【展望】14年第32節G大阪戦
・勝てば優勝が決まる大一番。相手は中断明け以降無類の強さを誇り、ナビスコ杯優勝を決めたばかりのG大阪。実に倒し甲斐のある相手です。
・リーグ序盤は宇佐美の故障離脱&新外国人FWリンスが外れだったこともあって勝ち点が伸びず、なんと降格圏内で中断期間を迎えるテイタラク。
・今年も残留争い行きかと思われましたが、宇佐美の復帰に加え新たに獲得したパトリックが大当たりだったのが相まって攻撃力が爆発。またようやくまともなGKを補強した効果もてきめんでかつてのG大阪らしいザルっぷりもすっかり消え失せ、順調に勝ち点を積み上げて順位を上げに上げ、首位浦和に勝ち点差5まで肉薄するに至りました。
・ナビスコ杯決勝で最も印象に残ったのはパトリック。強靭なフィジカルを有する長身FWですが、どちからといえば最前線で体を張りまくるタイプではなく、右に流れてボールを引き出すのが得意なタイプ。パトリックが流れて空いたスペースに後方から阿部なり、大森なりが突っ込んできます。
・他の選手を活かすだけではなく、パトリック自身にもそれなりに得点能力があるのが厄介。スピードもそれなりにあるので裏へ抜けられるとそのままフィニッシュまで持っていかれますし、フィジカルが強いのでマークを吹き飛ばしてゴールをねじ込むことも多々。
・パトリックは2013年に川崎及び甲府にそれぞれ半年在籍。必要以上に細かくパスを回す風間戦術に合わなかったのは判らないでもないのですが、城福がなんでパトリックを使いこなせなかったのかが今となっては非常に不可思議。2013年に甲府と対戦した時はパトリックへの放り込みを延々と続け、パトリックもポストプレーをこなせなくはないのですが一人でなんとかしてくれるほどの実力はなく、それが城福には不足だったのかもしれません。でも、絶対後悔しとるだろうなぁ、城福。
・G大阪の面倒なのは得点源が複数ある点。宇佐美はなにぶん運動量がなくて消えている時間が非常に長く、G大阪は事実上10人で試合をしているように見えるのですが、ほとんどの時間で寝ていてもここぞというところで点を取ってしまう、あるいは決定的なパスが出せる選手なので守備側は全く気を休めることができません。
・宇佐美以上に厄介と思われるのが2列目の阿部と大森。阿部には2012年に大敗を喫した際にもやられましたが、FWと入れ替わって最前線に躍り出てくる2列目の選手を浦和は掴まえるのに苦労すると思います。遠藤にプレッシャーがかからず、阿部もフリーというのが最悪かつ浦和がやられがちなパターン。
・今のG大阪は西野時代とは芸風が随分変わっていて、ボールポゼッションに必要以上に拘るわけではなく、ともすれば相手にボールを持たせてカウンターを狙っている風にすら見える場合すらあります。もちろん相手を押し込んでボールを回そうとすれば回せるだけの力は持っているので、G大阪の出方の変化についてゆけずに失点してしまう恐れもあります。
・G大阪は勝利が必須なのに対し、浦和は引き分けでも良い大一番。ナビスコ杯決勝ではG大阪はいつもの4-2-2-2ではなく、今年広島戦で2勝した際に採用した4-3-1-2で試合に臨んできました。手堅く守ってカウンターを狙う意図だったのかもしれませんが、広島もそれなりに対策を練ってきたためか、G大阪の布陣はどう見ても機能しているようには見えず、広島に両サイドから攻撃の形を作られてしまいました。
・後半にいつもの4-2-2-2に戻してからは広島を圧倒して当然のように逆転勝ち。とにかく勝たなければ先がないG大阪はその勢いのままに4-2-2-2の布陣で浦和に挑んでくるでしょう。
・興梠を欠く浦和は大量得点は望めないでしょうから撃ち合いになると不利。前節横浜M戦同様、耐えに耐えて1点勝負に持ち込むしかないと思います。ただ攻撃力が貧弱な横浜Mと違って相手のシュートミスに助けられることはあまりないでしょうから、単に守り倒そうとしても守り切れないかと。
・前がかりになるであろうG大阪に対し、どれだけ効果的にカウンターを繰り出せるか。李が相手の最終ライン裏を脅かし続けることができれば浦和はずっと楽になると思うのですが。寿人の動きを見て、李が何かを掴みとってくれるといいのですが。G大阪の両サイドの守備はそれほど強くないので、そこも狙い目。
・G大阪を倒して優勝が決まれば最良ですが、浦和としては引き分けで終わっても何ら問題はありません。最初から引き分けを狙いに行けるような相手ではなく、また浦和に狙って引き分けに持ち込める能力があるかどうかも怪しいのですが、無理に勝ちに行ってカウンターを喰らう愚だけは避けたいところ。
・もっともそんなヘマを犯してしまいがちなのは選手ではなく、勝ちを焦る観客だろうと思いますが。
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<ナビスコ杯決勝:広島 2-3 G大阪>
--宇佐美--パトリック--
-----遠藤-----
-今野--明神--阿部-
呉--丹羽--岩下-米倉
-----東口-----
得点:38分 パトリック、54分 パトリック、71分 大森
HT:明神→大森
84分:宇佐美→リンス
90+3分:阿部→倉田
<第31節:G大阪 1-1 仙台>
--宇佐美--パトリック--
大森--------阿部
---今野--遠藤---
呉--丹羽--岩下-米倉
-----東口-----
得点:46分 大森
77分:宇佐美→倉田
88分:パトリック→佐藤
90+4分:大森→リンス
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