・リーグ戦最終戦で対戦したばかりとはいえ、浦和は4週間ぶり、神戸に至っては5週間ぶりの試合。しかも共に前回対戦時からメンバーが若干入れ替わったこともあってか立ち上がりは共に堅さが目立ち、かつ手探り状態。
・しかし10分過ぎぐらいからチームの出来の差が明確になって、終わって見れば前回対戦時同様神戸は守備が決壊して立て続けに失点。さらに神戸は愚かすぎる退場者まで出してしまったので反撃もままならず、シュートはわずか2本。浦和は文字通りの完勝で準決勝に駒を進めました。浦和の準決勝進出はなんと優勝した2006年シーズン以来。
・あえて浦和の反省点を挙げれば後半の試合運び。3点リードかつ数的有利なのになんでカウンターを浴びてあわやという場面を作られるのか??? またつまらないパスミスで阿部がイエローをもらう羽目になるのか??? カップ戦なので内容はどうであれ勝てばOKですが、リードした後の試合運びの拙さゆえに勝ち点を落としまくったのが広島との差になってしまったことを思えば、細かいこと、些細なことにも徹底的に拘ってもらいたいと思います。
・神戸はいつもの対浦和仕様の3-4-2-1で、守備は5-4-1のリトリート主体。立ち上がりは浦和の縦パスを完全に封じ、浦和の攻撃はサイドオンリー。それでも浦和は10分過ぎに関根が相馬を交わしてエリア内に侵入したのを皮切りに両サイドから攻撃の形を作り始め、次第に試合は浦和ペースに。
・先制点はサイドではなく中央突破。武藤、宇賀神、李、興梠でパスを回し、最後は李→興梠が最終ライン裏へ抜け出してゴール。ネルシーニョが嘆く通り、後ろ向きで縦パスを受ける興梠に神戸DF陣が強く当たれず、浦和の前三人が好きなようにパスを回して興梠が仕上げ。
・浦和の2点目に至っては神戸は中盤も最終ラインも全く機能しておらず。浦和の前三人どころか宇賀神や柏木にも全く付いてゆけずに守備が後手後手に回った挙句、どフリーの李がシュート。
・柏時代のネルシーニョは実に粘り強く、劣勢の試合でも選手を代えたりフォーメーションを変えたりしながら粘り強く反撃の機会を窺っていた印象がありました。しかし、どうも前回対戦といい、この試合といい、その粘りが全く感じられず、それどころか立て続けに失点してしまうのが不思議。
・前回対戦時では1トップの李を掴まえられない北本を早い時間帯に見切ってチョンウヨンをCB中央に入れて遅まきながら止血に成功しました。ところがこの試合ではそのチョンウヨンがコンディション不良で不在。これが神戸の守備決壊の主因でしょうし、ネルシーニョも手の打ちようがなかったのかもしれません。
・さらに悪いことに右CB三原が判りやすすぎるファウルを繰り返して32分に早々とイエロー2枚で退場。1枚もらった後、1回は扇谷主審に注意で済ませてもらったのにまた軽率なファウルでとうとう退場ってネルシーニョ激怒だろうなぁ、これ。三原はCBが本職ではないと思いますが、ちょっと酷すぎました。
・数的不利になった神戸は4-4-1で反撃を試みましたが、終始レアンドロが最前線で孤立気味でシュートどころか攻撃の形すら作れず。
・浦和は前半終了間際に右から左へボールを回してどフリーの宇賀神がコントロールショットで3点目。ピッチをワイドに使い、4バックの相手が空きがちになるスペースを利用しての浦和らしい得点でした。
・前半の浦和にはケチのつけようがなかった反面、後半はかなり消化不良気味。数的優位かつ3点リードともなると、いくらリードした後の試合運びに難がある浦和といえども安全圏とは思いましたが、試合内容が竜頭蛇尾だったのは紛れもない事実。
・神戸は頭から峻希&ブエノを投入して5-3-1に陣形を再変更。浦和は数的優位を活かしてパスを回しまくるなり、あるいは前がかりにならざるをえない相手にカウンターを狙いまくるなり、状況の変化に応じた試合運びが出来るといいのですが、相変わらず同じようなペース、同じようなスタイルで攻めてしまいます。そしてカウンターを喰らって渡邉に決定機を与えたり、峻希のクロス→森脇がどんぴしゃりのヘッドでバーを直撃したりとなんだかなぁな場面がちらほら。
・また攻めたなりにチャンスを量産できれば良いのですが、ラストパスなりクロスなりの精度が今一つでフィニッシュに至る場面が実に少ない。途中で出て来た梅崎やズラタンは張り切っている一方、スタメン組は意識が流しモードっぽくなってて、そういう思惑のズレが肝心なところでの合わない一因になっていた気も。
-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----
得点:22分 興梠、25分 李、44分 宇賀神
62分 武藤→ズラタン(興梠がシャドーへ)
68分 那須→青木(阿部がCB中央へ)
68分 宇賀神→梅崎
・相変わらず那須はコンディションが万全ではないようで、今週の練習ではスタメンが濃厚でしたが、その永田が前日故障してしまう不運。やむなく那須をスタメン起用しましたが、前半はパス回しに危さが垣間見られました。後半半ばで那須を下げたのはコンディションの問題でしょう。
・武藤&宇賀神を早めに下げたのは準決勝が中2日で控えていることと、ズラタン&梅崎の試運転以上の意味を持たないかと。早々に3枚交代枠を使ったので、終盤阿部が峻希と交錯して傷んだ時はヒヤッとしましたが。
・李は相変わらず好調で1ゴール2アシスト&1退場者誘発。今年もいよいよ大詰めという段になって突如覚醒するのが実に摩訶不思議。
・関根は対面の相馬を文字通りチンチンに。NHKのアナは頻りにU22代表アピール云々を繰り返していましたが、この出来でもストレートで選ばれないほど他の選手がよほど凄いんでしょうなぁ(苦笑)。
-----レアンドロ----
--渡邉----石津--
相馬-森岡--田中-藤谷
-高橋祥-岩波--三原-
-----徳重-----
HT 藤谷→峻希
HT 石津→ブエノ