【展望】12年第30節C大阪戦
・とうとうリーグ戦連敗。一人少ない大宮相手にホームでドローに終わってしまったあたりから今年の浦和は行き詰まりを見せており、降格圏を彷徨うG大阪や札幌に立て続けにホームで敗戦。また天皇杯ではカテゴリーが2つ以上違うチームに苦戦。勝った横浜M戦や柏戦も試合内容は芳しくありませんでしたから、リーグ戦連敗に至ってしまったのも特段驚くべきことではありません。
・G大阪戦で大敗を喫するまでは浦和の守備はスタッツだけみればリーグ内では堅いほうでしたが、このところ失点続き。しかも横浜M戦、柏戦、仙台戦と早い時間帯での失点が目立ちます。
・浦和の守備は「さっさと帰陣して後ろに人数をかけて最終ラインで跳ね返す」のが基本。WBが戻り切れない間に、その裏を相手のFWなりSHなりに突かれがちなのは3バックの宿命で半ば已むをえません。
・ただそこから上がってくるクロスに対して往々にして中央なりファーなりで待ち構えている相手へのマークがずれまくりで、いとも簡単に失点してしまうのは困ったもの。肝心の相手へのマークがずれていては後ろに何人余らせていようがほとんど意味がありません。
・ゼリコの守備は極論すれば「1対1で負けるな!」でしかありませんでしたが、ミシャの守備はこれまた極論すれば「後ろに人数をかけておけばなんとかなるだろう」という程度のものでしかありません。どちらもあまり組織的ではないという意味で似たり寄ったり。
・今の浦和はCBなりボランチなりにそれなりに人材が揃っているので、それでもなんとかなっています。もっともやたらとシュートを撃たれてはGK加藤が防ぎまくっているだけで、事実上限りなく破綻しているという見方もできますが・・・
・浦和の守備はいかんせん組織性に乏しいため、レギュラーメンバーを欠いたり、お疲れが顕著になったりすると途端に破綻。浦和ほどCBが強くないかつての広島でしばしば大量失点を喫していたのは道理で、この辺の問題は今後ずっと付きまとうのかも。森保監督がその広島の守備をどう改善したのかは判りませんが。
・次節のC大阪は8月末に急遽クルピ監督が復帰してからチーム状態が劇的に改善。第24節新潟戦からの6試合で4勝1分1敗と下位にいるチームとは思えない好成績を上げて、降格の可能性は事実上雲散霧消。
・前回長居で対戦した時と比較すると、清武、キムボギョン、ケンペスとスタメン3人、さらにサブにいたブランキーニョと前目ばかり4人も選手がいなくなりました。しかし、主力が抜けまくってもチーム力が落ちないどころかむしろ成績が大幅に良くなっていますから、クルピ監督恐るべし。
・素行不良を理由にクルピ監督によって徳島へ放出された過去がある柿谷は監督との確執を乗り越えて(?)チーム随一の点取り屋に成長。また清武やボギョンの移籍金が効いたのか、ASローマからMFシンプリシオを獲得した他、草津からへベルチを補強。共にしっかりレギュラーを確保しています。
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<前節:C大阪 1-1 F東京>
-----杉本-----
ヘベルチ--柿谷---枝村
--シンプリシオ-山口---
丸橋-藤本--茂庭-酒本
-----金鎮鉉----
得点:50分 丸橋
85分:枝村→吉野
85分:ヘベルチ→扇原
85分:丸橋→高橋
<前回:C大阪 1-1 浦和>
---柿谷--ケンペス--
清武-------金甫炅
---扇原--山口---
丸橋-藤本--茂庭-酒本
-----金鎮鉉----
得点:90+1分 柿谷 曜一朗
73分 丸橋→播戸
81分 清武→ブランキーニョ
89分 酒本→永井
・蒸し暑い天気に加え、雨で滑りやすいピッチコンディションも災いしてか、どちらもイージーなミスが非常に目立った低調な試合内容。
・浦和は比較的マシだった前半に啓太が先制点を挙げたものの、後半はほぼ一方的に攻められっぱなし。
・しかも何度かあったカウンターのチャンスを一つも決められず。セレッソの猛攻を支えきれずにロスタイムに失点し、悔しいドロー。
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