【TV観戦記】2014W杯GL・C組第2節:日本 0-0 ギリシャ
・相手のある勝負事。最善を尽くしてもなお勝てなかったなら致し方ない。勝てなかったこと自体は悔しいしけれども、「相手が一枚上だった」と率直に相手を称える気にもなるし、次の戦いへ向けて何が足りなかったのか冷静に振り返る気にもなる。
・しかし、なんなんだこの試合は! あと一歩(いや二、三歩ぐらいあったかもしれんが)までギリシャを追い詰めながら、土壇場でなぜか放り込み攻撃の連続。そして前節に続いて吉田を前線にあげてのパワープレー。高さのない駒ばかり揃えて空中戦を放棄したはずの日本が、高さでは優位に立つギリシャに対して放り込みに活路を求めるなんて自殺行為以外の何物でもありません。
・高々と掲げたはずの「自分たちのサッカー」とは詰まるところ放り込み攻撃だったのか? コートジボアール戦は日本がやりたいことをやらせてもらえなかった、文字通りの完敗だったのに対し、ギリシャ戦はやりたいこと、やりたかったことを自ら封印しての負け。いや負けてはいないのですが、甚だ悔いが残る形で日本は勝ち点2を失いました。
・戦術面で自らのストロングポイントをむざむざと放棄してしまったのも腹立たしいければ、交代枠を一つ余らせて試合を終えたのも実に腹立たしい。終盤のギリシャはかなり脚が止まっていて、ドリブルでガンガン仕掛ければ良い位置でFKを得るチャンスがいくらでもあったと思います。そしてその役どころに最も相応しい齋藤がベンチにいるにも関わらず、監督は無理に仕掛けてカウンターを食らうのを恐れたのか、なぜか放り込みに固執。
・前半のうちに相手に退場者が出て、もともと守備的なギリシャが自陣深くにブロックを作って引きこもる展開。退場者が出る前はギリシャ守備網にもそれなりに隙があって大迫が可能性のあるミドルシュートを放つ場面もありましたが、ギリシャが専守防衛に徹しだしてから試合はかえって難しくなってしまいました。
・前半イエローをもらった長谷部に代えてより攻撃的な遠藤を投入したのは至極妥当。後半消えていた大迫を下げて香川を入れたのも理解できる範囲(岡崎を1トップに上げたのはやや疑問)。
・香川を投入してすぐ、後半20分すぎに香川→内田→大久保というこの試合唯一の決定機がありましたが、大久保のシュートは枠を捉えきれず。さらに長友クロス→ギリシャDFがクリアに手間取る間に突っ込んできた内田がシュートも枠外。
・終わってみれば日本の攻勢はこの時間帯がピークで、結局ギリシャ守備陣を崩しきれませんでしたが、ドリブルで仕掛ける、細かくパスを素早く繋ぐ、狭いスペースに走りこむ等々、日本らしい仕掛けを手を変え品を変え繰り返した結果スコアレスドローに終わったのならまだ納得が行くもの。しかし、なんなんだこの試合は!
・残りはこのグループ最強と目されるコロンビア。すでにグループ勝ち抜けを決めているのである程度メンバーを落としてくる可能性がありますが、本番でザッケローニが大迷走というか、すっかりヘタレモード入りじゃ極めて厳しい戦いになりそうです。
-----大迫-----
岡崎---本田--大久保
---山口--長谷部--
長友-今野--吉田-内田
-----川島-----
HT:長谷部→遠藤
57分:大迫→香川
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