【TV観戦記】12年第31節:川崎 4-2 浦和
・どちらにもチャンスらしいチャンスがあまりなくスコアレスドローに終わった前節C大阪戦よりはマシな試合だとは思います。また1失点目に象徴されるように運がないとしか言いようがない面も確かにありました。しかし、サッカーで4点も取られながら「運がなかった」とか「内容では勝っていた」とか言い訳を並べたところで虚しい限り。
・川崎の試合内容は褒められたものではなく、勝ったけれども先々何も残らないと感じましたが、浦和はそれ以上にダメでした。特に肝心要なところで。ミシャが志向しているサッカーを否定するつもりはありませんし、その必要も全くないと思いますが、試合内容は浦和の成長よりも今年の限界をまざまざと突きつけられたようなものでした。
・川崎のフォーメーションは事前報道どおり3-4-3、というかかなりの時間帯で5-4-1でドン引きで守っていました。ただ川崎の守備はただうしろにぐちゃぐちゃ人がいるだけで連携に難があるのか、浦和は何度もチャンスを作り出すのに成功。暢久→原口→柏木と繋がった先取点なんか実に惚れ惚れするような形で、この面だけ取り上げてみればそんなに悪い試合ではなかったのかもしれません。
・ただチャンスを作っても、それを決められないのは相変わらず。この日もマルシオが直接FKのチャンスを含めて何度も好機をフイにしてしまい、端的に言ってしまえばこの日FK2発を含むハットトリックの大活躍だったレナトとの出来の差が勝敗にそのまま直結したような格好。
・しかも「今日はマルシオの日ではなかった」という運の要素で片付けられるようなものではなく、ここ数試合好機を潰しっぱなし。序盤故障で出遅れたものの、復帰後はほぼ出ずっぱりでお疲れなため肝心なところで精度を欠いているのでしょうが・・・
・さらにマルシオの調子が良くないからと言って、代わってピッチに送り出せるほど信頼のおける選手も僅少。あえていえばポポの途中投入がなかったのが不可解だったくらい。
・マルシオ以上にコンディションが良くない柏木、啓太、平川といったあたりをスタメン起用せざるを得ず、しかも負けているのに交代枠を2つも余らせて試合を終えてしまうほど、使い物になる選手層が薄い浦和。その限界が如実に表れた試合だとも思いました。
・またマルシオの不出来以上に難儀なのは大量失点。壁に当たったボールがそのまま入ってしまう1失点目は不運としかいいようがありませんし、結局のとことレナト&中村と優れたプレースキッカーのいる相手に対して危険な位置で安易にファウルするな(2失点目は槙野が不用意といえば不用意)ということに尽きますが、2失点目まではやむを得ないかと思いました。
・この試合を決定付けたのは3失点目。自陣深い位置でマルシオ→阿部のバックパスを奪われてからの失点。結局はレナトの個人技に坪井が翻弄されたような格好での失点でしたが、あんなところでボールを失えばもはやこれまで。点の取られ方が非常に悪く、仙台戦に続いて2点ビハインドを追いかける羽目になり、得点力が高いとは言いがたい浦和にとって重い重い失点になってしまいました。
・4失点目は啓太の縦パスをカットされてからのカウンター。小林のシュートがDFに当たり、跳ね返りが山瀬の前にこぼれてくるという不運といえば不運なものでしたが、前がかりになって攻めている過程でカウンターを喰らってますから、半ば起こりうべくして起こった失点ともいえ。
・G大阪戦以降負けに負けまくっていますが、それでも3位を維持。これこそ幸運としかいいようがありません。今の行き詰まりを見るにつけ、個人的には次節以降は結果に拘らない選手起用をしてもなんら差し支えないと思います。
-----原口-----
--丸塩----柏木--
梅崎-阿部--啓太-平川
-槙野--暢久--坪井-
-----加藤-----
得点:19分 柏木、58分 槙野
78分 平川→宇賀神
-----小林-----
-レナト------楠神-
登里-風間宏-中村-田中
-伊藤--ジェシ--實藤-
-----西部-----
得点:22分 レナト、28分 レナト、34分 レナト、72分 山瀬
HT 楠神→山瀬
65分 風間宏希→稲本
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