【TV観戦記】14年第21節:FC東京 4-4 浦和
・浦和、FC東京(以下「瓦斯」)ともスタッツ上は堅守が持ち味のチーム。戦前はウノゼロどころかスコアレスドローでの決着すら予想されましたが、終わって見ればとんでもない乱打戦に。乱打戦といっても派手な撃ちあいというよりは多分に岡部主審が試合を攪乱しまくった結果という気がしてなりません。まぁ先週末のINAC戦における手代木主審のように一方的に浦和に不利な笛を吹きまくったのではなく、両チームにとって公平にクソな審判だった分マシですが。
・川崎戦に続いて試合開始早々浦和が先行しながらあっという間に同点にされる試合展開。後半も平川のゴールで追いつきながら、すぐに武藤に突き放されてしまいました。
・さらに前半は15分程度の短い時間で立て続けに3失点。その後もパス交換で簡単に浦和最終ラインをぶち破られ、河野の飛び出しを許してしまう一幕がありました。
・河野のシュートが決まっていれば浦和大敗は免れかったでしょうが、かろうじて西川がセーブ。このセーブが非常に大きく、後に帳尻合わせのような興梠PK獲得で浦和はなんとか息を吹きかえすことができましたが、その後もドローに持ち込むのが精一杯。
・点を取ってもすぐに取り返されてしまうとか、立て続けに失点してしまうとか、昨年終盤に何度も観た悪夢が蘇ったようなお粗末な試合。また瓦斯の大半の選手が天皇杯に続く中2日だった一方、浦和はほとんどの選手が天皇杯を休養にあて、半ば天皇杯を捨てて瓦斯戦に必勝を期したにも関わらずドローに持ち込むのがやっとだったという点でも残念な試合でした。
・もっとも一時は2点ビハインドに陥りながらあっさり俵を割ることなくなんとか持ちこたえて同点に追いつき、最後は野球的表現でいえば「マルシオ復活弾」で逆転か!というところまで持って行った点を取り上げれば十分に評価に値する試合と言えるかもしれません。
-----興梠-----
--梅崎----柏木--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:6分 梅崎、43分 興梠(PK)、60分 平川、80分 李(PK)
71分 平川→マルシオ(森脇が右WB、柏木がボランチ、阿部が右CBへ)
78分 宇賀神→李(梅崎が左WBへ)
83分 梅崎→関根
・熱い試合だったかもしれないがお粗末だったこの試合で悪目立ちしたのが森脇。太田CK→高橋ヘッドの場面ではあっさり高橋のマークを外してしまったのがケチのつけ始め。もっともそのCKを与える原因になった啓太(=武藤の積極果敢なプレッシングでボールロスト)も責められるべきですが。
・次いで森脇がなんとも中途半端なポジショニングによってどフリー平山への縦パスを許してしまい、武藤ゴールの遠因に。もっともこの場面はオフサイドのセルフジャッジで武藤への対応が遅れた槙野のほうが重罪だと思います。
・何とも気の毒だったのは河野PKの場面。それまで単なるファウル見逃しを含めてあまり選手同士の接触では笛を吹かない傾向だった岡部主審がなぜか森脇のショルダーチャージに対してあっさりかつ意味もなく毅然と笛。この失点が浦和の選手達に与えた影響は甚大だったようで、興梠PKで1点返すまで浦和は半ばパニック状態に陥って大量失点しかねない状況に。
・なんとか平川ゴールで同点に追いついたのに、その直後にまた失点。武藤が槙野を交わしてゴールをねじ込んだのは敵ながらあっぱれとしか言いようがありませんが、それ以前に太田からどフリーの河野に縦パスを入れられてしまったのが致命的。啓太の後ろ、森脇の前で河野がどフリーって何なんだ、あれは?
・不運が積み重なったわけではなく、いかにも再現性がありそうな失点場面の連続でクラクラする試合でしたが、2つPKがあったとはいえ貧打の浦和が4点も取ったのは慶事。
・瓦斯は前回対戦時と違って高橋が最終ラインに下がることなく、いつも通り4バック&DFラインを積極的に押し上げての前からの守備で浦和に対峙。しかし、浦和は カウンターで平川→啓太→梅崎で早々と先制。梅崎は徳永と前にしながらその股下をぶち抜いてのゴール。この思い切りが欲しかったんだ、浦和には。
・とはいえ、怒涛の3失点を喫した後の浦和の攻撃は尻すぼみ。ちょっとボールの出しどころに困ってまごまごしていると瓦斯の選手にたちまち囲まれ、下手をすれば高い位置でボールを失ってショートカウンターを喰らってしまいます。ボールを大きく動かしても瓦斯の守備ブロックが素早く寄せてくるので前半は決定機を作れないまま終了かと思っていたところで運よくというか、帳尻合わせ臭い格好で興梠がPKを獲得。自ら決めて1点差。
・後半になるとさすがにコンディションの差が多少出てきたのか、あるいは前半左右に瓦斯を振り回したのがボディーブローのように効いてきたのか、瓦斯のプレッシングも緩んで浦和が一方的にボールを支配し、瓦斯を自陣深くに押し込む格好に。
・そしてこの優勢な時間帯に左サイドから槙野・梅崎と一気に圧力をかけたのが奏功して、瓦斯のクリアし損ねを逆サイドから平川が叩き込んで同点。もっともその過程で槙野の明らかなハンドがあって、瓦斯サポにしてみれば憤懣やるかたなし。
・武藤の2点目で突き放された後、ミシャはついに長期離脱明けのマルシオ投入を決断。本来無理はさせたくないマルシオですが、簡単にはボールを失わないマルシオが前目に入った効果は大きかったかと。瓦斯も途中から高橋を下げて5バック&リトリート主体の守備で防戦を試みましたがさしたる効果はなく、途中投入の李が徳永の回し蹴りを喰らってPKを獲得。そしてそれを自ら決める強心臓にはびっくり。
・AT突入間際には左サイドからのパスがペナルティースポット付近でどフリーにいたマルシオに通る絶好機がありましたが、マルシオ渾身のシュートはゴールライン上にいたDFを直撃して逆転ならず。終盤は浦和も相応にヘロヘロになってしまってコンディションの差もへったくれもなくなってしまったのでドロー已む無しでしょう。
--武藤----平山--
-----河野-----
--米本-高橋-羽生--
太田-森重--吉本-徳永
-----権田-----
得点:9分 高橋、15分 武藤、23分 河野(PK),64分 武藤
34分 平山→エドゥー
81分 武藤→渡邉
87分 河野→三田
・武藤のスピード&超積極的なシュート意識というのは瓦斯の数少ない得点の拠りどころのはず。それにあっさりと2失点を喫してしまう浦和も困ったものですが、DFライン裏への飛び出しを狙う武藤や河野を、サイドに流れて手助けしていた平山の出来にはびっくり。平山が前半のうちに負傷退場したのは(瓦斯にとっては真に気の毒ですが)浦和にとってラッキーでした。
| 固定リンク