【観戦記】15年2nd第9節:横浜M 4-0 浦和
・やることなすことまるでダメ。何一つ良いところなく大敗。西川の奮戦がなかったらもう2、3点取られて、それこそ歴史的惨敗になっていました。昔だったら4点目を取られた時点でダンマクが撤収されてもなんら不思議はないくらいの不甲斐ない試合。
・攻めては縦パスが入らず、サイド攻撃もままならず。守っては浦和の怒涛の寄せを逆手に取られて簡単にマークを剥がされるの繰り返し。横浜M(以下「鞠」)の出来は確かに出色でしたが、それよりも浦和の出来が悪すぎたのが大敗の主因だったように思えてなりません。あれだけイージーなミスを繰り返しては話にならん。
・良かった選手なんて誰一人としていないので敢えて個人名を上げるのも気が引けますが、興梠の不出来には驚きました。マークが厳しいにせよ、この日はとにかくボールロストが多く、その一つが失点に直結。
・東アジア選手権から戻ってコンディションを崩したのが未だに尾を引いているのか、湘南戦・仙台戦で決定機を逸し、この試合はとうとう何もできないどころか自爆ボタンを押しまくる惨状に。
・もっとも興梠は普段の出来との落差がでかすぎて目立っただけで、他の選手も大なり小なりミスが多く、すこぶるがっかりさせられた試合でした。
・フィンケの夏、ミシャの秋。今年は8月半ばを過ぎて急激に涼しくなり、ミシャが苦手とする秋が早々と到来。
・宇賀神の出来がずっと良くありませんが、「総員不出来」だったこの無様な試合を見ると、酷使され続けたレギュラー陣の金属(勤続?)疲労がとうとう宇賀神以外にも広がってきたのかなぁという気も。そしてそれはお決まりのミシャ失速コース。
・ここまでクソミソに負けると、代表組をごっそり欠いた状態でナビスコ杯&柏戦をやるのは悪くないと思います。もっともそれは控え組が奮起してくれればの話。過去の経験では「なぜ控えなのかが良く判った」という結果になりがちなんだよなぁ・・・(´・ω・`)ショボーン
・鞠の出方はやや意外で、前からさほど追って来ませんでした。少なくとも前回対戦と比べると阿部や那須へのプレッシャーは格段に緩く、明らかにリトリート主体の守備。浦和が槙野や森脇へ持ち出した際には素早くブロックを寄せてきますが、あとは柏木に圧力をかけつつ中央を締めて浦和がひたすら無理に縦パスを入れてくるのを待ち構えるような格好。
・これに対して浦和はビルドアップのミスが頻発して全く攻撃の形が出来ませんでした。とにかく縦パスを入れられず、無理に入れればいとも簡単にボールロスト。
・縦パスが入らなければDFを中央へ寄せられず、サイドも開かないのでサイド攻撃もままならず。また4バック崩しの常道であるサイドチェンジがことごとくミスになってしまい、手も足も出ないどころか勝手に自爆しまくり。
・守っては鞠の前4人のポジションチェンジに幻惑されまくりでどうにもならず。前から嵌めに行くというか、一人一殺の繰り返しに過ぎない浦和の守備を逆手に取られて、空いたスペースを的確に使われてしまいました。対川崎戦もそうですが、これだけ正確にボールを繋げるチームに対して浦和は守備のあり方そのものを考え直さないといけないはずですが、ミシャにそれを期待するのは無理だからなぁ・・・
・上手く相手を掴まえられないので、どうしても危険なエリアでファウルを犯す場面が出てくる。鞠の先制点は西川でもどうにもならない中村のスーペルなFKを褒めるしかないのでしょうが、元はといえば阿部が中村を後ろから倒してしまったところから。
・続く齋藤のゴールはやられるべくしてやられた、必然的な失点。立ち上がりから伊藤が空けたスペースに入ってくる齋藤なりアデミウソンなりを全然掴まえられませんでしたから、この失点は遅かれ早かれ喰らっていたかと。
・前半9分にアデミウソン→伊藤→アデミウソンで決定機を作られたのがその予兆(シュートはわずかに枠外)。那須がサイドへ流れた伊藤に引きずり出され、空いたスペースにアデミウソンに飛び込まれてしまいました。槙野はアデミウソンを潰せずにあっさり交わされる始末。
・2失点目はこの日の浦和のダメっぷりを凝縮したようなもの。最終ラインから細かくビルドアップしてくる鞠に対し、浦和はいつものように前から潰しにかかるもののボールを奪い返せず、逆に鞠に広大なスペースを与える悪循環。引いてボールを受ける伊藤への対応も緩慢な上に、浦和左サイドから中央へ飛び込んできた齋藤に付いていたはずの宇賀神が転倒する失態もついてはどうにもなりません。
・2点リードした鞠は最終ラインを下げて完全にカウンター狙い。浦和は相変わらず攻め手なく、逆に終了間際に中村→伊藤ヘッドでやられかかりました。ここも浦和DF陣は人数はやたらいるのに全員がボールホルダーばかりに食いついてしまい、ボールを持たずにランニングする受け手(=中村)を見てないという浦和にありがちなやられ方がてんこ盛り。
・ミシャは前半イエローをもらったこともあってか、宇賀神を早々に諦めてズラタンを投入し、梅崎を左WBへ配転。
・武藤が右シャドーに回った、あるいはズタラン&興梠の2トップ気味にしたのが奏功してか多少ボールが前に進み出し、さらに関根がサイドの主導権を奪い返して攻めの形がようやくでき始めましたが、柏木→ズラタンのシュートがわずかに枠を逸れたのが惜しかっただけで、バランスを崩して前がかりになっている割にはさほど決定機は作れず。
・そしてこれまた案の定興梠のボールロストからカウンターを喰らい、アデミウソン→齋藤で致命的な3点目を取られて事実上試合終了。この場面でも人数は4対3で浦和優位だったはずなのに、前を走る伊藤にばかり注意がいって、後ろにいる齋藤を誰も見ていないという「浦和あるある」が炸裂。
・この失点で明らかに浦和は集中力も闘争心も失ってしまったかのよう。前目の選手は目に見えて守備に戻らなくなってしまいました。4失点目は後ろから飛び込んでくるファビオのマークを途中で諦めていますし。
・なんとなーく惰性のように前がかりになって攻めるも、ラストパスやクロスに精度なく、焦って打つシュートは悉く鞠の選手にぶち当たり、得点どころかこれといった決定機すらないまま試合終了。
・ミシャはあまりの惨状に呆然自失となったのか、交代枠が余っていることにATになってやっと気づいたのかな(苦笑)
-----興梠-----
--武藤----梅崎--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
HT 宇賀神→ズラタン(梅崎が左WBへ)
65分 興梠→青木(柏木がシャドーへ)
90+4分 関根→高木
-----伊藤-----
齋藤---中村--アデミウソン
---三門--中町---
下平-ファビオ--中澤-小林
-----飯倉-----
得点:28分 中村、33分 齋藤、59分 齋藤、64分 ファビオ
68分 中村→喜田
89分 伊藤→栗原
・この試合のMOMは文句なく中村。FKだけでなく、攻守にわたって実に精力的に動き回り、固定式砲台の面影なんてまるで無し。全盛期と大差ない出来でいやはや恐れ入りました。
・浦和の弱点を突きまくったエリク・モンバエルツ監督もこれまたお見事。浦和の出来が相当アレだったことを割り引いたとしても、ここまで完膚無きまでに浦和を葬った手腕には感服せざるを得ません。
・既に死に体になっている浦和に対して、ご丁寧なことに最後は栗原を入れて5バックで念には念を入れるというか、浦和に何の希望も与えてなるものか!!!と言わんばかりの試合の締め様。
・というか、この内容でなんで年間順位が振るわないのか・・・
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