【観戦記】12年第29節:仙台 3-2 浦和
・戦前予想だにしなかった点の取り合いになりましたが、得点は常に仙台が先行。浦和は2点差を1点差にするのが精一杯で一度も同点に追いつくことなく試合終了。それでも選手はできることを精一杯やった感があり、敗れはしましたが見応えのある試合でした。
・もっとも試合は終始仙台ペース。試合開始早々に浦和が失点したのがその主因で、カウンターが得意な仙台のペースに嵌ってしまいました。
・また仙台は後半に得たカウンターのチャンスをウィルソンが2度きっちり決めたのに対し、浦和はチャンスをマルシオが決められず。そこそこ点が入った割にはどちらもチャンスが多くはなかった試合だと思いますが、決定力の差も勝敗を分ける一因になってしまいました。
・浦和は後半こそかなり見せ場を作りましたが、返す返すも残念なのが前半の試合内容。立ち上がりの失点は梅崎の裏をサイドに流れてきたウィルソンに突かれ、そこからのクロスを赤嶺がヘッド。クロスの先には赤嶺しかいないのでマークがしっかりついてさえいればさほど危険とは思えない攻撃ですが、坪井が赤嶺のマークを外してしまってはどうにもなりません。ウィルソンに簡単にクロスを上げさせてしまう浦和の守り方も相当アレですが・・・
・その後は仙台の堅守の前に浦和は手も足も出ず。仙台はDFラインを押し上げて陣形をコンパクトに保ちながら前から両FWが浦和最終ライン、特に永田と坪井にプレッシング。
・もっとも仙台は特段浦和対策を講じているわけではなく、普通に4バックで守っているだけなので、浦和は仙台のプレスを交わしてしまえば両WBまでは簡単にボールを運べました。
・ただそこからが手詰まり気味で、ハイクロスはもちろん低いクロスも全部仙台CBに跳ね返されてどうにもならず。柏木にボールが入り、ポポが絡んでマルシオのシュートにまで持っていった場面が一度ありましたが、前半の攻撃で様になったのはそれだけかな?
・この試合、不振の原口に代えて1トップにポポを据えたミシャ。原口と違ってDFライン裏へ飛び出す意識が強いポポですが、前半はそんな場面はほとんどなし。むしろ苦手なポストプレーをこなそうとして仙台DF陣にファウル紛いのプレーで潰され、主審の不安定なジャッジにも苛立ちを露にしてイエローカードをもらう始末。
・主審の不安定さにも参りましたが、それ以上に参ったのがユアスタの芝。観客席から見てもボールがあらぬ方向へバウンドするのがはっきり判るほどで、細かいパスを足元から足元へ繋ぐ浦和の選手はこのピッチに四苦八苦。逆に浦和がトラップミスを犯したのに乗じて仙台がカウンターで縦に早い攻めを仕掛けるのには好都合。
・後半はポポを仙台最終ライン裏に走られるような意図がはっきりと見てとれました。それに伴って仙台の最終ラインが下がり、時間の経過と共に仙台の運動量が落ちてきたことも相まってバイタルエリアも空きがちに。
・そのため前半と違ってサイドから可能性の感じられないクロスを入れて御終いという場面は少なくなり、粘り強い攻めを仕掛けられるようになりましたが、それでも浦和の決定機は僅少。左サイドからのマルシオとの壁パスで槙野がエリア内に飛び出した1点目は見事なものでしたが・・・
・攻勢をかけるも点の遠い浦和を尻目に仙台は単純極まりないカウンターで着々と加点。2点目は浦和右サイドに流れた赤嶺に坪井が振り切られたのが始まりで、あとはリャン→ウィルソンと繋がれ、ウィルソンがニアをぶち抜いてゴール。
・3点目はもっと情けなく、浦和左サイドからの縦ポンに反応した中原に対して阿部が競り負け、こぼれ玉に反応したウィルソンについていた平川は子供のようにあしらわれてジ・エンド。まぁ前がかりになっている中での失点ですからやむを得ない点はありますが・・・・
・浦和は久しぶりにセットプレー(柏木CK→マルシオ)で1点を返したものの、カウンターの絶好機をマルシオが決められずに1点差負け。切り札として投入された原口は全くいいところなく、また野田は仙台相手には実力不足でした。
-----ポポ-----
--丸塩----柏木--
梅崎-阿部--啓太-平川
-槙野--永田--坪井-
-----加藤-----
得点:64分 槙野、82分 マルシオ
71分 梅崎→宇賀神
72分 坪井→原口
83分 平川→野田
---赤嶺--ウィルソン--
梁---------太田
---角田--富田---
朴--上本--鎌田-田村
-----林------
得点:2分 赤嶺、62分 ウイルソン、79分 ウイルソン
77分 赤嶺→中原
83分 パク チュソン→内山
88分 太田→関口
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