【観戦記】12年第32節:浦和 2-0 広島
・チーム状態は明らかに下降線。しかも前節少々不運な要素があったとはいえ川崎相手に4失点もの大敗を喫した浦和。師匠筋の広島相手に苦戦は免れまいと思いましたが、終わってみれば内容を伴った完勝。良くも悪くも期待だとか予想だとかを悉く裏切ってきた浦和の特質が、監督が代わり選手が代わってもなお脈々と息づいていることを実感させられる試合でした。
・この試合で驚きだったのは広島相手にかなり前目からプレスをかけにいったこと。これまでの浦和の守備といえばリトリート主体。しかも攻守を素早く切り替えるのはいいとしても、なんとなく後ろにベタベタ人がいるだけであまり組織性を感じないのが難点。それだけに浦和が一転して選手が相互に連動しながら前からボールを奪いにいくという積極的な守備を披露したのには驚きました。
・もっとも高い位置でボールを奪えた場面はあまりなく、チャンスに結びついたのは前半マルシオが水本からボールを奪って梅崎シュート(角度がなくてシュートはGK正面)くらいでしたが、後方から急所へパスを入れる能力において一日の長がある広島の良さを封じただけでもかなり効果的だったと思います。この守備が広島用の特殊戦術なのか、守備思想の大転換なのかは残り2戦を見てみないと判りませんが。
・逆に広島はいいところなし。これまでリーグ戦で優勝争いをした経験がないクラブが初めて優勝の二文字がちらつき始めて固くなったのかなぁ? 前半の試合運びはどうみても消極的でしたし、しかもファウルの少ない広島には珍しくラフプレー連発で5枚ものイエローカードをもらう始末。
-----原口-----
--丸塩----梅崎--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--暢久--坪井-
-----加藤-----
得点:41分 梅崎、61分 啓太
74分 宇賀神→野田
85分 梅崎→矢島
90+1分 原口→達也
・前半は引き気味に構える広島に対して浦和がほぼ一方的にボールを支配してサイドから攻撃。特に宇賀神がミキッチ相手に積極的に仕掛ける場面が目立ちましたが、サイドを抉っても何も起こらないのは相変わらず。この試合でサイド攻撃からチャンスになったのは後半坪井のクロス→マルシオヘッドだけだったかも。でもクロスの質で坪井は軽く宇賀神を凌駕していました(苦笑)
・サイド攻撃そのものは捗々しくありませんでしたが、前半浦和が左サイドで終始先手を取ったことで、広島のストロングポイントであるミキッチを自陣に封じ込められただけでも良しとすべきなのでしょう。
・試合が動いたのは啓太→梅崎のゴール。後方から縦パス一本で相手の急所を突く点では広島に見劣りする浦和ですが、それだけに啓太からの縦パスが得点に直結したのは意外でした。シュート精度が高いとは言いがたい梅崎が西川のニアをぶち抜いたのも驚きましたが。
・先制された広島は後半一転して攻勢。立ち上がり早々浦和守備陣を完璧に崩したものの最後はオフサイドとか、左サイドで清水がフリーでシュートを放ったものの角度がなくて枠外とかチャンスはあったものの得点ならず。
・逆にセンターサークル付近でボールを受けた啓太がそのままドリブルで持ちあがって、ぽっかり空いたバイタルエリアからいとも簡単にシュートを決めて浦和が追加点。広島は啓太がシュートを撃つなんて全く予想していなかったのか、パスコースを消すことに専念しすぎてシュートコースを空けまくるという大失態。森崎和は傍観しているだけだし、千葉は慌ててこけとるし(笑)
・2点目が入って浦和はぐっと楽になりましたが、前半からの再三のフォアチェックで前目の選手がへろへろになってしまい、その後のカウンターは不発。
・広島も遅まきながらクロス攻撃が嵌り始め、高萩や寿人に決定機を作られてしまいましたが、加藤の奮戦もあって最後まで広島に得点を許さず。
-----寿人-----
--高萩---森崎浩--
清水-和幸--青山-ミキッチ
-水本--千葉--森脇-
-----西川-----
62分 清水→山岸
72分 青山→石原
86分 森脇→ファン ソッコ
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