【観戦記】15年第10節:浦和L 0-1 千葉L
・17時キックオフとはいえ、昼間の猛暑がまだまだ残る中での試合で選手は大変だとは思いますが、共に決定機どころかゴールへ迫る回数も少ない凡戦。そしてその数少ない決定機を豪快に決めた千葉がそのまま逃げ切り勝ち。端的にいって代表に選ばれるレベルのFWがいるかいないかが勝敗を分けたといっても差し支えない試合でした。
・今年レディースの試合を見るのは3試合目ですが、どんどん試合内容が悪くなっているような気が。W杯で長い中断期間があり、幸か不幸か浦和はW杯選出メンバーが皆無なのでその間オランダに遠征したりしてチームの熟成を進めたはずですが、その成果は全くといっていいほど見受けられず。
・最終ラインに怪我人が相次いで守備が安定しないのはある程度目を瞑るしかないのですが、この試合で驚いたのは攻撃もほとんど機能しなくなってしまったこと。千葉の守備が良かったと言ってしまえばそれまでですが、前半は文字通り何もできず。後半になってようやく攻めの手数は増えたものの決定機は少なく、しかもそのわずかな決定機は決められず。
・千葉は最終ラインを押し上げてコンパクトな陣形を維持し、しかも2トップなり両SHなりが浦和の最終ラインにしきりに圧力をかけてくるので、前半半ば過ぎまで浦和はビルドアップがほとんどできず。2トップが良い形で前を向く機会は全くありませんでした。高い位置でボールを奪って、柴田がエリア内に突入したのが前半唯一のチャンスだったが、柴田のシュートは緩く、しかも山根の正面。
・給水タイムを挟んで30分過ぎからようやくパスが回り始め、千葉を押し込む場面が増えだしたところで好事魔多しというかなんというか、縦パス一本で菅澤がDFと一対一になり、菅澤がいとも簡単にDFを剥がして豪快な一発を決めて先制。
・浦和は千葉のタイトな守備ブロックを崩せないためか、盛んに清家を千葉の高い最終ライン裏へ走らせようとしますが、これもほとんど奏功せず。単にロングボールを放り込むだけでなく、柴田がサイドでタメを作って斜めにボールを入れたりと多少工夫はしているようですが、そんな「戦術は貴子様」の繰り返しは如何せん単純すぎて相手にも読まれやすく、結局清家が疲弊するだけに。
・一度だけ飛び出してきたGK山根を交わすチャンスがありましたが、清家がシュート体勢に入ったところでは既に角度がなく、シュートはDFにブロックされてしまいました。清家がサイドに流れるとボールを受けやすくはなりますが、サイドで受けたところで代わって中に入る人がいないので結局作り直す羽目に。
・終盤に後藤が千葉のミスに乗じて高い位置でボールを奪ってそのままエリア内に突入した場面がありましたが、DFが寄せて来たこともあってシュートはサイドネット。最後は柴田がポジションを下げてなんとか後方から組み立てようとするもののし、ずっと攻めている割には点が入る感じはなく、そのまま試合終了。千葉は最終ラインが下がっても陣形はタイトなままなので、今の浦和のパス回しの精度ではどうにもならず。
・ボランチより前の面子は昨年から代わっていないのですが、どういうわけか信じ難いほど組み立て能力が落ちてしまいました。「手数は多いけれどもフィニッシュがイマイチ」なのが浦和の通例だったはずですが、手数すら少なくってしまって甚だ残念。吉良のSHが全然機能しないのは想定内ですが、後藤が最前線でボールを保持するような場面が激減したのはびっくり。前でタメができないとSBなんて上がりようがなく、当然ながらサイド攻撃もさほど有効なものにならず。
・数年前はトップチームより女子のほうが数段組織的なサッカーをやっていたのですが、いつから貴子様頼みの○サッカーになってしまったのかなぁ・・・
---後藤--清家---
吉良--------柴田
---猶本--岸川---
北川-高畑--千葉-和田
-----平尾-----
HT 長野→千葉
64分 吉良→加藤
84分 和田→石井
・長船が依然離脱中な上になぜか乗松がベンチにもおらず、吉田監督は急遽千葉をスタメンに抜擢。ただ1点ビハインドになったためか千葉は前半だけでお役御免に。後半岸川がCBに回りましたが、岸川はCBとしてはスピードがなさすぎるのが難。ただでさえ浦和は相手を押し込んでは決めきれずにカウンターを喰らう傾向が強いから、頭から岸川CBはやりにくいかと。
・また右SBは栗島を諦めたのか、和田を右で再活用。ここは乗松SB化計画が長船長期離脱であっさり崩壊してからずっと人材不足。
・この試合で唯一目を惹いたのは岸川に代わって後半からボランチに入った長野。投入直後にいきなりはロングレンジのフィードを見せてくれました。ただユースと掛け持ちの長野に多くを期待するのはあまりにも酷。
・観客数(2,279人)は前回駒場開催だった仙台戦(2,235人)と大差なし。浦和はW杯出場メンバーがいないので一見さんがどっと来ることもなく、良くも悪くも固定客をがっちりという感じ。
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