浦和2016の諸論点 - 開幕へ向けて
・今年の浦和について練習試合どころか練習すら全く見ていません。浦研や各種ニュースから漏れ出てくる情報だけをもとに「ぼくのかんがえたうらわれっず」を声高に論じたところで何の説得力もないのは重々承知。さはさりながら開幕前に断片的な情報を繋ぎ合わせて一喜一憂というか妄想に妄想を積みかさねるのはサポーターの恒例行事みたいなもの。よって、明日の開幕を前に今年の浦和の気になるところをつらつらと書き留めておきます。
(1)ぼくはバイエルンになる!
今年の目玉はなんといってもこれ。日刊スポーツの記事によると
相手がボールを保持している局面ではコート全面でマンツーマン守備を敷き、より高い位置で相手にプレッシャーをかける。ボールを奪取したら、すぐに縦パスを入れる。同時に最終ラインを、一気にハーフライン付近まで押し上げる。
なんだとか。
「最終ラインを高く押し上げてコンパクトな布陣を敷き、ボールを奪われたら素早く攻守を切り替えて高い位置からボールを奪いに行く」だけなら昨年もしばしば取り組んでいることで特段目新しくありません。後半半ば以降運動量が落ちて相手にプレッシャーがかからなくなってからの大失速をどう回避するか、あるいは浦和のプレッシャーを避けてハイボールを最終ライン裏へ放り込んでくる相手にどう対処するのかという問題が残るだけで。
どうにも判らないのはなんでマンツーマン守備がセットになるのか。相手にプレッシャーをかけにゆくにはボールホルダーに最初に行く奴、それが突破された際に備えてフォローする奴と守備側の複数の選手が能動的に連動しなければならないはず。相手の動きに受動的にならざるを得ないマンツーマン守備とはベクトルが真逆なんじゃないかと。
というか、もともと浦和の守備は連動性が希薄で一人抜かれたら決定的に破綻するのがオチ。
槙野「森脇がやられたようだな…」
那須「フフフ…奴は浦和3バックの中でも最弱…」
西川「○○如きにやられるとは浦和3バックのツラ汚しよ…ってお前ら早く戻れよ!!!」
みたいな光景がしばしば見られるのに、なんでその方向をさらに推し進めるのか全く理解できないのですが。
そして最大の謎は「バイエルンってそんなことを本当にやっているのか???」
(2)槙野リベロってマジかよ???
鹿児島合宿の練習試合の最後のほうでは槙野が3バックの中央に入っていました。那須にやや衰えが見え隠れし、ポカが多い永田に全幅の信頼は置けない中で高い最終ラインの裏をスピードのある槙野と西川の飛び出しでなんとかカバーしたいのかもしれません。
ただそうなるともともとバックアップに乏しかった左CBを誰が務めるのかという問題が生起します。練習試合では橋本、遠藤などを試してはいましたが、誰を据えるにしても宇賀神&武藤との連動しての左サイド攻撃の迫力は失われます。
というか、遠藤&イリッチを補強し、橋本がWBからCBに下がるのが濃厚になったため、昨年から一転して最終ラインの競争が激化。昨年は前目の選手をやたら補強したのと怪我人の発生が相まって、前目の最適な組み合わせを見つけるのに時間を要し、それがACL早期敗退の一因になってしまいました。今年はその試行錯誤を最終ラインでやらかしてしまうのではないか、という懸念が。何より準備期間が短かっただけに・・・
昨年は数々の失態を犯しながらも重用せざるを得なかった森脇のスタメンの座も怪しくなり、それはそれで大いに結構なのですが。
(3)ジャンジャン溢れる悲しみのべビーローテーション
これは今年に始まったことではないのですが、なにせミシャはローテーションが下手。ナンボ補強してもミシャが使う駒が限られていて、そうこうしているうちにレギュラーとベンチメンバーの実力差がどんどん開いてますますレギュラー組に頼らざるを得なくなってしまう。そしてベンチ組を使う機会がようやく巡ってきたかと思えば、総とっかえみたいな極端なやり方で試合に臨んで案の定大敗。
レギュラー固定という点は森保監督も大差ありません。しかし、たまに出てくる広島のバックアップメンバーがレギュラーと遜色なく働くのを見ると、ミシャのマネジメントに問題があるような気がしてなりませんが、昨年ほとんど出番がなかった橋本や加賀が浦和を出なかったことを思えば、ベンチ組もミシャに不満があるわけでもなさげで。
ミシャもさすがに山ほどいる2列目の活用だけは会得したみたいで、昨年は武藤を軸に梅崎・高木・李を適宜使い分け。今年は石原が復帰し、駒井が加入して一層2列目がだだ余りになるので、梅崎がWBに回る機会が増えると思います。そうなると調子落ちの宇賀神or関根をスタメンで無理使いしなくて済むはず。
CFはリーグ戦は興梠、ACLはフィジカルが強いズラタンが基本。ボランチだけは今年不在がちな遠藤に多くを期待できない以上、阿部と柏木を使い倒すしかなさそう。最終ラインの懸念事項は(2)で見た通り。
実績ある選手の頭数はそれなりにいるので、ACL向け、そしてリーグ戦向けのスタメン構想を妄想し始めると止まりませんが、どう見ても調子落ちの選手、怪我持ちの選手を無理使いした挙句、それが仇になって勝ち点を落とす愚だけは避けてほしいものです。
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