【観戦記】11年第29節:浦和 0-1 大宮
ナビスコ杯を勝ち進んだことによって得たはずの良い流れは雲散霧消。大宮の決定機も多かったわけではありませんが、浦和の決定機はわずか1回しかなく、それなりにチャンスを作っていた大宮の勝利は極めて妥当でしょう。
この日何がショックだったって、監督がスタメンを妙にいじくらず、G大阪戦とほぼ同じ面子(出場停止の宇賀神を平川に代えただけ)で試合に臨んだにも関わらず、大宮の前にほぼ手も足も出なかったこと。大宮は積極的にラインを押し上げてコンパクトな陣形で浦和を封じ込める作戦に出ましたが、これがものの見事に奏功して浦和は中盤が全く作れませんでした。
この試合の様子を見ると、C大阪戦・G大阪戦で良い内容の試合が出来たのは浦和が良かったのではなく、単に両チームの中盤がユルユルすぎただけのようにも思えます(奇しくも両チームとも昨日大敗を喫してますが)。また残留争い慣れしている大宮と、降格のプレッシャーでガチガチになってしまった浦和との精神的な余裕の差が大きいのかもしれません。
中盤が全く作れない浦和は最終ラインでだらだらボールを回してセルを大宮DFラインの裏に走らせるくらいしか攻撃の手立てなし。しかも前半はなんとかDFライン裏に抜け出たセルへのフォローが遅くて、全く点が入る気がしませんでした。強行出場した柏木はいつもと比べると運動量が少なく、無理を承知で出すレベルではなかったような・・・
後半は選手間の距離関係、フォロー意識がやや改善して、それがセルの強引な中央突破→ランコのビッグチャンスに繋がりましたが、ランコのシュートはGK直撃・・・
手詰まり感たっぷりになったためか、ペトロはランコに代えて原口を投入し、フォーメーションも4-2-3-1に変更。机上論としては十分選択肢たりうる変更ですが、結果は完全に失敗。既に疲労困憊のセルはボールをキープできず、しかもサイドに流れ勝ち。これでは2列目はフォローのしようがありませんし、たまに原口にボールがわたっても、原口は投入直後に見せ場を作ったくらいで、その後はさっぱり。
CKを随分得はしましたが、サインプレーで密集から離れたところにいた柏木が惜しいシュートを1本放っただけで、あとはチャンスにならないどころか、大宮にカウンターのチャンスを与えていただけのような・・・ これを見ると相手は浦和にCKを与えてもいいからボールを蹴り出して凌ぐ気になりますわなぁ・・・
ただボールを持っているだけの浦和に対し、大宮はカウンター主体に反撃。フォーメーションは一応ラファエル1トップの4-2-3-1なんでしょうが、東がラファエルと並ぶ2トップ、あるいは完全に東とラファエルが入れ替わってしまう時間帯も結構あり、引き気味の位置にいるラファエルが巧みにボールをキープしながらチャンスメーク。こういうFWが浦和にいたらどんなに楽なことか(自嘲)
この日は野田の調子が明らかに変。選手紹介でなぜか読み飛ばされたのが良くなかったのかもしれませんが(笑)、1対1の対応を誤って簡単に裏を取られることも。自分がチームに迷惑をかけているのを気に病んでが、終了間際に攻撃に出た際にラフプレーでイエローをもらってしまいました。悪いことは続くもので、相手と交錯してそのまま動けずに負傷退場。
大宮はシュートに繋がる場面は少ないものの、浦和左サイドを深く抉って鋭いクロスを何本か供給。またサイドから浦和DFラインへ斜めにボールを入れて、後方から突入してきた選手に拾わせる(GK加藤の鋭い飛び出しでなんとか事なきを得ましたが・・・)など、それなりにチャンスメーク。そしてその積み重ねが決勝点に。野田に代わって投入された岡本の裏からのクロスがラファエルにどんぴしゃり。
J1残留のためには是非とも勝利が必要だった「さいたまダービー」に破れて意気消沈の中、ペトロが「来季は指揮を取らない」と公言。チームを混乱に陥れるだけの、思慮を欠いた(っちゅーか、ペトロにもともと思慮なんてあるのかなぁ・・・)発言でただでさえささくれ立った心が一層ズタズタになってしまいましたが、その辺は稿を改めて。
---蘭子--セル---
梅崎--------丸塩
---柏木--啓太---
野田-永田--濱田-平川
-----加藤-----
66分:デスポトビッチ→原口
71分:野田(負傷)→岡本
75分:マルシオ→直輝
G大阪戦の前半の出来からすればマルシオのスタメン起用はどうかと思いましたが、結果は案の定。もっとも代わりに直輝を出したところで、大勢に影響はなかったかもしれません。
-----ラファ-----
橋本---東----渡邉
---上田--青木---
金--片岡--深谷-杉山
-----北野-----
得点:84分 ラファエル
57分:上田→金澤
69分:杉山→李天秀
75分:金英權→村上
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