【観戦記】14年第22節:浦和 4-0 大宮
・攻守ともさっぱりの大宮を序盤から浦和が圧倒。絶好機を外しまくってちょっと嫌な流れになりかかりましたが、梅崎の先制ゴールを皮切りに怒涛の4得点。
・先制点は取るもののなかなか追加点が取れない試合展開が続く中で4点も取れたのは目出度い限り。3選手を交代させてからの大失速には参りましたが、西川が良く防いで、あり余る「みかかマネー」を背景に「日本のレアル・マドリー」と評される相手になんとか完封勝ち。とても守備が堅いとは言い難い完封勝ちでしたが。
・現在置かれている状況とは何の関係もなく、ダービーだけは目の色を変えて浦和に挑んでくるのが大宮の通例でしたが、前回対戦同様何とも歯応えの無い出来に終始。多少なりともやる気を見せていたのは後半投入の泉澤だけで、あとは淡々と敗北を受け入れているようにしか見えず。
・選手のクオリティーはともかく、戦術浸透度で大差がある相手に気迫が互角にも達していないようでは惨敗も当然。あれだけ毎年毎年選手を入れ替えていては、「浦和にだけは負けるな!」というクラブの魂も受け継がれないのでしょうなぁ。
・大宮の布陣は基本4-2-3-1。但し和田が柏木にマンマークについて、柏木の位置次第で和田が最終ラインに入り、ボランチに家長が下がって5-4-1になることも多いといった風。前からはあまりプレッシャーをかけて来ず、リトリート主体の守備。
・大熊監督なりに浦和対策を立てたつもりなのでしょうが、最終ラインの面子がコロコロ変わる中で普段全然やってない戦術を試行するのは相当無理があるようで、案の定序盤から大宮守備陣は炎上。
・浦和は平川クロス→興梠ヘッド、宇賀神クロス→興梠合わせきれず、阿部スルーパス→柏木はDFを交わしながらシュート枠外、梅崎ミドルシュートがバーを直撃と何度かチャンスをフイしてしまいましたが、啓太左へ展開→宇賀神クロス→梅崎がタイミング良く滑り込んだような格好で33分にようやく先制。宇賀神のクロスは興梠に合わせた臭いのですが、梅崎の飛び込みがGK北野の意表を突いたのか、シュートは緩かったにも関わらずコロコロとゴールマウスの中へ。
・浦和相手に5-4-1で引いて守備を固める策を取るチームが頻出する中、ミシャなりに対策を考えたのか、この日は宇賀神が中へ切り込んでIHの位置でボールを受ける場面が目立ちました。興梠・柏木・梅崎は大宮最終ラインに張り付かずに盛んに上下動して大宮のマークを混乱に陥れるのに一役。
・また前に出てこない相手に那須が自らドリブルで持ち上がる場面もしばしば。もっとも2点リードした前半終了間際に持ち上がった那須がボールを奪われてカウンターを喰らったのは不用意以外の何者もないと思います。
・一方大宮は何が何でも自分のマーカーを掴まえに行くわけでもなく、堅固にブロックを形成してスペースを消すわけでもなく、何とも中途半端な守備構え。興梠に自由を与えただけでなく、はっきりとしたマンマークをつけているはずの柏木さえ掴まえられないようでは話になりません。おまけにラインコントロールも全然出来ておらず、梅崎の先制点はオフサイドの取り損ねから。
・また大宮は攻撃もさっぱり。そもそも良い形でボールが取れない上に、ボールを奪ってからの手口にチーム内で共通理解が出来ていないのか、まごまごしているうちに素早く攻守を切り替えた浦和に詰め寄られて逆に高い位置でボールを奪い返されることも少なくありませんでした。頼みのムルジャへハイボールを放り込んでもムルジャは空中戦で那須に完敗。もともとそれほどハイボールに強くないムルジャが夏バテでお疲れとの噂は本当だったのかも。
・先制された大宮がようやく反撃を試みたところで、浦和は自陣深い位置からのカウンターが炸裂。西川→宇賀神→梅崎→柏木→興梠と見事に繋がりました。3対4での仕掛けでしたが、最終的に柏木が大宮の4人を全部引き連れた格好になって興梠がどフリーで仕上げ。追加点が取れずに苦しんだ浦和にとって実に大きな大きな追加点。
・後半になって大宮は泉澤を投入して4-2-2-2に布陣を変更するも、その効果を確かめる暇もなくCKで浦和が加点。森脇には高瀬が付いていましたが、森脇が高瀬を抑え込んだような格好でどんぴしゃヘッド。
・さらに西川ゴールキック→興梠が中村を入れ替わってエリア内突入→高瀬を交わして転倒しながらも宇賀神に繋いでゴールと、これまた見事なカウンターで4点目。大宮FKからのカウンターでしたが、後ろにまともな選手が残っておらず興梠一人にやられてしまいました(笑)
・後半も早い時間帯に大差が付いたので、ミシャは水曜日のナビスコを睨んで早めに梅崎・興梠・啓太と順次交代。戦術的な意味は全くないであろう、単純なお疲れ要員の交代だと思いますが、この交代以降浦和は急激に失速し、大宮に決定機を何度か与えてしまいました。
・両WB、特に平川がお疲れでスピードがある泉澤に悩まされがちになった上に、途中投入の青木にミスが多くてビルドアップもままならず。そしてなんとかボールを前に運んだところで前でボールがキープできないので、自然と浦和最終ラインはべた引きになってしまう悪循環。戦線復帰間もないマルシオはともかく、李や青木がこの調子では先が思いやられます。
・大宮の攻撃もそれほど多彩なわけではなくほぼ泉澤頼み。前半スコアレスで折り返して後半勝負が大熊監督の算段だったのでしょうが、そもそもスコアレスで凌げるという前提に無理があり過ぎ。最初から撃ち合いを挑んだほうがマシだったかも。
・とはいえ、西川の好守連発で何だかんだと完封勝ち。甲府やC大阪の勝ち点が伸びていないので、大宮降格はまだまだ予断を許さない(?)状況下ですが、来年は近場で気楽にJ2を見に行けるといいなぁ。
-----興梠-----
--梅崎----柏木--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:33分 梅崎、36分 興梠、49分 森脇、60分 宇賀神
63分 梅崎→李
69分 啓太→青木
73分 興梠→マルシオ
-----ムルジャ-----
ズラタン---家長---渡邉
---和田--金澤---
高瀬-高橋--菊地-中村
-----北野-----
HT 渡邉→泉澤
55分 金澤→カルリーニョス
68分 和田→福田
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