【展望】15年2nd第5節甲府戦
・前回対戦ではしょっぱい試合を演出することにかけては右に出る者がいない「塩メーカー」樋口監督の策に危うく嵌りかけましたが、浦和は辛抱強くチャンスを窺い、かつ数少ないチャンスをきっちり決めて苦手甲府相手にリーグ戦では久しぶりに勝利。
・甲府の布陣は前節の5-3-2から中盤を一人増やしてというかFW阿部拓を2列目に下げてのかなりはっきりとした5-4-1。城福前監督が対浦和戦で常用したのと同じ布陣でかなり守備的に構え、しかも今年ここまで大量失点を繰り返してきたのが嘘のように粘り強く守ってきました。
・しかし、樋口監督は連戦連戦の中でズタボロだった守備を立て直すのが精一杯で、攻撃にまで手が回らなかったのでしょう。浦和に対してカウンターをちらつかせることすらできませんでした。それゆえ浦和は安心して攻めに専念できたといって差し支えないかと。
・浦和に敗れて甲府は6連敗。ナイトゲームにも関わらず試合後にサポが居残り、佐久間GMと樋口監督が釈明する異例の事態にまで発展。なんで往々にして浦和に負けた時点でサポ居残りが発生したり、果ては監督の首が吹き飛んだりするのか傍目には良く判らないのですが、第11節湘南戦の敗戦を受けてついに樋口監督の契約を解除。翌12節から佐久間GMが監督に復帰することに。
・佐久間GMがシーズン途中で監督に就任するのは、07年大宮(ファーベークの後)、11年甲府(三浦の後)に次いでこれが3度目で、「退き佐久間」と称されるほど。ただそれは招聘した監督が3度も大失敗したことの表れでもあり、GMとしての能力には疑問符がつくのは明々白々。サッカー素人の海野社長もさぞ頭が痛いことでしょう。
・監督交代後の甲府は、城福監督時代へ先祖帰りして極端な守備重視に転換。さらに樋口監督の契約解除直前にFWバレーを獲得して「守りに守ってあわよくばバレーで一発」という非常に判りやすい方針を打ち出して以降劇的に戦績が向上。山形・新潟・清水と残留争いのライバルに全勝したことも相まって、ダントツの年間最下位から14位にまで順位を上げています。
・ただ2年連続J1残留に成功した城福時代ですらこの極端に守備的な戦術の評判が甲府界隈ではよろしくなかったと聞いています。そこで佐久間GMは樋口前監督に方向性の転換とまでは言わないもののその修正を求めたはずなのに、早々に挫折して結局元の木阿弥に。なんか樋口前監督が滅茶苦茶貧乏くじを引かされたというかキャリアに泥を塗られたというか・・・
・監督交代&戦術転換は選手起用に如実に表れました。もっとも割を食ったのがCB野田で、CBに攻撃力を求められなくなったためかベンチにすら入れなくなり、代わって大ベテランの土屋が出場。他にGK荻→河田、FWアドリアーノ→バレーという入れ替えも目に付きます。驚愕の甲府復帰となったバレーは加入当初コンディションが良くなかったのか故障がちでしたが、それでもここまで4得点。
・浦和は森脇が出場停止。普通に考えれば岡本が代わりに入りそうなものですが、最近はベンチからも外れているのが気になります。
・それ以外の面子は名古屋戦と全く同じだと思いますが、広島や名古屋と違ってなにせ「引き分け上等!」とばかりに、自陣に5-4-1のブロックを形成して徹底して守ってくる相手。浦和が1stステージのようにじれずに得点機会を窺えれば良いのですが、連敗を受けてホームで必勝を期すあまりに不用意に前がかりになってカウンター&バレーの一発に沈む可能性は決して低くありません。
・ただ甲府は得点力が極端に低いので、いったん先制してしまえば非常に楽な試合展開に。2試合続けて先制しながら逆転負けを喰らっているだけに、浦和のやらかし癖が出なければいいのですが。
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<前節:甲府 0-1 松本>
-----バレー-----
-阿部拓----稲垣--
阿部翔-下田-パラナ-橋爪
-津田--畑尾--土屋-
-----河田-----
51分 稲垣→堀米
61分 橋爪→松本
71分 バレー→伊東
※CB山本、WB松橋が故障離脱中。
<前回:甲府 0-2 浦和>
----アドリアーノ-----
-阿部拓----石原--
阿部翔-山本-新井-松本
-野田--津田--畑尾-
-----荻------
66分 松本→稲垣
71分 石原→伊東
80分 アドリアーノ→堀米
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