【観戦記】12年第13節:FC東京 1-1 浦和
・90分間全くダレることのない、中身が詰まった好ゲーム。金を取って見せるに値する、ホンマもんのプロの試合でした。
・ロスタイム突入直前のマルシオのゴールで浦和勝利を確信したものの、その直後に森重ゴールで追いつかれ、勝ち点3を逃したのは返す返すも残念でしたが、試合内容からすればドローやむなし。FC東京(以下「瓦斯」)はACL出場&グループリーグ突破を果たしているだけあって非常に手強い相手でした。
・試合の流れは前半浦和がやや優勢、後半は瓦斯がやや優勢。ただお互いその持ち味を消しあっているために決定機の数は共に余りありませんでした。半ば贔屓目で強いて言えば浦和のほうが決定機は多かったかなという程度。
・瓦斯は高い位置に守備ブロックを作って、前から激しくプレッシングをかけてきました。浦和は清水戦と違って、フォアチェックを掻い潜ること自体に難はありませんでした(啓太が瓦斯の選手に囲まれかかりながら、繋ぎの役目をしっかり果たしていたと思います)が、縦パスを入れるのに苦労。
・ポポ、マルシオ、柏木の前3人に縦パスを入れてくるところを瓦斯はがっちりマークし、そこからカウンターという狙いがありあり。
・従って序盤の浦和は両WBに直接ロングボールを入れて瓦斯DFライン裏に走らせる単純な攻撃しかできなかったと思います。
・ポポに執拗にDFライン裏を突かせてDFラインを下げようとしたり、単にマルシオや柏木が下がってボールを受けるなどして、時間の経過と共にようやく浦和の攻撃も形になり始め、30分過ぎに浦和左サイドから槙野→ポポ→梅崎のビッグチャンスを掴んだものの、シュートは権田がセーブ。前半終了間際にはカウンターからポポ→マルシオの絶好機がありましたが、これも権田が神がかり級のセーブ。
・前半の瓦斯の攻撃はカウンター主体。細かいパス回しが上手いので浦和はボールを失うと即座に奪い返すのは困難。そして渡邉なり両SHなりにボールが収まると瓦斯は一気にスピードアップ。多くの人数を割いて一気に攻めかかってくるので対応はかなり面倒でしたが、それでも前半危なかったのは石川のシュートがポストを叩いた場面だけ。他に序盤ルーカスからのクロス→渡邉で嫌な形を2度作られたくらいでしょうか。
・後半は浦和の運動量が激減して攻撃がままならなくなり、梅崎のシュートがバーを叩いたくらい。ミシャはポポを早い時間帯に原口に代えて局面打開を図ったものの、残念ながら結果は芳しくありませんでした。原口はボールがない時の動きに乏しく、守備もさぼりがちという悪癖がゾロゾロ。極端な話、浦和は一人少ない状態に陥ったようなもので、後半自陣に押し込められる一因になってしまいました。
・瓦斯は前半とは打って変わって浦和陣内でボールを支配し、細かくパスを繋いでそれなりにチャンスを作るようにはなりましたが、浦和の最終ラインを崩すには至らず。シュートを撃つ寸前で浦和CB陣に防がれることもしばしば。
・面白い試合ながらスコアレスドローやむなしという雰囲気が漂いだした終盤になって突如試合が動き出しました。足が攣った平川に代わって右WBに投入された宇賀神のスローインから、柏木→原口と繋がり、原口のヒールパスを受けたマルシオがついに権田をぶち抜いて浦和先制!!!
・これで試合が終われば何も言うことはなかったのですが、直後のCKで森重にやられてしまいました。槙野は完全に競り負け。それまで何度もCKを与えながらも、瓦斯にチャンスらしいチャンスはなかったので個人的にはタカをくくっていたのですが、セットプレーに強い今野がいなくなっても森重がいたのを失念・・・・
・試合終了間際に浦和は死力を振り絞って宇賀神→原口のビッグチャンスを掴みましたが、原口のヘッドはポストを叩いてゴールならず。原口はこれが決まっていれば、それまでの不出来なんぞどうでもよくなって神に祭り上げられていたのでしょうが、世の中そうそう上手くは行きません。
・勝ち点3がスルリとこぼれ落ちたにも関わらず、試合後の満足度が高かった不思議な試合。昨年末に熊谷で瓦斯に手も足も出ず惨敗してからわずか半年、まだまだ発展途上の浦和がここまでできるようになった。リーグ戦はまだ半分以上残っていて浦和はまだまだ伸びしろがあると思うからこその満足感なんでしょう、きっと。
-----ポポ-----
--丸塩----柏木--
梅崎-阿部--啓太-平川
-槙野--永田--坪井-
-----加藤-----
【得点】
88分 マルシオ リシャルデス
【交代】
62分 ポポ→原口
69分 平川→宇賀神
90分 マルシオ→小島
・宇賀神は得意の左ではなく右に投入されたにも関わらず、何の問題もなし。消耗が激しい浦和のWBで両サイドをこなせる人材が出てきたのは嬉しい限り。先々ベテラン平川に取って代わるようになるのかも。
・マルシオが傷んだ場面。CKを凌いだら終わりという局面ならスピラ投入だったのでしょうが、残念ながら5分と長いロスタイム。スピラを入れるとその後の中盤の構成がぐちゃぐちゃになるでしょうから難しいのかも。一応ボランチも出来て格好の逃げ切り要員だった濱田不在がこんなところで響く結果に。
-----渡邉-----
ルーカス---梶山---石川
---長谷川-高橋---
椋原-森重--徳永-チャン
-----権田-----
【得点】
90+1分 森重
【交代】
85分 渡邉→谷澤
90分 チャン ヒョンス→林
90+4分 梶山→加賀
・何のプレッシャーもないのにエリア内でハンドを犯したり、相手に手を掛けたりしてPKを献上しまくったお笑い系CBの森重はすっかり成長(´・ω・`)
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