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2016.03.17

【TV観戦記】16年ACL H組第3節:広州恒大 2-2 浦和

・胡散臭いどころか、主審も爆買したのか???としか言いようがない不可解なPKでいきなり先制され、その衝撃から立ち直れないうちに追加点を許すという最悪の展開だったにも関わらず、2点ビハインドを跳ね返してアウェーで勝ち点1をゲット。アウェーでの2ゴールは広州との直接対戦時の比較にもつれこんだ際に大きな意味があり、限りなく勝ちに近いドローと評価しても差し支えないでしょう。

・昨今の浦和は先制されるとそのまま為すすべなく敗れてしまうイメージを払拭出来できないのですが、動揺を隠し切れない時間帯に広州GKの凡ミスで1点返せたのが大きく、その後はなんとか体勢を立て直して後半は何度かカウンターを浴びながらも浦和ペースで試合を運べたと思います。もっとも2点リードした広州が早々と自陣に引き、崩壊寸前の浦和にとどめを刺しに来なかったのにも助けられたような気もします。

・また遠距離アウェーにも関わらず浦和の運動量はさほど落ちず、むしろ終盤広州のほうが脚が止まり気味だったのも、最後の最後でドローに持ち込めた一因でしょう。

・グループステージを3試合消化して、このグループにぶっちぎりに強いチームはない、どのチームにも勝機は十二分にあることが判ったのも収穫。グループ順位は3位に後退しましたが、首位シドニーとの勝ち点差はわずか2。しかもホームゲームを2試合残しているので浦和のグループリーグ突破の可能性は十分に残っています。まだまだこれから。

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・それにしてもあのPKはない。相手の単なるバイシクルシュートの失敗に過ぎず、ズラタンはファウルどころか関与すら疑わしいのになぜかPK。激昂したズラタンが執拗な異議と見做されたのかイエローまでもらう始末。

・試合開始早々、不可解極まりないPKで先制を許した浦和。慣れない環境、慣れないピッチにも祟られてか浦和の選手達は動揺を隠しきれず、マルティネスの個人技で右サイドを突破されたのを機にグラルに追加点を許してしまいました。この場面、遠藤がマルティネスに付ききれなかったのはともかく、ボールがタッチを割ったとでも思ったのかセルフジャッジで足を止めたのも残念極まりないかと。

・すっかり浮き足立ってしまった浦和は落ち着いてパスを回すどころか不用意なボールロストが相次いでカウンター浴びまくり。特に柏木の2列目起用がモロに裏目に出てボールロストを繰り返すのが痛かったかと。また他の選手も往々にして玉際で競り負けてセカンドボールが拾えずに序盤は苦戦を強いられました。

・またこの試合を通じて広州は浦和の右サイド、梅崎の裏というかさらには森脇の裏というか、浦和右サイドのスペースを執拗に突いてきました。森脇はなぜか中央どころか左サイドまでボールを追いかける場面もあって、終盤はあさっての方向へクロスを上げてしまうくらいヘロヘロに。この穴はフェリポンが事前に目を付けていたものと思われ、次戦ではなんらかの対策を取らないわけにはいかないかと。

・動揺を隠し切れない浦和を広州がかさにかかって攻めに攻め、もう1点取っていれば試合は事実上終わっていたでしょうが、浦和にとって幸いなことに広州は引いてカウンター狙いを選択。それはそれで悪くはないのですが、結果的には浦和に立て直しの時間を与えてしまったような気がします。そして浦和にこの日最大の僥倖=広州GKのパンチングミスが発生。シドニー戦に続いて武藤が9番らしく相手のミスを見逃さずにゴール! 試合の流れを浦和に引き戻す上でこれが実にでかかった。

・この1点以降、浦和はいつものリズムを取り戻し、カウンターを喰らいかねない危うさを内包しながらも終盤まで浦和の攻勢が続きました。広州は最終ラインに人数をかけてはいるものの、SHが下がって6バック気味になっているのでフリーの槙野や森脇からサイド攻撃を喰らいがち。またズラタンが効いて中央で跳ね返すのもままならず、引き過ぎてバイタルエリアを空けてしまうこともしばしばあって、名将フェリポンにしては随分とお粗末な守備に見受けられました。

・体勢を立て直した浦和は後半立ち上がりに柏木→梅崎クロス→(ズラタンスルー)→武藤の決定機もGKソン・チョンが好セーブ。ソン・チョンは前半も槙野FKを見事にはじき出したかと思えば、何でもないハイボールに怪しげな動きを見せるなど、長所と短所が極端な形で混じり合うタイプみたいで。

・特に手詰まり感が漂っているわけではなかったのに、ミシャに何かスイッチが入ってしまったのか例によって早め早めの選手交代(武藤→興梠、青木→李)。ただこの日最もゴールに近い武藤を下げるのも謎(下げられた武藤が不満げだったのは道理)なら、森脇の穴を埋めに埋めていた青木を下げるのも謎。結果的に大過がなかったどころか興梠が同点ゴールを上げたので絶妙手と見做されてしまうのでしょうが、どう見てもリスクばかり大きくて効果的とは言い難いかと。

・浦和最大の穴であることに目を瞑って森脇に拘り続けるミシャ。そしてその我慢が実ったかと思われた場面=森脇右サイドからのクロスをファーでどフリーだった興梠が決められず、後は穴だけが残る格好に。森脇が裏を取られ、中央でグラルに合された場面は死んだと思いました。

・興梠が絶好機を決められず、手詰まり感が漂ってきたところでミシャは宇賀神→駒井で攻めに次ぐ攻めダルマ。駒井自身は決定機に絡めませんでしたが、AT突入直前に柏木→槙野→ズラタン→興梠と繋がってついに浦和同点。好調にはほど遠い柏木をリスク承知で残したのがここで活きた格好に。再三再四の槙野の攻撃参加、ズラタンがDFを背負っての落とし、広州最終ラインが引き過ぎてエリア内で興梠どフリーと広州の守備の問題点を見事に突きまくった素晴らしい同点ゴールでした。

-----ズラタン-----
--武藤----柏木--
宇賀神-阿部-青木-梅崎
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点 6分  グラル(PK)、14分 グラル
   30分 武藤、89分 興梠

62分 青木→李
62分 武藤→興梠
78分 宇賀神→駒井

・スタメンは福岡戦から興梠→ズラタン、李→青木、関根→宇賀神と3名変更。浦項戦は4-1-4-1で臨みましたが決壊寸前に陥り、後半早々と修正を余儀なくされたことからこの日はいつもの3-4-2-1に。そして最終ラインの並びも福岡戦同様。

・永田が出場停止なのでリベロはてっきり那須を使うものと思ったのですが、那須のコンディションが良くないのか結局遠藤を酷使。広州戦で遠藤を使うのなら、なんで福岡戦で永田を起用しなかったのかが謎で、磐田戦の惨敗を機にまたしてもミシャのスタメン固定癖が出て来たのかな?

・遠藤は立ち上がりこそマルティネスにぶっこ抜かれてしまいましたが、その後は善戦し、高さ勝負のCF相手でなければ何の問題もないことを実証。マルティネス相手に経験値を積みまくったのだから、今更U-23ごときに連れてゆかなくてもなぁ(苦笑)

・また選手層が分厚い2列目に、未だトップフォームにはほど遠い柏木を起用したのも謎。石原が浦項戦のひじ打ちを咎められて後追いで2試合出場停止+罰金処分を科せられたのが響いたのでしょうが、それでも李をスタメンで使う策があったはず。前半の柏木はブレーキ―にしかなっておらず、後半半ばでボランチに下がってからようやく働き始めた感も。ただそれは多大なリスクと引き替えで、裏を取られた柏木が鈍足で必死に追走する場面では目にうっすらと涙。

・さほど個人技に長けているわけではない武藤のドリブルに広州守備陣が付いてゆけない様子だったので、柏木→駒井はありだろうと思ったのですが、ミシャは効いていたように見えた武藤を下げて興梠投入。さらに右サイドの穴を塞ぎに塞いでいた青木を下げたのにはびっくりしましたが、入れたのが李でドリブラーである駒井でも高木でもなかったのにもびっくり。そして李はほとんど消えっぱなしで終わったような。

・最後の宇賀神→駒井は1点を取りに行った大胆な勝負手。もっともいきなり駒井スローイン→マルティネスには頭を抱えてしまいました(´・ω・`)ショボーン

・スタメン選考といい、選手交代といい、ミシャの選択にはかなり疑問符がつきましたが、そこは勝てば官軍。いや、勝ってはいないんですが。

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