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2015.05.24

【観戦記】15年第13節:浦和 2-1 鹿島

・負け試合だったとまでは思わないものの内容は芳しくなく、特に出来の悪かった前半のうちに1、2点取られていても不思議はなかった試合。ただそこをなんとか凌ぎ、不運なオウンゴールで失点しながらも終盤の大反撃で一気に逆転。

・昨年までなら先制されたらそのままズルズルと簡単に土俵を割っていた浦和。ところが今年は先制されても全く怯むことなく、そして焦ることなく同点、さらに逆転のチャンスを窺い続け、実際に勝ち点を掴み取る。そんなチームの成長を実感できた試合でした。

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・ただ前半を中心に不出来な試合だったことは否めないと思います。トニーニョ・セレーゾ監督は昨年と同じ浦和対策、すなわち両ボランチが浦和の2シャドーを監視し、さらに土居に柏木をマンマーク気味に付かせて浦和の縦パスを徹底的に封じに来ました。加えて、山本が負傷してこれといった代えがいない左SBになんとCBしか経験のないはずの昌子を転用。この策が見事に嵌って浦和は苦戦を強いられました。

・興梠は両CB、特に植田に封じられて文字通り全く何もできず。あれだけ何もできない興梠を見るのは久しぶり。また武藤も柴崎にがっちりマークされて、これまた何もできず。李への小笠原のマークはそんなにきつい感じはしなかったのですが、李の出来が「ここ数試合の好調ぶりはなんだったのか???」と首をひねらざるを得ないくらいさっぱり。

・浦和は縦パスが入れられないので、後方からいきなり両WBへ展開してのサイド攻撃中心でしたが、中へ突っ込む人数も少なく、クロスの精度も低くてシュートに至らず。またボランチからの縦パス一発で興梠に鹿島最終ライン裏を突かせる場面もありましたが、興梠が上手くボールコントロールできず。

・しかもそういった攻撃の形が出来ていたのは序盤だけで、前半半ばから先制されるまで浦和は完全に沈黙を強いられました。チャンスらしいチャンスは後半立ち上がりの関根→李→阿部くらい。ミシャは後半半ばを待たずに李を諦めてズラタンを投入してズラタンを1トップに据えましたが、即効性はなし。

・またなんだかんだといっても鹿島は手強いと頭では判っているものの、G大阪・FC東京とホームで首位攻防のビッグゲームが続いた後のためなのか、そこはかとなく選手達の動きに鋭さ、激しさが欠けているようにも見受けられ、それも苦戦の一因だったかもしれません。前半柏木や阿部の凡ミスでヒヤリとしたのも、その辺が遠因ではないかと。

・鹿島は最終ラインこそ高く押し上げているものの、人数は後ろに多く割いているので攻撃はカウンター主体。しかも手数をかけずに攻め切ることはできず、遅攻を強いられるケースがほとんどでしたが、そこで新加入のジネイが大活躍。最前線で巧みにボールをキープし、右SB西が上がってくる時間を稼いで浦和左サイドを崩すこと4回。

・この決定機を一つでも決めていれば試合展開は全く違ったものになったかと思いますが、攻めの手数は多くても点に結びつかないのが今年の鹿島の仕様。最も危なかったジネイのシュートは西川がセーブ。柴崎やカイオのシュートは枠外。

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・後半の柴崎のミドルシュートも西川がセーブ。そしてそれを最後に鹿島もチャンスらしいチャンスが作れなくなったのですが、ジネイと競り合った森脇のヘッドでのクリアが前に出て来た西川の頭上を綺麗に抜いてしまうという、なんとも森脇らしいビューティフル・オウンゴールで鹿島先制。

・ただラッキーな形で先制したとはいえ鹿島の運動量が落ち、攻守の切り替えも遅くなって前半ほどチャンスを作れなくなったのは疑いもない事実。浦和はズラタン投入がついに奏功し、最終ラインでボールを奪ってからの素早いカウンターで興梠→ズラタン→武藤が飛び込んで同点。

・ズラタンにスピードで振り切られた昌子はまだしも、シャドーに降りて来た興梠を小笠原は掴まえきれず、さらに警戒していたはずの武藤には誰も付いておらず(柴崎はどこ行ったんや!!)。途中まで良く機能していたトニーニョ・セレーゾ監督の浦和対策が崩壊した格好での同点劇。

・現金なもので、追いついた浦和の動きは突如沸き返ったスタジアムの大歓声を背に目に見えて良くなりました。関根の逆転ゴールは武藤&柏木らがでジネイを囲い込んでのボール奪取から。こういう複数人での囲い込みによるボール奪取がこの試合は少なかったような気がしましたが、浦和らしい攻撃に直結する守備が体力的に終盤に出てくるのがでかい。

・中盤でのボール奪取でショートカウンターの形になった浦和。森脇→関根が鹿島最終ラインの裏へ飛び出し、なんとかカバーに回った植田を交わして自らゴール。関根は逆転ゴールの前に宇賀神→梅崎の交代で左WBに回っており、それが見事に生きた格好。選手交代が上手いとは言い難いミシャにしては珍しく、選手交代が嵌りまくっての逆転ゲームでした。

・一方、トニーニョ・セレーゾ監督の選手交代はほとんど何の役にも立たなかったかと。終盤高崎を投入してパワープレーを仕掛けだしたのには大笑い。逆転されたらそのまま為すすべなしってかつての鹿島には考えられないほど淡白な負けっぷりでした。

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-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

得点:71分 武藤、83分 関根
 
61分 李→ズラタン
77分 宇賀神→梅崎
84分 柏木→青木

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-----ジネイ-----
カイオ----土居---遠藤
---小笠原-柴崎---
昌子-ファン---植田--西
-----佐藤-----

得点:67分 OWN GOAL(森脇)

67分 土居→金崎
79分 カイオ→中村
89分 遠藤→高崎

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