【TV観戦記】15年2nd第1節:松本 1-2 浦和
・尻すぼみというか、頭があんまり大きくない竜頭蛇尾というか、そんな試合内容。放り込み、投げ込みの連続で浦和ゴールに迫る松本相手に終盤冷や汗をかく羽目になりましたが、なんとか逃げ切って無事勝ち点3をゲット。夏場の連戦であまり内容を云々するのも酷ですし、勝ち点3が確保できればそれで十分。
・ACLで再三相手のごり押し攻撃で苦杯をなめて来た歴史が物語るように、浦和は体格任せ、体力任せの空中戦が得意ではありません。放り込みのターゲットが一人だけだと今は槙野がなんとかしてくるのですが、二人、三人とターゲットが増えてくるとどうしても競り負け、当たり負けの末に、フリーの選手を作ってしまいがち。
・失点場面はCK→ファーでいとも簡単に折り返され、さらに落としたところで酒井がフリーという情けないもの。前半にもCKからの流れでニアでそらしてファーに喜山が突っ込んでヒヤリとする場面がありました。そして終盤は岩上のロングスロー→酒井がズラタンを背負いながらのシュートはバーを直撃。
・放り込み&投げ込み一筋で、泥臭かろうがなんだろうがとにかく一点をもぎ取るのもまた一つのサッカーのあり方。これ自体で松本がやれバレーボールだとかやれラグビーだとか非難されるいわれはないと思います。ただラフプレー、特にアフターチャージが非常に多いのには閉口。泥臭い上に汚い。これじゃ試合後ミシャにボロクソに言われるのは仕方ないでしょう。
・そしてそのファウルをなぜか流しまくる村上主審には参りました。李が投入直後にいきなりイエローをもらい、それ自体は妥当だと思うのですが、あれがイエローなら松本には無数のイエローが出て然るべき。この試合浦和が苦戦したのは半ば村上主審にあるような気がしてなりません。
-----興梠-----
--武藤----梅崎--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:12分 武藤、52分 興梠
60分 梅崎→ズラタン
79分 武藤→青木
85分 興梠→李
・1stステージ終了で丸1週間休みがあったのを利用して反町監督があれこれ考えた末の秘策はなんとオビナのベンチスタート。しかも浦和の前目の選手をマンマークで掴まえようとしたみたいですが、お世辞にも機能したとは言えず。マンマークで浦和の選手の動きに応じて松本の選手のポジションがずれまくるので松本の基本フォーメーションが良く判らないのですが、少なくとも戦前予想された3-1-4-2ではなく、前は前田の1トップだったような。
・浦和が楔の縦パスを入れていたところを厳しく潰しに行くのは良い(といっても往々にして、特に興梠へは汚いファウルしまくり)のですが、如何せん松本はボールないしマーク相手に食いつき過ぎる嫌いがあって、フリック等で剥がされやすい上に、後方から上がってくる選手、特に森脇を全く掴まえられませんでした。飯尾が対面の関根に釣られて中へ入ってしまい、森脇のスペースを空けまくりなのには失笑。
・さらに松本の前三人の守備タスクがはっきりせず、那須&2ボランチを放置しまくりなのもどうかと思いましたが。
・先制点は那須→興梠に縦パスが入り、その折返しをフリーで上がってきた阿部が拾ったところで勝負あり。これまたどフリーの森脇のクロスをファーで武藤が叩き込んで早々と浦和先制。
・会場がクソ暑い上にクソ臭いためか、早々と先制した後の浦和はややスローダウン。先制されたにも関わらず松本がほとんど前に出てこないので後ろでボールを回して松本をひたすら走らせながら、機を見て縦に速い攻撃でチャンスメーク。梅崎や関根に惜しい場面がありましたが共にシュートを撃ちきれず。
・追加点は柏木が右サイドでボールを拾い、長い距離を走ってエリア内右で粘ったのが効きました。クロスのこぼれ玉を興梠が拾い、松本守備陣の人垣を正確にぶち抜いてゴール!
・オビナを欠く松本はセットプレー以外でほとんど攻撃の形を作れていなかったので、浦和は2点あれば楽勝と思ったのですが、反町が遅まきながらオビナを投入し、ミシャが梅崎を下げてズラタンを投入してから急に試合がややこしくなってしまいました。
・3連戦を睨んでお疲れの梅崎に代えてズラタンを入れた意図は判りますが、残念ながらこのズラタンがほとんど機能せず再三ボールロスト。また相変わらず興梠へのファウルを村上主審が取ってくれないので浦和は前でボールが収まらなくなり、オビナ投入で前から圧力をかけてきた松本の攻勢を中盤で上手く交わせなくなって最終ラインも下がってしまい、松本得意の放り込み&投げ込みに悩まされる羽目に。
・また前半随分走らされたはずの松本の運動量が全然落ちなかったのはびっくり。ミシャの選手交代はその後もピリッとせず、「次戦に備えて前三人を代えました」以上の意味を見いだせず。わずか1点差で最後の最後まで気が抜けない試合でしたが、なぜか5分もあったATを潰しまくって逃げ切り成功。
・失点場面はポスト脇に柏木がいたにも関わらず、柏木とポストの間の狭いところをぶち抜かれてしまいました。柏木が痩せる前だったらポヨヨヨーンと弾きかえしていたかも(苦笑)
-----前田-----
--岩上----喜山--
飯尾-工藤--岩間-隼磨
-安藤--飯田--酒井-
-----村山-----
得点:62分 酒井
54分 飯尾→オビナ
75分 前田→阿部
・オビナ温存&前半1点ビハインドにも関わらず、全くと言っていいほど松本が攻めてこなかったのを見ると反町監督はハナから前半を捨てて後半勝負だったのでしょう。そして1点ビハインドなら許容範囲。しかし、後半早い時間帯にもう1点取られたところでプラン崩壊。
・U22代表の前田は2回決定機を演出。前半2人マークが付いていたにも関わらず、意表をついて岩上へパス→クロスに喜山飛び込むも西川セーブ。後半はカウンターのチャンスで那須をぶっちぎってオビナへクロス(槙野がオビナを抑えてシュートを撃たせず)。松本で唯一面倒な選手だったにも関わらず、反町が阿部に代えてくれたは助かりました。もっともこの辺は前半浦和に走らされまくったのが地味に効いていたのかも。
・埼スタでの試合よりは松本の良さが出た試合だとは思いますが、それは浦和が苦手とするスタイルだったからという側面もあり、他のチームに通用するのかとなると甚だ疑問。攻撃パターンというか得点できる形は極めて限定的な上に、守備も堅いとは言い難く、しかも立て直す時間はもうありません。
| 固定リンク