスに乗じてのカウンターチャンスが何度かありましたが、この日のG大阪は肝心なところでミスが多発して追加点ならず。
試合も終盤になって敗色濃厚の浦和の選手達は玉際に鋭く詰め寄って頑張っているようではありましたが、如何せんチーム全体に意図が感じられず、なんのために頑張っているのか判らない、まさに空回りの集合体と化しているのが哀れ。誰がどう見ても監督の責めに帰せられるべき惨状ですが、なぜかその監督をひっぱり続けた報いなんですから、今更どうしようもありません。
-----ランコ----
原口---直輝---丸塩
---柏木--小島---
野田-永田-摩周-宇賀神
-----加藤-----
HT:野田→暢久
64分:小島→梅崎
76分:ランコ→原
この日のスタメンで驚いたのは宇賀神の右SB起用。中3日では暢久SBは無理という判断だったのかもしれませんが、残念ながら攻守とも全く良いところなし。守備が計算できないのは仕様ですが、慣れないポジションでマルシオとの連携が取れないせいか攻撃面でも持ち味を出せず、前に出ても結局バックパスばかり。
---ラフィ--李----
二川--------武井
---遠藤--明神---
下平-山口--中澤-加地
-----藤ヶ谷----
得点:28分 イ・グノ
71分:加地→佐々木(武井が右SBへ)
90分:ラフィーニャ→藤春
90+3分:二川→橋本
強行出場の遠藤はずっと深い位置にいて、代わりに二川が2列目で躍動。その二川を浦和守備陣が捉えきれず。
最後の橋本投入は、時間つぶしという狙いもさることながら、長期離脱していた橋本の復帰を祝うファンサービスなんでしょうなぁ・・・・浦和にとっては屈辱的なことに。
| 固定リンク