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2014.12.11

浦和2014年総括(3)~続・得点力不足に泣く

浦和2014総括(2)から続く)

(2)興梠離脱&控え不在

・浦和不動の1トップ、興梠が最前線でボールをキープすることが大前提となっているに等しい浦和にあって、最も代えが効かない興梠が第30節鹿島戦で骨折して戦線離脱。残り4節で浦和は勝ち点4しか取れず、興梠離脱が終盤の浦和大失速を招いた主因であることは火を見るよりも明らか。メンバー固定の弊害で総員ヘロヘロになった結果失速した昨年とは違い、興梠さえ健在であれば浦和が優勝を逃すことはなかったと思います。

 ただサッカー選手に多かれ少なかれ怪我は付き物。そのバックアップの不備は責められて然るべきで、ここでも興梠に万が一のことがあった場合の控えとして期待されたかもしれない李の不振が響きました。

 しかし、ただそもそもポストプレーが上手くない李に興梠の代わりをやらせること自体に無理があって、サイドからのボールに合わせるのが上手く、シュート意識が極めて高い李の特性に合った戦術があってもよさそうなもの。この辺の問題は「(4)硬直化した戦術の限界」に絡んできます。

(3)サイドアタックの弱体化

 もともと浦和の両WBのクロス精度がしょぼい上、それを補っていた槙野なり森脇なりの攻撃参加を控えめにしたために、サイドからの攻撃力が一段と低下。その結果往々にして「浦和にサイド奥深くにボールを運ばれても中へ跳ね返せば十分」と相手に割り切られてしまうことに。

 ここはミキッチがいる広島との決定的な違い。広島はサイドからのボールにちょこんと合わせるのが非常に上手い寿人がいるので、なおさらサイド攻撃を重視している嫌いがあります。

(4)硬直化した戦術の限界

 ここは上手く説明できないのですが、もともと4バックの相手を崩す策として編み出されたはずのミシャスタイルなのに、すっかり相手に研究されて逆に4バックの相手に全然勝てなくなってしまったのも今季失速の遠因として挙げて良いでしょう。そしてこれが最も根深い問題かもしれません。

 戦術のバリエーションに乏しく、相手の出方の変化に応じた対応、あるいは手駒の制約に応じた対応が取れず、ほぼ単一の戦術(4-1-5/5-0-5の変化があるくらい)、いつも通りのスタイルに固執。おまけに選手交代も紋切型。

 (1)とだぶりますが、こういう硬直的なスタイルとは次元の違うところにいた原口はその硬直性を打破する極めて大きな役割を担っていたのかもしれません。

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