【観戦記】13年第34節:浦和 2-5 C大阪
・2年間積み上げて来たはずのものが音を立てて崩れ落ちてしまった感さえ漂う、酷い敗戦でした。
・浦和は勝負弱いのではなく、単に弱い。前半の出来はここ3試合の中では上々といって差し支えなく、実際原口のゴールで先制点を上げました。しかし、やや不運な形で同点に追いつかれると、その後はもういけません。
・流動的にポジションを変えながら前に人数を裂いて攻勢に出たC大阪に対して、浦和の守備陣は簡単にマークを剥がされるわ、っちゅーかそもそも掴まえてないわで失点の山また山。人数は足りているのに何の役にも立っていない、かかしの林立状態。
・残念ながらミシャは守備に関して何のメソッドも持ち合わせておらず、組織性なんて皆無。だからリトリートして守るにせよ、積極的に前から掴まえに行くにせよ、全て個人能力任せ。中盤でボールを奪えているうちはまだ良い(その点この日の前半はかなり良かったほう)のですが、CBが1対1で脅威にさらされるとなるともういけません。CBの能力不足が顕著すぎ。柿谷なり南野なりが上手いといってしまえばそれまでですが、あんなに簡単にスライドで交わされるようでは話になりません。
・そしてバランスを無視して総特攻を仕掛けたところで得点の気配すら漂わず、逆にカウンターで痛打を浴びまくるお馴染みの展開。
・この試合、凹みどころを数え上げるとキリがありませんが、撃ち合いで敗れるなら仕様通りというか哲学通りなので受け入れられる(その哲学が嫌いな人も多いにせよ)のですが、実際は撃ち合いどころか、途中から殴られっぱなしになっていること。
・この日のC大阪は扇原が最終ラインに下がって5-4-1みたいな格好で浦和のサイド攻撃を封殺。しかも低めの位置でブロックを形成していたので浦和も攻め崩すのに難儀しましたが、C大阪のバイタルエリアは事実上山口が一人で面倒を見ているようなものなので、本来そこは狙い目のはず。
・実際柏木→原口で上手くC大阪最終ラインの裏を取ることに成功しましたが、逆転された後は焦ってパスミスを連発してC大阪の守備ブロックに引っかかってはカウンターの好機を与えるだけに。あれだけミスを連発するようでは、やっていることに自信を失っているのではないかと思わざるを得ません。
・CKのこぼれ玉に興梠が反応して絶望的な戦局に一縷の光明が射したかと思えば、その直後に失点。川崎戦で見たばかりの、精神的にはダメージの大きいパターン。
・試合前はこの試合を山田暢久選手の送別試合と勘違いしているようなゲーフラを掲げる観客もちらほら。試合が終わったら終わったで、スタジアムからは橋本社長へ意味不明なブーイング。監督を「運任せ」と評する的外れ(「(守備は)人任せ」が妥当かと。監督批判自体は妥当だと思いますが・・・)なダンマクも登場。
・試合自体といい、試合前後といい、残念なことだらけ。暢久が、暢久に最も似つかわしくない涙顔でスタジアムを後にしましたが、悲惨な最終戦を偉大な功労者の送別で取り繕うのも浦和の伝統になってしまうのかどうか。
-----興梠-----
--原口----柏木--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--那須--森脇-
-----山岸-----
得点:24分 原口、72分 興梠
54分 宇賀神→関口
54分 平川→梅崎
69分 那須→直輝
・関口&梅崎投入後はバンザイ突撃状態なので評価は難しいのですが、関口がそれなりに働いている一方、梅崎がほとんど機能しないのも相変わらず。リーグ終盤、平川が良くも悪くも無難なプレーに終始しがちなので来年は関口がスタメンを奪取する可能性が十分ありますが、梅崎は正念場かも。
・直輝が久しぶりに長い時間起用されました。これもバンザイ突撃にバンザイを重ねているようなものなので評価が難しいのですが、来年面白いオプションになる可能性が垣間見えたような気も。
-----柿谷-----
エジノ----杉本---南野
---扇原--山口---
丸橋-山下--茂庭-酒本
-----金鎮鉉----
得点:40分 杉本、45+1分 南野、53分 柿谷、76分 柿谷、86分 南野
HT エジノ→枝村
78分 杉本→楠神
90分 楠神→小暮
・退団が決まってモチベーションも何もないせいか、何の役にも立っていなかったエジノを前半だけでばっさり切ったクルピの采配は敵ながら見事。あれでC大阪は一人人数が増えたようなものだからなぁ・・・
・そして途中投入の楠神を途中で下げる非情采配。楠神は随分チームメイトに慰められていましたが、ありゃ楠神は凹むわなぁ・・・ クルピも今季で契約終了ですが、最後は鬼になって一仕事。クルピの浦和嫌いは筋金入りか(自嘲)
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