【観戦記】14年第5節:神戸 3-1 浦和
・決定機こそ少なかったものの前半の試合内容は浦和優勢。神戸はこれといった攻め手がなく、浦和が先制した時点でこの試合は間違いなく勝てると思ったのですが、後半になって試合内容は一変。
・前からのプレッシャーを強めてきた神戸に対して浦和は防戦一方になり、なんとか耐え凌ぐかと思ったところで森脇の凡ミスでついに失点。その後も浦和はペースを取り戻せず、今度は啓太のミスで逆転を許し、終盤はバンザイ攻撃を仕掛けたところでカウンターを喰らってさらに失点。
・結果的には個人のミスが神戸の得点に繋がってしまいましたが、そのミスがなければなんとか凌げたという内容ではなく、後半の試合内容はまさにズタボロ。西川の好守でなんとか防いだ場面も少なくなく、反省点てんこ盛りの残念な試合でした。
・神戸の守備の特徴はかなり高い位置にブロックを形成するところ。ただ前半はマルキーニョスなり、森岡なりが前からしきりにボールを追ってくるものの、その後ろとの連動が弱くてさしたる効果なし。当然ながら浦和は神戸の高い最終ラインの裏を突いて攻撃を仕掛けます。
・ただし、浦和の得点はサイド攻撃から。宇賀神のクロスをファーにいた梅崎が難しい体勢ながらしっかり決めてくれました。
・これであとは前がかりにならざるを得ない神戸に対してカウンターで対抗すれば問題ないと思ったのですが、後半はカウンターを繰り出すどころか満足にボールも奪えずに防戦一方。
・神戸は両SBとシンプリシオを高めの位置に上げ、さらに前からのプレッシャーを一気に強めてきました。浦和は先制した余裕をもって落ち着いてボールを回して神戸の攻勢を交わせばいいところ、ドタバタ劇を繰り返しては神戸の波状攻撃を浴びる始末。
・相馬のミドルシュートを西川がなんとか弾いたところを小川にどフリーでシュートを撃たれたのを皮切りに浦和は大ピンチの連続。シンプリシオから縦パスがズバッとフリーのマルキーニョスに通ってしまう場面あり、チョン・ウヨンのFKがバーを直撃する場面ありと、浦和はいつ失点してもおかしくない惨状に。
・内容がズタボロでも無失点で凌げればそれはそれで成長だと思ったのですが、森脇が前から詰めてきたペドロ・ジュニオールを交わそうとして逆にあっさりボールを奪われるという大失態を犯してとうとう失点。勝っているのになんでリスクの高いプレーをやるのかなぁ・・・
・ミシャは李や関根を投入して局面打開を図るものの全くと言って効果はなく、今度はペドロ・ジュニオールに絡まれた啓太がボールを失って逆転を許してしまいました。個人的にはペドロ・ジュニオールって独善的プレーヤーというイメージしかなく、フォアチェックをさぼらずにこなすとは少々驚き。
・直輝投入後は原口が左WBに、槙野がFWっぽい位置に上がって、まさにバランスもへったくれもないバンザイ攻撃。しかしエリア内中央を固める神戸に対してこれといったチャンスは作れず、逆にカウンターでペドロ・ジュニオール→マルキーニョスに決定的な3点目を献上して試合終了。
・終わってみれば相変わらず攻守に献身的なマルキーニョス、高い決定力を持つペドロ・ジュニオール、そして中盤でこれまた攻守にわたって文字通りキーマンとなっていたシンプリシオと、Jリーグでは際立って高い能力を持つ外国人にやられてしまった格好。こうなると当然ながら「浦和は外国人選手なしで良いのか?」という声が沸きあがってくるのは無理もありませんが、すでに無観客試合開催による今季大幅減収が決定的で、さらにスポンサー離れすら懸念される現況では高額の外国人選手獲得は望むべくもありません。
・この日はサポーターグループ11チームの解散を受けてゴール裏はコールリーダー不在、かつ太鼓もなし。それでもこんな遠方までやってくるサポーターは精鋭だらけのせいか、特段の支障なし。太鼓代わりに指笛でリズムをとっている方もいて感服しました。
-----興梠-----
--原口----梅崎--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点: 35分 梅崎司
63分 平川→李忠成(梅崎が右WBへ)
76分 梅崎→関根
80分 啓太→直輝
・柏木が腰痛でベンチにも入らず。これによりただでさえ前年比迫力不足の攻撃に支障をきたすことが予想されましたが、まさか守備が大決壊して負けるとは。森脇や啓太の個人的なミスが失点に直結して負けてししまいましたが、それよりも後半深めの位置にいるシンプリシオからの縦パスが一発でなぜかフリーのマルキ-ニョスにわたってしまう場面があり、問題としてはこちらのほうがより深刻。
・また相変わらず興梠・原口・梅崎のユニットは機能不全。この日は梅崎が切れのある動きを見せていてなんとか先制点を得ましたが、逆に興梠と原口が不振。両者ともまともなシュートを撃ってないかも。
-----丸木-----
ペドロ---森岡---小川
---鄭又榮-神父---
相馬-増川--岩波-峻希
-----山本-----
得点:60分 ペドロ ジュニオール、78分 ペドロ ジュニオール、90+1分 マルキーニョス
86分 峻希→河本
86分 相馬→橋本
88分 森岡→田中英
・右SBでスタメン出場した峻希。千葉時代は「戦術は米倉」の犠牲となっていた感がありましたが、それも無駄ではなかったのか、非常にまともな、J1で十分通用するSBになっていました。失点場面こそやや寄せが甘かったものの、それ以外は守備面で破綻なし。原口とマッチアップする場面が非常に多かったものの、シンプリシオの加勢も得てほぼ完勝だったのではないかと。また時折攻撃参加でも見せ場を作っていました。
・逆サイドでは相馬と平川が対峙。かつて浦和でお互いのクロスが誰にも合わずに逆サイドにそのまま通ってしまう「白ヤギさん黒ヤギさん」を演じていた二人が、ここでこんな形で邂逅するとは感無量。
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