【観戦記】12年第33節:鳥栖 3-1 浦和
・浦和はボールを持っている時間こそ長いものの、決定機を掴めないまま時間だけがダラダラと過ぎ、鳥栖のカウンターを浴びて失点を繰り返したというどこからどう見ても力負けの試合。鳥栖守備陣を崩した場面なんて全くと言っていいほど見受けられず、試合終了間際のマルシオのシュートが惜しかったくらい。拙い攻撃が拙い守備を生む悪循環で、当然のごとく完敗。
・出場停止で槙野を欠き、さらに前節に続いて故障で柏木を欠いて、2枚看板を失った浦和は攻めに全く工夫がなく、再三両サイドから攻め込むもののシュートに持ち込めず。何の可能性もないハイクロスを入れていとも簡単に鳥栖CBに跳ね返される場面も少なくありませんでした。
・もっとも浦和は前半決定機こそ掴めなかったものの、あの豊田のゴールまで鳥栖にもチャンスらしいチャンスを与えていませんでしたから滅茶苦茶悪い試合とは思いません。むしろ最初のチャンスをしっかりものにした鳥栖の強さが光った試合といったほうがいいのかもしれません。ただ、鳥栖が先制した後は浦和が自壊をおこしてしまってほぼ一方的な鳥栖のゲームに。浦和は梅崎のゴールで一時同点に追いついたものの、すぐさま追加点を許してしまい、試合の流れを変えられませんでした。
-----原口-----
--丸塩----梅崎--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-濱田--暢久--坪井-
-----加藤-----
得点:58分 梅崎
HT 坪井→野田
72分 平川→ポポ
79分 原口→達也
・出場停止の槙野の代わりは予想通り濱田でしたが、全くと言っていいほど攻撃に絡めず。それだけならまだいいのですが、ちょこちょこ致命傷になりかねないパスミスを犯し、これではレギュラー奪取は絶望的。最初の失点では豊田にきっちり前に入られてしまい、2失点目はクリアが短くて野田に渡ってしまう始末・・・・
・先制されて濱田に代えて野田を入れるかと思ったのですが、ミシャが下げたのはなんと坪井。1点を取るために攻撃力の乏しい坪井を下げたのでしょうが、攻め駒のつもりで入れた野田も濱田よりは若干マシといった程度で、左サイド攻撃に厚みを増すには至らず。
・当然ながら守備は壊滅状態になり、後半開始早々から2度ほどカウンターで決定的な場面を作られてしまいました。
・鳥栖DFラインの前から強襲した梅崎のゴールでなんとか同点に追いついたものの、今後は空中戦でボールを繋がれまくって、最後は野田がフリーでズドン。力づくで攻める鳥栖らしい得点。
・ミシャはさらに平川に代わってポポを投入。梅崎を右WBに下げるのかと思ったのですが、なんとポポをWBに据えたまま。これは攻守のバランスもへったくれもなく、自殺行為もいいところ。案の定浦和右サイドを深々と破られて致命的な3点目を取られてしまいました。
・右サイドからの低いクロスを豊田に押し込まれるという1失点目と全く同じ形。豊田に高さで競り負けたのではなく、単に野田が前に入られただけ。クロスをあわせる相手は豊田一人しかいないのに、それにやられるか・・・ 人数は浦和が圧倒的に有利なのに誰一人として何の役にも立っていないという、浦和の守備の破綻っぷりを如実に示した非常に情けない場面でした。
-----豊田-----
野田---池田---水沼
---藤田--高橋---
民友-金根煥-小林-丹羽
-----赤星-----
得点:45分 豊田、63分 野田、78分 豊田
66分 野田 隆之介→早坂 良太
85分 池田 圭→トジン
88分 水沼 宏太→岡田 翔平
・この試合で面白かったのは、出場停止明けのキム・ミヌを左SBに配したこと。ミヌは左SHが主戦場でSBは一応出来るといった程度のはずで、実際前半は平川への対応に四苦八苦しているように見受けられました。しかし前半終了間際に、野田とのコンビで浦和右サイドを深々と抉って先制点をアシスト。ユン・ジョンファン監督の妙手が見事に嵌った格好。
・この試合でキム・クナンがJ1通算100試合出場達成。横浜Mでは終盤のパワープレー要員に過ぎず、山形ではほとんど出場機会がなかったため、出場試合数の割には出場時間は短いはずですが、ユンジョンファン監督のもとで本職のCBでついに覚醒。横浜Mからのレンタルですが、まず帰らないでしょうなぁ・・・
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