【観戦記】12年第15節:浦和 0-0 仙台
・共に相手守備陣をこじ開けられずにスコアレスドロー。もっとも仙台はほとんどチャンスらしいチャンスがなかったのに対し、浦和は後半立ち上がりから15分くらいまで猛攻を仕掛け、マルシオや梅崎のシュートが枠に嫌われる場面がありましたから、試合内容は浦和やや優勢。G大阪戦とは打って変わって試合内容は良かっただけに、ホームで勝ちきれなかったのは残念至極。
・仙台はかなり高い位置に守備ブロックを作って、前目から積極的にプレッシング。浦和がパスミスでも犯そうものなら一気にシュートまで持っていかれかねない布陣ですが、鳥栖戦やG大阪戦に比べれば浦和のビルドアップはスムーズで、柏木やマルシオに良い形で縦パスが入る場面もそれなりにありました。
・ただそこからなかなかシュートにまで持ってゆけず。IHから両サイドへ展開する形は何度も作りましたが、そうこうしているうちに仙台にエリア内中央をしっかり固められてしまい、浦和のクロス精度が高くないこともあってサイド攻撃が決定機になったのは宇賀神→梅崎ヘッドの一回だけ。この日たまたまフィンケが観戦に来ていたそうですが、サイド攻撃の迫力のなさはフィンケ時代とそっくり。
・バイタルエリアがぽっかり空くこともそうそうなく、際どいミドルシュートが撃てたのもマルシオのポスト直撃弾だけ。
・仙台DFラインが高いため、何度も縦パス一本で原口をDFラインの裏へ走らせようとしてはいましたがオフサイドにかかりまくり。原口はボールを持ってナンボの選手で、寿人が最も得意とする執拗な裏狙いなんてちょっと前までは全然やらなかっただけに、何度オフサイドにかかろうともトライするようになっただけマシと前向きに評価すべきなんでしょうなぁ。
・後半も15分を過ぎると試合は再び膠着状態。ミシャは3選手を相次いで投入して局面打開を図りましたが、どれも奏功せず。原口よりはDFラインの裏への抜け出しが上手い達也に期待がかかりましたが、一度抜け出しに成功してのゴールと思われたものがなぜかオフサイドと判定されたのが唯一無二の見せ場で、あとはほとんどボールに絡めず。
・チャンスの数は多くありませんでしたが、守備はほぼ完璧。守り方は仙台とは真逆でかなり深い位置に引き篭もって、相手にボールを持たせるやり方。仙台は前半SBを積極的に攻撃参加させてのサイド攻撃というかサイドからの放り込みが目立ちましたが、ウィルソンを出場停止で欠いたのが響いてか、クロスを入れたところで何も起こらず。前半の終わりごろにCKのこぼれ玉をフリーで角田がシュートを放ったのがこの日最初で最後のチャンス。
・後半は完全に手詰まり。ボールを持たされるとほとんど何もできないチームが首位にいるのが不思議・・・
・たまに見せるカウンターも浦和最終ラインに凌ぎきられてGK加藤を脅かすに至らず。ロスタイムに喰らったカウンターでエリア内に突入したリャンから暢久がサクッとボールを奪ったのがその象徴。
・終盤は焦って先に無理に攻めを仕掛けたほうが負けといった按配。如何せん浦和の最終ラインは深く、前からボールを取りに行こうとしても徒労に終わりがちなので、我慢に我慢を重ねて見ましたが、ついにチャンスは訪れずスコアレスドロー。
・ロスタイムになっても積極的にボールを奪いに行かず、ボールを奪っても最終ラインでゆっくりボールを回す時間が長いあたりに不満を持つ向きもあろうかと思いますが、無理攻めをすればカウンターを喰らって負けてしまう可能性が高かったのもまた事実。昨年かろうじて残留したに過ぎないチームで、しかもスタイルを大転換してわずか半年なのに、往々にして分不相応な結果を求められる浦和というクラブで指揮を取ることの難しさが凝縮したような終盤でした。
-----原口-----
--丸塩----柏木--
梅崎-阿部-小島-宇賀神
-槙野--永田--坪井-
-----加藤-----
71分 小島→暢久
71分 原口→達也
84分 マルシオ→矢島
---中原--柳沢---
梁---------太田
---角田--富田---
朴--渡辺--鎌田-菅井
-----林------
63分 柳沢→赤嶺
76分 中原→武藤
89分 太田→松下
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