【観戦記】15年第17節:浦和 5-2 新潟
・後半半ばを待たずして4点差がついてからは明らかに浦和の選手達に緩みが見え始め、槙野なんか普段なら絶対にしないであろう無謀な攻撃参加をし始める始末。(審判の判定に疑問がつくにせよ)くだらない2点を献上し、おまけにチームのパフォーマンスは選手を代える毎にどんどん悪化するテイタラク。いつも苦戦しがちな新潟相手に久しぶりの大勝だった割には今一つお祭り気分が盛り上がらない試合でした。
・とはいえ、無敗かつホーム全勝でファーストステージ終了。阿部がスピードラーニング効果(?)で劇的に向上した日本語力で、これまた画期的に向上した挨拶力をもって次なる闘いに臨むことを高らかに宣言し、これ以上ないシーズンの中締めに。
・新潟は驚いたことに第5節以降スタメンどころか出番も少なくなっていた達也を久しぶりにスタメン起用。この策は序盤奏功して悪くはなかったのですが、レオシルバ不在の中盤の面子が固定しないことを合わせ、勝ち点が付いてこないチーム状態を打破すべく柳下監督が試行錯誤を繰り返しているようでもあり、中期的な観点からすればあまり芳しくない話。
・達也が広範囲を走り回るので新潟の守備時のフォーメーションが判りにくかったのですが、基本5-3-2で2トップが浦和の最終ラインからのビルドアップを制限し、浦和がサイドに持ち出したところでボールを奪い取りにゆくような狙いでしょうか。達也が再三全速力で槙野に絡んでゆく姿は圧巻でした。
・序盤はこれが良く機能して浦和苦戦。浦和は祝勝会気分が抜けないのか、出足は概して新潟のほうが良く、浦和は球際での競り負けが目立つ上にパスミスも目立ちました。パスミスから達也→ラファエル・シルバの抜け出しを許す大ピンチがありましたが、西川が果敢に飛び出して防ぎ、こぼれ玉を拾った山崎のシュートは宇宙開発。
・ところが興梠にボールが入りだしてからはレオシルバ不在の新潟の中盤の弱さが明白に。新潟は浦和と同一フォーメーションで至る所でマンツーマンになっているはずなのに、浦和のパス回しに翻弄されて一生懸命走っている割にはボールが取れず、次第に守備が後手に回りがちに。
・森脇→興梠→梅崎がエリア内でPKを得た場面はコステースが後ろから押したものと判定されたのかもしれませんが、そのPKを興梠が決めて浦和がラッキーな形で先制。
・2点目は武藤との壁パスで前に出て来た阿部がシュートを放ったところから。シュートは惜しくもバーに弾かれましたが、その跳ね返りを武藤が蹴りこんでゴール。狙って蹴ったというよりはカウンターを喰らわないようにとりあえず蹴ったみたいな感じでしたが、好調というか持っているというか、そんな選手は何をやってもゴールが入る。
・その前に新潟は浦和CKからのカウンターでチャンスを得ましたが、コステースのシュートは西川がセーブ。そして2点目を取られた新潟は負け癖が染みついたチームそのものに成り果ててしまい、早々に戦意喪失。柳下はもう守備しかできなくなった達也を前半だけで見切りをつけて山本を投入しましたが、当然ながら瓦解している守備のテコ入れには何の効果もありませんでした。
・興梠にいいようにやられつづけるCB大井の出来は新潟サポから見れば万死に値するのではないかと思うのですが、浦和3点目は武藤のパスを受けて興梠が大井の裏を取ったところから。興梠のシュートはポストに嫌われたものの、跳ね返りをまたもや武藤が詰めてゴール。まるで「さぼらなかった奴のところにボールが転がってくる」との格言(?)の見本。それ以上に中盤でいとも簡単にボールを回される新潟はなんなんだ???
・4点目は阿部が高い位置でボールを奪ってからのショートカウンター。ボールを拾った柏木の前にはぽっかりとスペースが空いており、これまたマークが全く付いていない興梠に簡単にパスを通してあっけなくゴール。
・あまりにも不甲斐ない新潟の出来を見て、ミシャは出場停止の宇賀神に代わって久々出場&無難な働きを見せた平川を労うごとく早々にズラタンと交代。関根が右WBに回って梅崎が左WB、ズラタンは興梠に代えて1トップに入りましたが、このズラタンの出来が良くなかった。
・興梠があれほど好きなようにボールを収めていたのに対し、ズラタンが1トップに入ってから浦和のボールの動きが急速にぎこちなくなってしまいました。4点失ってから新潟がなぜか4-4-2に布陣を変更して勝手が違ったのもあるかもしれませんが。
・世界を驚かせた(苦笑)西村主審の帳尻合わせとしか思えない謎のPKで1点を失ってから、ミシャは武藤に代えて高木を投入。前目の選手で唯一得点がない高木になんとか点を取らせてやろうというミシャなりの親心なのかもしれませんが、高木は気ばかり焦って空回り。加えて武藤の後に出てくると献身性に欠けるのが丸判り。悪く言えば「ボールが来た時にしか動かない」。昔の原口もそんな感じでしたが、それでも使ってもらえた比類なき決定力を高木が持っているわけでもなく、もうそんなにチャンスはもらえないんじゃないかと。
・攻守とも緩々になった浦和は柏木FK→那須が高い打点のヘッドで5点目を奪ったものの、直後に加藤→指宿にあっさりと最終ラインの裏を取られて(といってもオフサイド臭いのですが)やらずもがなの2失点目。ATにズラタンの決定機も寸前で大井にクリアされ、大勝の割には尻すぼみでなんだかなぁな雰囲気のまま試合終了。
-----興梠-----
--武藤----梅崎--
関根-阿部--柏木-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:21分 興梠(PK)、35分 武藤、50分 武藤、57分 興梠、77分 那須
59分 平川→ズラタン
72分 武藤→高木
82分 興梠→李
・橋本は宇賀神出場停止で巡ってきたチャンスにスタメン出場できなかっただけでなく、途中出場の機会すらもらえませんでした。途中から左WBに回った梅崎がヘロヘロだったので最後の交代はてっきり橋本投入だと思ったのですが、なんと最後の交代は興梠→李。夏場の連戦でWBのローテーションは必須と思われますが、ミシャが宇賀神・関根の次は平川、そして梅崎のWB配転で切り盛りする腹積もりだとすると橋本の立場は極めて苦しいものに。神戸戦で渡邉に競り負けてまた印象を悪くしたのかなぁ。
・永田もCBのベンチ入り枠を岡本に奪われてしまいました。これまた仙台戦・柏戦と出場機会を得た試合で失態の連続だった以上やむを得ないかと。最後の挨拶でなんで永田だけ白のポロシャツなのかは謎。
-----ラファエル-----
--山崎----達也--
コルテース-加藤--小泉-川口
-大野--大井-舞行龍-
-----守田-----
得点:68分 ラファエル シルバ(PK)、81分 指宿
HT 達也→山本康
58分 大野→成岡
58分 山崎→指宿
・2点取られてチームがあっという間に意気消沈してしまうところを見ると、柳下監督はもう全く求心力を持っていないのかも。どんなに「良い試合をしている」と外野に評価されていてもこうも勝ち点が伸びない、しかも今年だけでなく昨年からずっとそうだとさすがに選手がついてこない。レオ・シルバの穴がでかすぎるのは気の毒ですが、更迭されても不思議はないような・・・
・戦術的にはなんで柳下が浦和相手にわざわざ4-3-2-1を採用するのかが非常に不可解。新潟は浦和に全然勝っていないとはいえ、4-4-2で前からガンガンプレッシャーをかけていた時期のほうがはるかに内容が良かったのに、昨年第25節で付け焼刃的に3-4-2-1を採用してから自爆続き。
・同世代の関根vs川口が浦和左サイドで対峙するも実力差は歴然。でもなぜか川口がU-22代表なんだよなあ(苦笑)
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