【観戦記】12年第1節:広島 1-0 浦和 ~ 成熟度が違いすぎた完敗
・結果的にはCKからの流れから寿人にやられた1点だけで済みましたが、90分を通じて浦和にチャンスらしいチャンスはロスタイムの槙野の一発だけ。それ以外は決定機どころかシュートすら満足に撃たせてもらえませんでした。従ってどこからどうみても1-0の点差以上の完敗。攻撃偏重が謳い文句(?)だった今季の浦和が満足に攻撃させてもらえなかったという意味ではややショックな試合内容でした。
・ただ相手があまりにも悪すぎた側面は否めません。監督が森保に代わったとはいえ、ミシャのやり方は重々承知の広島が相手。広島はこれまでの戦術にさほど手を加えず、強いて言えば勝負により世知辛くなる方向でやってきました。
・戦力に大差がなく、かつ全く同じ戦術&フォーメーションのチーム同士が戦うとなると、成熟度の差が勝敗を分けるのは明々白々。浦和は1トップや2シャドーになかなか縦パスが入らず、しかも前3人の距離も遠い上に連携もイマイチなのに対し、広島は寿人に縦パスがズバズバ入る上に、寿人にボールが渡ってからの周囲の動きが浦和と違って迷いを感じませんでした。新加入の石原は早々と広島のスタイルに馴染んだようで、前半早々に寿人とのコンビネーションで決定機を演出。
・また広島がサイドにミキッチという決定的なストロングポイントを有していたのも勝敗に大きく影響しました。千葉からの長いパスを受けて浦和左サイドにぽっかり空いたスペースに走りこんでのチャンスメークを皮切りにミキッチは何度も浦和左サイドを蹂躙。梅崎は前半半ばから後半ミキッチがなぜか交代を命ぜられるまで守備に追われっぱなしで、攻撃面では梅崎は文字通り何もできず。後半はミキッチを気にするあまり、今度は浦和右サイドがぽっかり空きがちに。
・この日唯一の得点はCKからの流れでしたが、ここもミキッチがポイント。ミキッチからの低いクロス→石原のシュートはなんとか加藤が弾いたものの、こぼれたところを寿人。
・これまでの練習試合では平川が攻撃のキーマンになっていたようですが、ミキッチとは対照的にこの日は全くの泣かず飛ばず。もっともいい形で前3人にボールが入らないので平川も上がるに上がれないでしょうし。
・浦和の攻撃がなんとか形になりだしたのは試合終盤。この日突如2列目にスタメン起用された直輝に代わってポポが投入されてからのわずかな時間でしたが、遅まきながら浦和の両CBの攻撃参加で両サイドを抉る形が出来始めました。もっとも広島も心得たもので、どん引きでエリア内中央をがっちり固めていましたから、浦和の波状攻撃は決定機に至るどころかシュートチャンスもなかなか作れず。ロスタイムにポポが広島左サイドを深く抉ってのクロス→ファーで槙野がヘッドがこの日唯一の決定機でしたが、シュートは西川がかろうじてセーブ。
・練習ではランコと甲乙付けがたい出来と伝えられた達也はともかく(結果はどっちもどっちでしたが・・・)、怪我で長く離脱していた直輝を突如スタメンに抜擢したのは不可解。案の定ほとんど機能しないままポポに代えられてしまいましたが、そのポポのほうが遥かに可能性を感じたのは皮肉なもの。
・先制された後、ミシャは遮二無二同点を狙いに行くのかと思いましたが、それなりに攻守のバランスを取っていた模様。浦和は何かと雑音が多くて、初戦大敗でもすればいきなり監督の地位が危うくなりかねないことを知っての諸行なのかどうか。もっとも広島に追加点を与えなかったのは、広島がミキッチを下げてくれたのに大いに助けられた感もありますが・・・
-----達也-----
--原口----直輝--
梅崎-柏木--啓太-平川
-槙野--阿部――濱田-
-----加藤-----
【交代】
55分:達也→デスポトビッチ
77分:直輝→ポポ
-----寿人-----
--高萩----石原--
山岸-和幸--青山-ミキッチ
-水本--千葉--森脇-
-----西川-----
【得点】
49分:佐藤
【交代】
74分:ミキッチ→石川
90分:石原→大崎
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