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2015.08.23

【観戦記】15年2nd第8節:浦和 3-1 仙台

・先週若干涼しくなってきたかと思いきや、またもや蒸し暑さがぶり返した厳しい気候での試合でしたが、浦和はセットプレー2発と見事な中央突破で仙台を一蹴して3連勝。年間首位を維持しました。

・この試合で不思議だったのは仙台がなぜかいつもの4-2-2-2を放棄して突如3-4-2-1を採用したこと。事前に新聞紙上で3バックを練習した旨が報じられていましたが、まさか本当にやってくるとは!

・かつて元来4バックのチームがわざわざミラーゲームに持ち込んで浦和を1対1で潰しに来るのが流行った時期がありましたが、それが奏功したのはごく短期間だけ。今は4バックのチームは単純にブロックを素早くスライドさせて浦和のサイド攻撃に何の問題もなく対応できるようになっていて、当の仙台がその代表格だったはずですが、渡邉監督はなんでわざわざ奇策を講じたのか???

・関根を欠いた浦和はサイド攻撃に迫力がなく、またボールを支配していても無理には攻めなかったため、仙台の守備が決定的に破綻する場面は3点目を取られるまでは案外少なかったかもしれません。しかし守備がそんなに悪くはなかった反面、攻撃が絶望的に。

・高い位置でボールが奪えない上に、前に残っている人数が少ないのでカウンター攻撃もままならず、攻撃はロングボール頼み。もっともそのロングボール攻撃が見事に嵌って一時は同点に追いついたのですからこれまた悪くはないという見方もできるかもしれませんが、それ以降ほとんど攻撃の形は作れず。

・AT突入直前になってハモン→奥埜→リャンのシュートがわずかに枠を逸れたのが仙台後半唯一の決定機。せめて1点差で耐えていれば、フォーメーションを4-2-2-2に戻して目先を変え、浦和の混乱に乗じて同点にはなったかもしれませんが、3点目を取られたことで万事休す。

・浦和から見れば新潟戦・湘南戦に続いてあまり良い内容ではありませんでした。ミシャが「サイドの選手が、もう少し質の高いプレーをしてくれれば、真ん中はもう少し精度の高いプレーをできるのではないでしょうか」とぼやいたことにこの日の試合内容が要約されている気がします。それでも蒸し暑い中で、柏木などコンディションが万全でない選手を抱えながら危なげなく勝ったのですから、それで良しとすべきなんでしょうが。

02

・仙台のフォーメーションは基本3-4-2-1といってもほとんどの時間帯で5-4-1で守る格好。浦和の最終ラインどころか柏木にすらたいしてプレッシャーをかけて来ず、ひたすら浦和の縦パスを守備ブロック内で引っかけて反転攻勢を狙うような感じ。また本来は最終ラインを極力高く保ちたいのでしょうが、高い位置でボールが奪えないので自然とズルズルと守備ブロックが下がってしまいがち。必然的にCF金園が孤立して攻撃はどうにもならず。

・浦和の先制点は柏木直接FKから。故障を抱えた柏木は先週までプレースキックをほとんど蹴っておらず、ここでも柏木がFKを蹴るとは思っていなかっただけに意表を突かれました。コースも絶妙でしたが、GK六反もひょっとすると柏木が蹴るとは思わなかったのかも。序盤の浦和の攻撃はほとんど体をなしていなかっただけに非常に大きな先制点。

・これで楽に試合を進められると思ったところ、とんでもない落とし穴が。仙台の唯一の攻め手=金園へのロングボール攻撃への対応が甘々、具体的には槙野が簡単に金園にポストプレーを許したのが致命傷になり、すかさずフォローに入った野沢→リャンであっさり浦和DF陣が崩壊。守備の人数は浦和のほうが多かったにも関わらず、攻守の切り替えが遅くてチンタラ歩いている選手もチラホラ・・・ ただこのマヌケすぎる失点がさすがに堪えたのか、以降金園へは厳しく当って何もさせず。

・浦和の攻撃も序盤は芳しくなく、仙台の最終ライン裏を縦ポン一発なり右サイドからのクロスなりで狙う意図は伺えたものの、シュートには結びつかず。とにかくミシャがぼやいた通りサイド攻撃がさっぱりで、サイドを上手く使えないので前3人のマークもタイトなままという悪循環。特に宇賀神の不振が深刻で、出場停止の関根に代えて右WBにスタメン起用された平川のほうがまだマシなものの、もとより攻撃には多くを期待できず。

・それでも浦和のパスワークを90分間封じられるほど仙台の3バック守備は成熟しておらず、30分過ぎになって突如浦和の中央突破が炸裂。阿部→興梠の絶好機はなぜか不発に終わりましたが、37分柏木→梅崎→興梠→武藤と綺麗にワンタッチパスが繋がって浦和追加点。仙台は柏木に自由を与え過ぎな上に、浦和の前3人にも付ききれず守備大崩壊。

・再び仙台を突き放した浦和は最終ライン&西川でボールを回してひと休み。後半になってもあえてリスクをかけて攻め込む風はなく、後半立ち上がりに森脇のクロスのこぼれ玉を拾った柏木のミドルシュートが惜しかったくらい。

・一方仙台は唯一の攻撃の切り札であるハモンロペスを59分に早々と投入。4-2-2-2に戻して金園との2トップにすると予想していたところハモンに代わって下がったのが金園だったにはびっくりしました。数少ない攻め手を自ら潰したようなものかと。さらに菅井が小破して下げざるを得なくなったのも不運といえば不運。

・ミシャも梅崎→李、柏木→青木と早目に選手交代。興梠→ズラタンも勝っている時の3人目にしてはかなり早いタイミングでの交代で驚きましたが、結果的にはこれが奏功。

・蹴る人がいなくなって致し方なく蹴った感がありありの武藤CK→ズラタンヘッドで試合を決定づける3点目をゲット。仙台はゾーンで守っていましたが、選手の間を鉈で叩き割るような感じでズラタンに飛び込んで来られたらどうしようもないのかと。ズラタンは流れの中では今一つ機能しないものの出場時間の割に得点が多く、「自分たちのサッカー(苦笑)」が出来ない時のオプションとして妙に役立っています。

・渡邉監督は決定的な3点目を取られてから奥埜を入れて4-2-2-2に戻しましたが完全に後手後手。しかも点を取るどころか、浦和にカウンターの好機を与えまくる始末。浦和も浦和でその好機にラストパスの精度が低くて追加点は取れませんでしたが、AT突入直前にリャンに際どいシュートを撃たれただけで楽々逃げ切り成功。

01

-----興梠-----
--武藤----梅崎--
宇賀神-阿部-柏木-平川
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

得点:10分 柏木、37分 武藤、75分 ズラタン

64分 梅崎→李
65分 柏木→青木
73分 興梠→ズラタン

・出場停止の関根に代わって右WBに起用されたのは大ベテランの平川。そしてまさかのフル出場! 試合終了直後は整列に戻るのも辛いのか家本主審に催促され、さらにチームメイトから数々の労いを受けていましたが、その出来はあまり良くなかったと思います。攻撃に多くを期待できないのはともかく、攻守の切り替え&戻りがちょっと遅くなっているかと。最後もサイドでの軽すぎる対応が仇になって浦和右サイドへ流れたハモンへの縦パスを許していましたし。

・興梠は前節湘南戦に続いて決定機を決められず。鮮やかな切り返しでCBを翻弄しながら肝心のシュートが・・・「点を取ること以外はCFとして完璧」だった柳沢の直系の弟子であることをまざまざと見せつけられた格好。柏木ほどではないにせよ、興梠も悩みだすと深みに嵌るタイプだからなぁ・・・

・ミシャが李を用意していた際、前半腰を傷めた興梠を真っ先に代えると思ったのですが、代えたのはなんと梅崎。これにより平川に代えて梅崎を右WBに回すオプションも消滅してしまいましたが、この交代は意図不明。もっとも李の出来はさほど悪くはなく、リードを守り切るために前線で体を張る仕事は全うしていました。カウンターのチャンスで微妙に周囲と合わないのはともかく。

00

-----金園-----
--野沢-----梁--
蜂須賀-ミンテ--富田-菅井
-石川直-鎌田--上本-
-----六反-----

得点:23分 梁

59分 金園→ハモン
63分 菅井→二見
77分 上本→奥埜
 

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