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2015.07.30

【観戦記】15年2nd第5節:浦和 1-1 甲府

・またしても先制しながらカウンターを喰らって勝ち点を失ってしまった浦和。松本・山形・甲府と残留争い組との対戦でわずか勝ち点5。2ndステージ優勝は早々と絶望的になり、年間勝ち点でも広島に3差をつけられてしまいました。

・前2試合同様決定機は山のように作っており、そのいくつかを決めていれば大勝に終わったはず。しかし、さすがに同じような試合展開の繰り返しで3試合でわずか勝ち点1となると、「内容は良かった」では済まされません。

・決定機を決めきれない要因、そしてカウンターを簡単に喰らってしまう要因が浦和に巣食っているのではないか。ミシャは戦術の見直しなんてやるつもりはさらさらないでしょうし、やる術ももっていないと思いますが、東アジア選手権を挟んでの中断期間で浦和のチーム状態が暗転した主因を突き止め、改善策を講じてほしいもの。

・例えば、興梠や武藤が決定機を外しまくったり(高木が決定機を決められないのはもはや仕様として諦めるしかないのかもしれませんが・・・)、カウンターを喰らった時の守備への切り替えや寄せが往々にして甘かったりするのは、7月の5連戦でレギュラーを酷使したことに遠因があるような気がしてなりません。この5連戦で出場停止や梅崎の故障絡み以外でスタメンを全く代えていませんから。

・レギュラーの疲弊で大失速した2012年、前がかりになったところでカウンターを喰らいまくった2013年。今の浦和はその合併症みたいな感じがします。

・でもミシャは「足りなかったのはチャンスを決めきるところだけでした。それ以外のところは、非常に良かった」との評価なので、全く何もやらない、何も変えない可能性が非常に強いのが難儀なのですが・・・

Dsc00506

-----興梠-----
--武藤----高木--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--岡本-
-----西川-----

得点:38分 阿部(PK)
 
67分 岡本→青木
73分 柏木→ズラタン
77分 興梠→梅崎

・甲府は戦前予想どおり5-4-1の布陣で、バレーまで自陣に引く構え。前からはほとんどプレスをかけず、しっかりブロックを作ってのロングカウンター狙いどころか、スコアレスドローで勝ち点1でも全然OKみたいな狙いが明々白々。

・そんな相手にさすがの浦和も遮二無二攻めかかるような愚は犯さず、前半はむしろ非常に慎重な試合運びだったと思います。序盤は後方からボールを大きく斜めに展開して高い位置にいるWBに振るだけで、何も起こらず。

・15分くらいに初めてパス交換で中央突破を試み、那須→興梠→高木がバー直撃のシュートを放つ好機を作りましたが、そのような中央突破はすぐに沙汰止みになり、その後もWBを軸とするサイド攻撃主体。宇賀神クロス→興梠ヘッドは合わせきれずに枠外。

・サイド攻撃といっても単にクロスを放り込むだけではなく、シャドーやCBとのコンビネーションでエリア内侵入を試みている場面が散見。槙野は当然、森脇出場停止を受けて久々スタメン出場の岡本も時折サイド攻撃に厚みを加え、その一つが奏功する格好で岡本がPKゲット。阿部が決めて浦和先制。

・甲府は先制された時点でゲームプラン崩壊のはずですが、多少最終ラインを上げたかな?と思えるくらいでやはり前に出てくる気配なし。まるで森保広島みたいですが、終わって見ればこれが「どこかで1点取れれば良い」と割り切ったかのような佐久間監督の次善策でした。

・先制した浦和も前半は特に調子づくわけでもなく、慎重な試合運びのままハーフタイムに。ところが後半は一転して浦和右サイドから立て続けに決定機を演出。甲府の左WB阿部翔が前半イエローカードをもらって対面の関根に強く当たれなくなったのがその主因でしょう。

・しかし、またしても浦和は数々の決定機をどれ一つとして決められない。岡本クロス→武藤らしい飛び込みを見せるも合わせきれなかったのがケチのつけ始め。阿部→武藤の落としを拾ってエリア内に突入した関根のシュートはGK河田セーブ。関根→高木のシュートは相手に当たってコースが変わったものの力なくGKキャッチ。

・そして舞台は暗転。柏木→武藤→興梠で甲府最終ラインを完全に破ったにも関わらず興梠のシュートはGKを直撃。跳ね返りを拾った甲府は、すかさずスピードがある伊東へ。伊東には岡本がしっかり付いていましたが、振り切られそうになった挙句故障してしまったのが運の尽き。スピードを買って伊東をスタメン起用した佐久間監督の策が見事に嵌って甲府同点。

・この場面、岡本の失態もさることながら、伊東へのボールの出し手へ柏木が寄せずに傍観したのが良くなかった。こういう攻守の切替の遅さ、寄せの甘さがここ3試合命取りになっています。どう見ても「内容は良かった」で済ませることができない問題が露見しており、「1点取られても2点、3点取れれば良い」という考えではタイトルに届かないのは2013年に嫌ほど思い知らされているはずですが、今年もその繰り返しなのかなぁ・・・

・ただ同点に追いつかれたとはいえ、浦和が堅く守る甲府を崩しかかっていたのも事実。しかし、その流れをミシャが選手交代で自ら潰してしまい、同点に追いつくどころかあわや逆転を喰らいかねない事態に。故障した岡本の代わりに青木を入れ、阿部が右CBに回ったのはまだしも、柏木→ズラタンは全く意味不明。

・柏木の故障が不運といえば不運なのですが、武藤をボランチに下げて青木と並べるのはいくらなんでも愚策すぎる。縦パスを入れる意欲がない青木と、意欲はあるが能力がない武藤の並列。前に居並ぶアタッカー陣は待てど暮らせどまともなボールなんて来やしない。これなら柏木→永田で阿部をボランチに戻したほうがまだマシじゃないかと。

・どうにもならない戦況下で仕方なく阿部がやや前に出て配球しだしましたが、当然ながら攻守のバランスが崩壊。高木は疲労のためか判断スピードが極端に鈍くなってボールを持ったまま右往左往するばかり。興梠→梅崎の交代も前目の渋滞を加速するだけに終わり、結局同点に追いつかれてからのチャンスはAT突入前の槙野のシュートだけでしょうか。チャンスどころかカウンターで危ない場面を2回作られ、終盤だけ取り出せば「負けなくてよかった」感じに。

・もともとミシャの選手交代は上手いとは言い難く、戦況に応じた選手交代なんてほとんど期待できないのですが、この試合の選手交代は酷すぎました。堅守を誇る相手に何度も決定機を作った点だけを見れば確かに極度に悲観すべきチーム状態ではないのかもしれません。ただ同じ負け方(いやこの試合は負けてはいないのですが)を3度繰り返し、しかも監督自ら勝ち目を潰したとなると「内容は良かった」では済まされないでしょう。試合後の盛大なブーイングはやむを得ないと思います。

Dsc00502

-----バレー-----
--伊東----稲垣--
阿部翔-下田-パラナ-橋爪
-津田--畑尾--新井-
-----河田-----

65分 伊東

79分 橋爪→阿部拓
84分 バレー→盛田
88分 パラナ→保坂

・小破して前節欠場のCB山本は今節も欠場。CB土屋がベンチにも入らなかった理由は不明(MDPによると大ベテランの中3日での無理使いを避けたみたいですが)。

 
・伊東には前回対戦でも終盤冷や汗をかかされており、そのスタメン起用が見事に奏功。というか、広島戦&名古屋戦を見たらスピード系FWをシャドーに置く浦和対策なんて誰でも思いつくわなぁ・・・

・伊東をスタメン抜擢したため、甲府の数少ない得点源である阿部拓はベンチスタート。ただ阿部拓はドリブルで独力突破できる力があるので結構厄介。実際終盤に出てきて一度シュートまで持って行かれましたし。

 

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