【観戦記】15年第10節:柏 3-3 浦和
・浦和は致命的なミスが頻発。前半半ばにして負傷者発生。前半はまだしも後半は攻守の切り替えが遅くなって柏に決定機を与えまくり、逆に浦和の決定機はことごとく菅野がセーブ。これだけ悪材料が重なってもなお負けなかった。褒められた試合ではありませんが、それでも敵地で勝ち点1を掴み取れるようになった浦和は強くなったとしみじみ感じ入りました。川崎戦・仙台戦に続く負け試合をドローに持って行く浦和の底力。
・振り返れば試合開始早々レアンドロに絡まれた永田のボールロストでいきなりピンチを迎えたのがこの試合の行く末を象徴していたような気がします。もっともこのピンチを凌いだ後のカウンターで宇賀神→梅崎のゴールで先制。梅崎は柏の高い最終ラインの裏を取ったもので、この時点では「今日は何点入るんだ?」と超楽観視していましが。
・ただ悪いことは続くもので、今度は西川がまさかの大チョンボ。永田のバックパスを受けた西川がレアンドロに詰め寄られ、至近距離にいる工藤にパスを出してしまいました。この日の西川は何か悪いものに憑りつかれたみたいにキックミスを連発。フィードが直接相手に渡る場面が目立ちました。もちろん鋭い飛び出しで相手の好機を未然に潰す見せ場もありましたが。
・柏は意外にも浦和対策をちゃんと取ってきました。攻撃時は4-1-4-1ですが、守備時は臨機応変に茨田と大谷がポジションを一つ下げて5-4-1にシフト。しかも超コンパクトな守備陣形を敷いて、浦和の前三人への縦パスを封じてきました。
・浦和は後方からの縦パス一本で柏の高い最終ラインの裏を取るか、WBを使ったサイド攻撃でそれなりに攻めてはいましたが、同点に追いつかれた後の前半の決定機は柏木→興梠が最終ライン裏に抜け出した1回だけ。しかも興梠のシュートは菅野がセーブ。
・もっとも前半は柏にもそれほど攻撃の形を作らせておらず、柏の縦パスをカットしてカウンターに転じたり、あるいは厳しい玉際での競り合いの後セカンドボールを浦和が拾う場面が多かったりして、悪くはない内容だったと思います。
・クリスティアーノの強烈な無回転シュートのこぼれ玉をレアンドロに詰められた2失点目は西川でも如何ともしがたく、どちらかといえばレアンドロの足を引っかけてファウルを取られた槙野のほうが責められるべきかと。
・逆転を許す以前に前半半ばにしてズラタンが負傷して興梠投入を余儀なくされたのはミシャにとって大誤算。また後半頭から李を投入したのも前半終了間際に梅崎が傷んだせいかもしれません。ここで2枚カードを切らざるを得なかったのが後半大苦戦の一因に。
・後半立ち上がりに関根が2回エリア内に突入し、うち一度はシュートにまで持って行きましたがこれも菅野がセーブ。その後関根が急速に消耗して守備に戻れなくなり、浦和右サイドをクリスティアーノに蹂躙されがちになりました。
・宇賀神にいたっては前半から動きが悪く、攻撃はもっぱら槙野に任せているようなありさまでコンディションが良くなかったのかもしれません。よって左サイドはキム・チャンスやサイドに流れて来たレアンドロにやられがちに。最後の交代カードですが、宇賀神を諦めて橋本を投入したのは当然の判断。
・また全般に攻守の切り替えが遅くなり、レアンドロに縦パスを入れられてズタボロになったサイドへの展開を許すことが多くなってしまいました。そして大谷やクリスティアーノのシュート精度の低さ、および西川の好セーブに救われる場面が多々。
・芳しくない戦局ながらCK→槙野ヘッドで同点に追いつくも、今度は永田が足を攣ってしまうアクシデントが発生。3失点目になった浦和右サイドから太田のクロス→レアンドロは永田が楽々クリアできるポジションにいながら足がもつれてクリアし損ねる大失態。もっとも何度も典型的な柏の攻撃パターンを喰らっていて永田の大失態がなくても遅かれ早かれ失点していたような気がしてなりませんが。
・劣勢の浦和もノーチャンスではなく、カウンターや両サイドを広く使った攻撃で2度李に絶好機がありましたが共に菅野がセーブ。最終ライン裏へ飛び出した興梠もシュートを打ちきれず。
・終盤になっても相変わらず浦和の前3人は柏のタイトな守備ブロックの中で呻吟し続けて中央突破はままならず。また途中投入の橋本が上手く試合に絡めていないので、攻撃はほぼ関根頼み。その関根も消耗してドリブルに切れを失って万事休すと思いましたが、ATに入って関根のクロスに槙野と武藤が飛び込み、武藤が劇的な同点ゴールを決めてなんとか勝ち点1をゲット。
-----ズラタン-----
--武藤----梅崎--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--永田--森脇-
-----西川-----
得点: 1分 梅崎、68分 槙野、90+1分 武藤
23分 ズラタン→興梠
HT 梅崎→李
68分 宇賀神→橋本
・久しぶりにリーグ戦で長めの出場機会を得た橋本ですが、李の決定機に絡んだのと、武藤へのクロスで見せ場を作ったくらいで、その後は攻守ともぱっとせず。ただ中2日、中3日の連戦ともなるとWBの代えは絶対に必要な以上、今後何度も出場機会があると思います。宇賀神とは全然持ち味が違うので、橋本なりに輝けるスタイルを身につけてくれるといいのですが。
-----レアンドロ----
工藤-大谷--太田--クリス
-----茨田-----
輪湖-中谷--鈴木-藤田
-----菅野-----
得点:6分 工藤、38分 レアンドロ、78分 レアンドロ
81分 太田→武富
・交代枠を2枚も余らせて逃げ切りに失敗したとなると吉田監督が責められるのは致し方ありません。フレッシュな攻めゴマを入れて動けない永田を突くなんて誰でも考えそうなものですが・・・
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