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2014.11.04

【TV観戦記】14年第31節:横浜M 0-1 浦和

・我慢に我慢を重ねての辛勝。故障で興梠を欠いた浦和は攻め手が乏しく、ただでさえ守備が堅い横浜M(以下「鞠」)を崩すのは困難を極めましたが、ミシャの勝負手がズバリと決まって終盤に1点をもぎ取って逃げ切り。2位G大阪との勝ち点差を5に広げ、次節の直接対決で勝てば優勝が決まるところにまで漕ぎつけました。

・昨年終盤の守備大決壊を反省して、「まずは守備から」で入った今年の浦和。序盤は李の使い方が定まらないこともあってか得点力が乏しく、やたらウノゼロでの勝ちが続きましたが、「我慢していれば1点は取れる」という確信のもとにしぶとく闘っていたその頃に戻ったような感も。

・リーグ戦終盤になってクリーンシートが少なくなっただけでなく先制点を取られる試合が増え始め、さらには仙台戦のような集中力を欠いたというか気が抜けたような試合さえ演じるに及んで浦和のチーム状態は明らかに下降線を辿っていたように感じましたが、この試合の守備意識の高さは感涙もの。興梠欠場でそんなに易々と点は取れないという危機意識が良いほうに転んで、崩れかかったチームがぐっと引き締まったように思いました。

・前半の試合内容は正直シオシオ。鞠戦にありがちな典型的な塩試合。鞠は浦和の最終ラインにさほどプレッシャーはかけて来ずにやや引き気味の構え。そんな鞠に対して、浦和は可もなく不可もないというか慎重としか言いようがない立ち上がりでした。

・興梠を失った影響は甚大で浦和は縦パスがほとんど入らず、攻撃はもっぱらサイドから。槙野はもちろん阿部も時々左サイドに顔を出して人数をかけるもこれといったチャンスは作れず。興梠がいても中澤&栗原が控えるところに縦パスを入れられたかどうか怪しいのですが、浦和は李に縦パスを入れるのを諦めたかのような戦いぶり。無理に縦パスを入れてカウンターを喰らう愚を避けたかったのでしょうが、浦和の攻撃に手詰まり感が強いのは否めませんでした。

・時折カウンターでチャンスを掴みかかるも、鞠の帰陣も早くてそのチャンスも生かせず。

・槙野の不用意なボールロストで佐藤に際どい一発を浴びて以降は徐々に鞠に押し込まれる場面が増え始めましたが、前半半ばにして故障で中村を失った鞠も決め手を欠き、浦和守備陣も粘り強く対応して決定機を与えず。ファビオがやたら遠目からシュートを撃ってくるものの全部枠外。

・試合が動き出したのは後半に入ってから。前半何度も「啓太!啓太!」とミシャから叱咤激励されまくっていた啓太を下げて、後半頭から青木投入。青木はミシャの意を受けてか積極的に縦パスを入れだした反面、やや中盤がルーズに。さらに鞠が一転してかなり前に出てきて、時にはGK西川にさえ鋭く詰め寄ってきたこともあって双方中盤が開いて、戦局は一気に流動的になりました。

・最初に決定機を掴んだのは浦和。青木の縦パスを受けた槙野がDFを背負いながら反転シュートを放つも榎本がセーブ。一方鞠も齋藤が単騎ドリブルで中へ突っ込んできましたがシュートはかろうじて西川がセーブ。

・ミシャは良いところがなかった梅崎に代えてマルシオを投入し、森脇のスルーパスに対して斜めに走りこんできたマルシオがエリア内でどフリーになるもシュートは痛恨のほぼ空振り。

・さらに平川→関根の勝負手を放って勝ちに行ったミシャ。これが見事に奏功して右サイドから中へ斬りこんだ関根→阿部のシュートのこぼれ玉を関根がぶち込んで浦和ついに先制!柏木が兵藤を上手く引き連れ、関根がファビオを釣り出して、この場面だけ鞠はバイタルエリアをぽっかり空けてしまったのが命取りに。

・先制はしたものの、浦和は終始ドリブルで突っ込んでくる佐藤や齋藤に悩まされ、危険な位置でFKを何本か与えてしまいましたが、中村を欠いた鞠のFKはほとんど枠を捉えられず。終了間際にパワープレーから藤田に際どい一発を許したものの、シュートは枠外。

・試合を通じて浦和守備陣の集中は凄まじく、バンバンハイボールを放り込んでくる鞠に競り負けることなく、地上戦を仕掛けられると人数をかけてあっという間に囲い込み、最後は西川がセーブ。

・ATに入っても浦和は時間稼ぎに走らず、関根を軸にカウンターを仕掛けていましたが、あれはベンチの指示だったのかどうか。少なくともチーム内で意思統一が図られていない、攻めたい選手と守りたい選手とで意図がバラバラな風には見えなかったので大過はありませんでしたが。

-----李------
--梅崎----柏木--
宇賀神-阿部-啓太-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

得点:79分 関根
 
HT 啓太→青木
64分 梅崎→マルシオ
76分 平川→関根

・関根はすっかり研究され、単騎ドリブルで相手を抜けなくなって苦しんでいましたが、この場面では後ろから突っ込んできた阿部をよく見ていました。視野が広がって他の選手が使えるようになると相手の対応も難しくなります。これは実に良い感じ!

・最前線でボールを収められない李に興梠の代わりをやらせるのは無理があり過ぎ(と言っても他に選択肢がないのですが)。そして梅崎も前を向いてナンボの選手なので、1トップが機能しないとどうにもならず。李の1トップに頼らざるを得ない間はボールが持てるマルシオをシャドーに使ったほうが良いように思うのですが。

-----伊藤-----
齋藤---中村---佐藤
---ファビオ--兵藤---
下平-栗原--中澤-小林
-----榎本-----

20分 中村→藤本
70分 伊藤→藤田
90+2分 佐藤→矢島

・実績十分の齋藤も難儀でしたが、この試合でそれ以上に厄介だったのがスピードがある佐藤。鞠ユース→国士舘大出身の2年目で、しかもスタメンで試合に出始めたのは第26節からなので、浦和は佐藤を全く研究していなかったのかも。いかにも鞠ユース出身らしい、控えめに言ってガラの悪そうな風貌が印象に残りました。

・鞠は2列目が優秀な反面、CFが実にしょぼい。ベンチにFWの頭数だけはやたら多かったのですが、どれもこれも実にショボショボ。これでは樋口監督が「こちらがいいボールの奪い方をした後のカウンターの精度、あるいはラスト3分の1までボールを握って相手を押し込む形を作った先のところ」を嘆くのも無理はありません。

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