【観戦記】15年2nd第7節:浦和 1-0 湘南
・夜は心持ち涼しくなってきたとはいえ、まだまだ夏の盛りの中での連戦。故障を抱えたまま出場している柏木を筆頭に出来が良くない選手が多かったこともあって試合内容は低調でしたが、それでも勝ち点3をゲット。2ndステージに入って「内容は良かったが勝ち点を逃した」試合が相次いだことを思えば、勝ち点3が得られたことで十分満足すべきだと思います。
・見方を変えれば、この試合は「相手の数少ない絶好機を西川のビッグセーブで潰し、逆に浦和が数少ないチャンスの一つを決めて勝つ」という1stステージ序盤にありがちだった試合そのもの。前節新潟戦では先制点を取られても慌てませんでしたし、ちょっとずつ浦和の勝負強さが戻ってきたような気がします。欲を言えば、興梠がカウンターの絶好機を決めて追加点を取って、もうちょっと楽に逃げ切りたかったものですが。
・また代表で3試合フル出場、かつ帰国後も全く休みなくスタメンで出続けていてヘロヘロのはずの槙野が攻守にわたって大活躍。ここぞという状況でエリア内に顔を出して難しい体勢からのシュートで決勝点を挙げただけではなく、高山とのマッチアップで完勝した後に派手なガッツポーズで大見えを切る一幕もあり、疲労困憊なりに槙野らしい見せ場を作ってくれました。文句なくこの試合のMOM。
・新潟に続いて湘南もガンガン前からプレッシャーをかけてくる相手。序盤柏木が緩すぎるバックパスで致命傷になりかねないボールロストを犯す場面が2度ありましたが、それ以外は西川を上手く使いながら湘南のハイプレスをいなし、新潟戦のような墓穴を掘りまくる事態にはなりませんでした。
・また攻めては湘南のハイプレスを回避すべくロングボールを多用するわけでもなく、ほぼ自然体で対応。15分くらいから湘南のプレッシャーも緩み、むしろ5-2-3みたいな布陣で自陣高めの位置で待ち構えることも多くなったため、浦和が落ち着いてボールを回す時間が増えだしましたが決定機には至らず。関根が対面の菊池大に完勝して再三チャンスメークするも引いて守る湘南を崩しきれず。
・湘南は前半何度か宇賀神の裏を突く攻撃が見られた他、前半終了間際にCKから菊地俊のヘッドがポストを叩く惜しい場面も。
・湘南この日最大かつ唯一の絶好機は後半立ち上がりにスローインの流れから高山が槙野と宇賀神の間に走りこんでエリア内に突入したもの。前半何度か見られた攻撃パターンの一つが嵌った格好ですが、シュートは西川が完璧にセーブ。
・ただ前半半ばくらいから浦和がボールを繋いで湘南を押し込む時間帯が長い状態には変わりなく、56分ついに湘南を押し込んだ状態から先制。柏木のふんわり縦パスをエリア内で興梠が拾ったのがポイントで、興梠→関根→槙野でゴール。
・なんでここで槙野がエリア内にいたのかが謎。前半関根の折返しに突っ込む人が少ない(特に宇賀神)のは「前半は無理をしない」からだろうと思っていたのですが、どこかで無理をしないと点は取れない。後半になってその無理を仕掛けた槙野が見事にリスクに見合った果実をもぎ取ってみせた素晴らしいゴールでした。
・先制した浦和は引いて守ってカウンター狙いに転じましたが、これがなかなか決まらない。湘南の帰陣が非常に早い上に浦和も肝心なところでパス精度を欠いて逆にカウンターを浴びる始末。高山のボールロストから武藤→興梠の絶好機はGK秋元に阻まれてゴールならず。また興梠に代えて投入されたズタランも2度あったチャンスでシュートは枠外。
・終盤の浦和は完全に走り負け、ドリブルでシュートコースを探す相手に付いてゆけなくなる場面も散見され、自陣深い位置で防戦一方になってしまいました。しかし、DF陣が最後の最後で体を投げ出して湘南に決定機を与えず、なんとか逃げ切り勝ち。
・同日広島が柏に大敗したため、浦和は年間首位に再浮上しただけでなく得失点差も広島と同じに。低調な試合内容でしたが、結果は万々歳。
-----興梠-----
--武藤----梅崎--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:58分 槙野
68分 興梠→ズラタン
78分 宇賀神→青木(梅崎が左WB,柏木がシャドーへ)
88分 柏木→李
・代えが効かないので故障を抱えたままスタメン出場している柏木ですが、さすがにこの試合はきつかったかと。序盤に致命傷になりかねないミスを連発した他、ここぞという場面でパス精度を欠いてチャンスを潰す場面も多発。それでも2度決定機に絡んだのだからたいしたものという見方もできますが、この出来の柏木を代えられない浦和の選手層というか監督の選手起用は問題大ではないかと。
・新潟戦で八面六臂の働きぶりだった梅崎もこの日はいつもの梅崎に逆戻り。一切手抜きなしというプレースタイルなので、夏の中3日は一際堪えるのかも。
・代表帰りの武藤は1試合休みをもらってもなお疲労の色は隠せず、いつもより球離れが悪いというか判断が遅い場面がちらほら。
・依然調子が上がらない宇賀神は終盤になってとうとう交代を命ぜられましたが、橋本投入がミシャの選択肢に全くなかったのはショックでした。橋本をアテにしていないのなら代わりに平川をベンチに置くべきではないのかと思うのですが。
・出場停止もあってレギュラー陣では最も長く休んでいるはずの森脇の出来も依然低調。守っては菊地俊に前に入られて決定的なヘッドを撃たれ、攻めてはリードしているのにリスキーな縦パスを入れてカウンターを誘発したりと、結果的に致命傷にはならなかったとはいえ困ったもの。
-----大槻-----
--高山----菊地--
菊池-石川--永木-古林
-三竿--バイア--遠藤-
-----秋元-----
64分 古林→藤田祥(高山が右WBへ)
76分 永木→直輝
76分 大槻→可児
・「走り勝ち」という湘南らしさは随所で見せてくれましたが、相手に自陣に引かれてしまうとそれを崩しきるだけの力がないのも確か。CFが補強できれば上位に食い込めるだけの実力があるようにも見えましたが、浦和が湘南の良さを引き出してしまう、少なくとも湘南の良さを消しに来ないチームなので、実力以上に湘南が良く見えるのかも。
・直輝は終盤になって投入されるも見せ場は全くなし。ボールを奪ったら直線的に一気にゴールへ向かう湘南のスタイルは直輝には不向きなのだと思いますが、湘南でスタメンを確保できないと来年の浦和帰還は難しいでしょう。
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