【TV観戦記】14年第30節:鹿島 1-1 浦和
・両者譲らずドロー。この試合を含めて残り5試合しかない中、鹿島は浦和と勝ち点差7を全く詰められなかったので敗北も同然の結果。しかし浦和も直接対決が残るG大阪との勝ち点差が3にまで詰まってしまいました。相対的には鹿島のほうが遥かにダメージが大きいとはいえ、試合終了直後のスタジアムが静まり返ったのがこの試合結果の意味するところを何よりも象徴していたと思います。
・浦和は中3日で続いた3連戦を2分1敗と一つも勝てず。しかも試合内容はいずれも芳しくなく、自爆を繰り返した仙台戦は論外だとしても、特段これといった浦和対策を仕掛けてこない(せいぜいやや守備的に試合に入ったくらい)鹿島に対して、序盤以外は試合の主導権を握れずに終わったのはちょっと気になるところ。残り4試合とも難敵揃いですが、どん底にあると思しきチーム状態をなんとか立て直してほしいものです。
・浦和の試合の入りは良いほうだったので、結果論になりますが、序盤のうちに1点取れなかったのがドローに終わった主因。開始早々に左SB山本が興梠を引き倒してPKゲット。当然阿部が蹴るものと思っていたらキッカーはマルシオ。コースがやや甘くてPKは失敗しましたが、その後も浦和が攻勢。右からのクロスをマルシオ、左から入ってきた宇賀神とチャンスがあったがシュートはいずれも枠外。
・当初はやや引き気味に構えてカウンターを狙っていた風の鹿島も、前半半ばから反撃。左右に大きくボールを振って浦和のプレッシングを交わしながら攻撃。浦和はボールを奪い返して有効な反撃に移る暇がないまま、右サイドからカイオのミドルシュートを浴びて失点。スピードがあるカイオに縦に突破されるのはともかく、あの距離で正確にコントロールされたシュートを撃たれるとは個人的には全くの想定外でした。
・ミシャは珍しくスタメンを大きく入れ替え、マルシオ・関根・青木をスタメン起用。これまた結果論になってしまいますが、マルシオと関根の出来が今一つだったのも時間の経過と共に試合が低調になった主因でしょう。今季初めてスタメン起用されたマルシオは好機に絡んでくるものの、肝心なところでのミスが多々。関根も研究されて1対1では相手を翻弄できなくなり、あまり可能性のないクロスを入れて終わってしまう場面も。さらに前半半ばから興梠が昌子に掴まえられだして、これも浦和に閉塞感が漂う一因に。
・先制して再び引き気味に構える鹿島に対し、浦和がボールを支配するもののこれといった攻め手は見いだせないまま時間が経過。ところがこの日イマイチだった関根とマルシオを下げ、関口&李を投入してから戦局はやや好転。相手を押し込んだ状態から阿部が放ったシュートのこぼれ玉を李がよく詰めて同点。
・その後ややバタついた試合展開ながらもしばらくは浦和が攻勢。その中で、前節甲府戦で好調だった関口が鹿島守備陣を切り裂く切り札になるものと期待しましたが、関口が2度山本と1対1になる形を作りながらも淡白なクロスで終わってしまったのが甚だ残念。山本はイエローカード1枚もらっており、なんで関口が積極的にドリブルで仕掛けなかったのか、なんでぐぐっと中へ斬り込まなかったのか、この辺が傍目には不可解でした。
・終盤になって興梠が負傷退場し、啓太を投入。その後の試合運びから推察するに、この時点でミシャはドローやむなしと決断したのでしょう。
・終盤はカイオが負傷退場したにも関わらず鹿島がやや押し気味になり、セットプレーからのシュートが西川の正面を突く場面もありましたが、終盤の鹿島の決定機はこれくらい。シュートやCKは鹿島のほうが多かったのですが、共に決定機は少なく、ドローという結果は妥当でしょう。
・この日はスカパー観戦。解説の秋田氏が鹿島寄りなのはともかく、頓珍漢なコメントを連発するのが聞くに堪えないので副音声(会場音声のみ)で観ていましたが、これが実に快適。こりゃええわ! プレミアリーグだと解説粕谷氏が苦手なので英語音声で観る場合が多いのですが、この際は往々にして寝落ちしてしまうんだよなぁ(苦笑)
-----興梠-----
--マルシオ----柏木--
宇賀神-阿部-青木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点: 63分 李忠成
55分 関根→関口
59分 マルシオ→李
86分 興梠→啓太
・ミシャらしからぬ、大胆なスタメン変更。結果は凶と出てしまいましたが、選手年齢構成がやや高めの浦和が中3日での3連戦を闘う上で避けては通れない道でしょう。ミシャも昨年スタメン固定で終盤総員ヘロヘロになったことを反省している模様。もっとも代表帰り直後で使えない関根はともかくマルシオ&青木のスタメン起用は甲府戦で良かったのでは?という疑念は残りますが。
・また久しぶりにスタメンを外された李がこれを機に奮起してくれるのであれば、それもまた良し。平川欠場で巡ってきたチャンスを関根に奪われてしまった梅崎も、前節大不振から立ち直る何がしかのきっかけになれば。
-----赤崎-----
カイオ----土居---遠藤
---小笠原-柴崎---
山本-昌子--植田--西
-----曽ヶ端----
得点:39分 カイオ
64分 赤崎→本山
75分 カイオ→豊川
80分 遠藤→ワグネル
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