【観戦記】14年第14節:浦和 1-0 C大阪
・フォルラン、柿谷、山口、南野と人寄せパンダてんこ盛りなC大阪の集客能力は驚異的。GWの横浜M戦、瓦斯戦ですら4万人前後に留まった観客数もこの日は久しぶりに5万人を大きく突破。メインアッパーまでぎっしり埋まると埼スタも壮観です。
・で、その5万人の目を惹いたのはフォルランでも柿谷でもなく、関根。左サイドから中へ斬りこんで、柏木とのワンツーでエリア内に突入し、自らゴールをを決めてそれが決勝点に。ボールを止めてからの振りの速いシュートにちょっとだけエメルソンを思い出してしまいました。
・この日はNHK地上波でも中継がありましたが、全国的には無名の新人が大舞台で大仕事をやってのけ、これを機に埼玉スタジアムへ足を運んでみようと思った方もいるかもしれません。
・一方フォルランはCKがゴールマウスを捉えた場面以外は何の見せ場もなく、那須が楽々完封。柿谷にいたってはSHでずっと守備をやらされている始末。
・「この面子でこのサッカーかよ!!!」って昔は浦和もそう言われたような記憶があります(特に城福が執拗に)が、C大阪は攻撃陣に錚々たるタレントを抱えながら守備的というか、なんとも腰が引けた戦いぶりに終始。
・それでも結果が出れば免罪符にもなりましょうが、結果も出ないとなるとポポビッチ監督(通称「ポ将」)が轟々たる批判を浴びるのもやむを得ないでしょうなぁ。
・C大阪も60分過ぎくらいからそれなりにチャンスがあり、特に山口のシュートには冷や汗をかかされましたので楽勝というのは当らないと思います。しかし、逆に柏木がFKも含めて3、4回あったチャンスを1つでも決めていればもうちょっと楽な試合になったはず。
・いうなれば、公儀介錯人柏木陽介の手元が狂い、妖刀浦正がポ将の頭蓋骨をいたずらに傷つけるだけに終わったようなもの。この結果だとポ将は一命を取り留めたと思いますが、それがC大阪にとって良かったのかどうか。
・これで浦和は5試合連続失点ゼロ。ポゼッション志向で、特に「ウノゼロ」を狙っているわけではないのにも関わらず、結果的にウノゼロで勝ってしまうのが今年の浦和。一方高々と「ウノゼロの勝利」を掲げながらも立て続けに自分がゼロに終わってしまうチームもあって世の中面白いものです。
・既に事実上敗退が決まっていたACLを早々に諦めて、広州遠征では主力を温存して埼玉スタジアムに万全の体勢で乗り込んできたポ将。瓦斯時代に対ミシャ戦術として実績のある3-4-2-1のフォーメーションで臨んでくるところまでは予想通りでしたが、その戦いぶりは瓦斯戦とは打って変わって実に退嬰的。
・なんとC大阪は柿谷や南野がSHに下がって5-4-1の格好で専守防衛。この日は久しぶりに槙野が前半再三攻撃参加したこともあって、柿谷は槙野について最終ライン近くで守備に回らざるを得なくなることもしばしば。これじゃ物凄いタレントの無駄遣いとしか言いようがありません。
・浦和は3試合連続で5-4-1を相手にする羽目になりましたが、C大阪の守備の完成度は甲府には遠く及ばず、大宮と似たり寄ったり。自陣深い位置でボールを奪い返した直後に簡単にボールを失ってカウンターを喰らう選手がいない分、大宮よりマシという程度。また大宮と違ってC大阪には浦和のイージーミスが致命傷になる攻撃陣が揃っているので、浦和もリスクを犯しづらかったと。
・C大阪は序盤高めの位置に守備ブロックを作っているものの、青木など浦和のボールホルダーへ厳しくプレッシャーを掛けてこない(フォルランが最前線で散歩してるからなぁ・・・)ので、浦和は那須→宇賀神などC大阪最終ライン裏を狙う攻撃がしばしば。またC大阪は最終ラインと2列目に間が空くことも少なくなく、1トップの興梠が藤本にマークされながらもボールを巧く引き出すとC大阪守備陣はたちまち混乱。
・従ってC大阪の守備陣は組織的とは言いがたく、単に後ろに人がぐちゃぐちゃいるだけといった印象。しかもボールを奪ってからの攻めも遅くてカウンター狙いが徹底されているようにも見えず。浦和はボールを失っても簡単に中盤でボールを回収して波状攻撃。
・そんな相手に浦和は一方的に攻撃を仕掛けるも、前半はラストパスに精度を欠いて決定機に至らず。終始ジャブを撃ち続けただけで、顔面へのクリーンヒットは一発もなし。前半途中からC大阪が最終ラインを下げてきたこともあってか、後半になっても柏木のループ気味のシュートがバーを叩いたのが惜しかったくらい。
・逆に60分過ぎから浦和は中盤でボールを奪えなくなって、右サイドを崩されて山口に決定的なシュートを放たれたり(阿部が触れてかろうじてシュートは枠外)、浦和CKからカウンターを喰らったり。
・膠着した戦局を打開したのが先述の関根。ミシャは選手交代がパターン化していて、選手交代による局面打開は苦手、少なくともネルシーニョには遠く及ばないと思っていますが、この日はズバリ的中。興梠→李の交代は不発(単に興梠の疲労を考慮しただけか)でしたが、穴が開きかけていた右サイドに平川を投入したのも理にかなった措置。傷んだ宇賀神が90分出る羽目になったのは気の毒でしたが。
・ATはC大阪に何度もCKを与え、GKキム・ジンヒョンにヘディングシュートを許したり、平川のクリアし損ねがゴールマウスを襲って那須がクリアしたりする一幕もありましたが、またしても文化シャツターがガラガラと音と立てての完封勝ち。
・観客と勝ち点をどっさり運んでくれるC大阪には感謝感謝。
-----興梠-----
--原口----柏木--
宇賀神-阿部-青木-梅崎
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:77分 関根
70分 梅崎→関根
75分 興梠→李
90分 原口→平川
・前節からの変更点は平川→梅崎のみ。前節の試合内容を見れば、ミシャは興梠1トップ&柏木シャドーを継続せざるを得ないでしょう。
・前節に続いて青木を継続起用したのは場数を踏ませる趣旨かな。プレッシャーの緩いC大阪は、青木にとって楽な相手だったかと。
・気になったのは原口が明らかに調子を落としていること。せっかくドリブルばかり警戒していると決定的なパスを出される怖い選手になりかかっていたのに、また単なるドリブラー(しかもシュートに至らない上、相手に帰陣の時間を与える始末)に戻りつつあるようで甚だ残念。
・森脇が朗々と”We are Diamonds"を歌い上げる一方、ユース出身の関根は歌えないんじゃないか疑惑が(つД`)
-----フォルラン----
--南野----柿谷--
丸橋-長谷川-山口-酒本
-カチャル--藤本--山下-
-----金鎮鉉----
80分 酒本→安藤
82分 南野→永井
83分 長谷川→扇原
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