山岸範宏選手、モンテディオ山形へ完全移籍
・山岸範宏選手のモンテディオ山形への完全移籍が公式発表されました。
・山岸は2001年浦和加入、しかも大卒なので今年36歳になる大ベテラン。
・山岸のキャリアは激しいポジション争いの連続でした。
・加入当初には西部がいて、2002年に西部から正GKの座を奪い取ったかと思ったら2003年に都築がG大阪から加入して、再びサブGKへ。
・但し、2006年途中に都築が故障して山岸が正GKとなり、同年そのままリーグ優勝にまで突っ走れたのは山岸にとって浦和で一番いい思い出となったかも。
・2007年からはまたサブに戻って長く不遇をかこつ日々が続きましたが、フィンケが監督に就任した2009年終盤に再び都築が故障して山岸が正GKに復帰し、翌年はリーグ戦全試合に出場(出場どころかベンチにも入れなくなった都築は湘南へレンタル移籍)。
・ところがフィンケが事実上更迭され、その後を継いだゼリコは就任当初こそ山岸を正GKの座に据えたものの、第14節さいたまダービーで突如加藤を正GKに抜擢。
・ミシャが監督に就任した2012年は戦術上GKも足元が上手いことが要求されたこともあって2012~13年は加藤が重用され、2014年は日本代表GK西川が加入したこともあって山岸の出番は限定的になってしまいました。2013年終盤に加藤の調子が著しく落ちたためか、26節以降再び山岸にチャンスが巡ってきましたが、結局それが浦和における山岸の雄姿となってしまいました。
・長い浦和での選手生活の割には非常に意外なことですが、山岸が一年を通じて正GKの地位を維持したのは2010年だけ。自分と同等、あるいはそれ以上の力量を持つライバルとの争いが延々と続き、山岸には極めて過酷な日々だったと思います。山岸がもっと早く出場機会を求めて移籍の道を選んでもなんら不思議はなかったでしょう。
・でもいつやってくるか判らない出番、いや出番なんて全然やってこないかもしれないのに、ほんのちょっとの可能性を信じて準備を怠らなかった山岸、ベンチでチームメイトを必死に鼓舞する山岸がいたからこそ随分と浦和は助けられました。
・足元に難があってミシャスタイルには合いませんでしたが、シュートストップならピカイチの山岸は今年レンタル先の山形でその力量を如何なく発揮。数々の大ピンチを防ぎまくっただけではなく、わずか半年か在籍していない、しかもレンタルの身にも関わらずゲームキャプテンとして、いやチームの顔、チームの核となって大活躍。そしてプレーオフではサッカーの歴史に残るゴールを決めて山形のJ1復帰に貢献。山岸は文字通り「山の神」になりました。
・レンタル先で大活躍し、そのまま完全移籍してしまう、いわゆる「借りパク」は若い選手だと良いイメージがないのですが、キャリアの晩年に近い山岸の場合はまさに良い嫁ぎ先が見つかったようなもので、本人も含めて誰もがハッピー。心温まるニュースだと思います。長年にわたり本当にありがとうございました。
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