【観戦記】13年第6節:浦和 2-0 湘南
・引いて守る湘南相手になかなか攻撃の形が作れずに苦しんだが、柏木の縦パスに反応した興梠が難しいゴールを決めて先制。後半は一転して積極的に前に出てきた湘南に対し、何度となくカウンターを浴びせながらも決定機を外しに外し、結局追加点は柏木CKの一点のみ。
・湘南には85分過ぎに際どい場面が2度あっただけで、それ以外はチャンスらしいチャンスを与えておらず、正直今季のリーグ戦では最も楽な試合だったと思います。ただ幾度となくあった決定機を外しまくったのは甚だ遺憾。ホームでの全北現代との一戦ではそれが敗因になってしまったのが記憶に新しいだけに、楽勝とはいえ試合終了後はもやもや感が拭えず。
・とはいえ、今季未だノーゴールで、浦和で闘うプレッシャーに押しつぶされそうになっていた興梠がついに1点を取り、さらにこれまた不調に喘ぐ柏木は1ゴール1アシストで復調の兆しが見受けられ、「収穫は勝ったことだけ」と切り捨ててしまうような中身のない試合でもなかったと思います。
-----興梠-----
--原口----柏木--
宇賀神-阿部-啓太-梅崎
-槙野--那須--森脇-
-----加藤-----
得点:30分 興梠、73分 柏木
59分 啓太→マルシオ(柏木がボランチへ)
59分 梅崎→関口
90+1分 原口→阪野
・スタメンはアウェー全北現代戦と全く同じ、いつものリーグ戦の面々。
・湘南の試合は昨年も今年も全く見たことがなかったので出方が楽しみでしたが、前半はそれほど積極的にプレスを仕掛けてこず、むしろ5-4-1で引き気味の構え。浦和がGKまでボールを下げたり、ゴールキックになったりした時だけ前の3人が浦和の最終ラインにプレッシャーをかけて簡単にはビルドアップを許さないよう工夫してはいました。
・ただこの時5-2-3みたいな格好になるので必然的に啓太へのプレッシャーが緩くなり、結果的に浦和のビルドアップ対策としてはあまり意味がなかったような・・・ 前半高い位置でボールが奪えない湘南はやむなく引いて5-4-1で守る時間帯が長くなりました。
・前半の浦和はボールを支配する時間こそ長いものの、決定機どころかシュートチャンすらなかなか作れず。ただここで焦らず丹念に中から外、外から中と丹念にボールを回しながら相手の隙を執拗に窺えるようになったのは今年の良いところ。結果が出ているので心理的に余裕があるのでしょう。
・先制点は引いた位置にいた柏木が浮き玉の縦パスで湘南DFラインの裏を突き、興梠が背後から来るボールを足先で決めたもの。興梠の初ゴールは難しいものでしたが、引いた相手の崩し方としては実に理想的。浦和の前線の5人全員が相手の5バックに合わせて惑星直列のように並んだままではチャンスになりようがありません。一人は引いて受ける、そして他の者はDFラインの裏を狙って飛び出すという教科書的な崩しが見事に嵌りました。
・先制された湘南は後半になって一転してDFラインを積極的に上げて前に人数をかけてきましたが、浦和は先制した余裕があるためか、湘南のプレスを楽々交わして攻撃の形を作らせず。それどころか逆に中盤でボールを奪って一気にカウンターを仕掛ける場面が何度もありました。
・ミシャは珍しく早い時間帯に選手交代。上々の出来だった啓太を下げたのが謎でしたが、お疲れの啓太を休ませる目的というより、積極的に点を取りにいったのかも。故障が伝えられていた梅崎の代わりが平川ではなく関口だったのもその傍証。
・良く動く上にボールを簡単には失わないマルシオ投入で湘南の守備はほぼ壊滅状態に陥りましたが、原口が、興梠が、そしてマルシオ自身が外す、外す!
・柏木のゴールはCKが強風で軌道が変わってそのままゴールマウスに吸い込まれたもの。たぶん本人が語るとおり偶然の要素が強いものでしょう。狙ったシュートは決まらず、狙っていないCKが決まる。これもフットボールにはありがちなこと。
・残り5分くらいになって那須のミスからカウンターを喰らったり、槙野がキリノに裏を取られたりして際どい場面を2度作られました。これで1点取られようものなら文化シャッター様のお怒りは必定。追加点をボコボコ取れなかったのは残念でしたが無失点で試合を終えられたのは何よりでした。
-----キリノ-----
--武富----菊池--
高山-ハン--永木-古林
-大野-宇佐美--鎌田-
-----安藤-----
57分 永木→梶川
63分 武富→エジバウド
80分 菊池→岩上
・湘南はちょっと浦和を警戒しすぎたのかも。大分のように頭から積極的に仕掛けてきたほうが、へろへろの浦和に対して多少勝機はあったかと思います。この試合は逆に受身になって浦和に終始走らされる展開になってしまい、お疲れの浦和を追い込めませんでした。
・キリノは初めて見ましたが、DFを背負うと全く何もできず、DFに当たられて簡単にボールロスト。真面目に走ってはいますが、J1ではちょっと通用しそうにないかと。
・前でボールが収まらず、サイドからクロスを入れられるような基点もできず、湘南が点を取る姿が見えてこないまま試合終了。
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