【観戦記】16年1st第7節:浦和 3-1 仙台
・怪我人だらけの仙台に対して、中3日でアウェー・シドニー戦を控える浦和はなんとベストメンバー。おまけに組織の練度にも大差があり、欲を言えば前半のうちに事実上勝負をつけたかったくらい。岡部主審の笛がもうちょっとマシだったらそんな展開になっていたような気もしますが、実際は後半やっと先制しながらすぐに追いつかれるというマヌケな展開になり、勝負は終盤にまでもつれこんでしまいました。
・仙台は4-5-1の布陣で、1トップのハモン・ロペスすら自陣に引いてのドン引き守備。下のフォーメーション図では便宜上4-2-3-1と記しましたが、そんな格好になっている時間帯はほとんどなくて、4バックの前に5人ほぼフラットに中盤が並んでいる格好。はっきりとしたアンカーはおらず、4-1-4-1でもありませんでした。
・渡邉監督がどういう意図でこんな布陣を敷いたのか判りませんが、前回付け焼刃の3-4-2-1で臨んで大失敗したのと同様、今回も慣れない布陣を採用して失敗。致命的だったのが浦和の最終ラインどころか、往々にして柏木にすらプレッシャーをかけず、自由に配球させてしまったこと。さらにSBへのSHの支援が緩慢で4バックのサイドのスペースをいいように使われてしまったこと。この2点から仙台守備陣が90分耐えきるのは無理だと思いました。
・一方攻め手といえば縦ポンでハモンロペスを走らせるだけ。こんな攻撃では最後尾に控える阿部と遠藤、さらに果敢に前に飛び出してくる西川を崩せるはずもなく、三田のファインゴールが決まったのは奇跡に近いかと(むしろ浦和の対応が悪すぎるのですが)。90分間絶望的な攻めを強要されたハモンロペスはとうとう終盤ブチ切れてボールを蹴り上げる始末(なんであれに遅延行為のイエローが出ないのか不思議)。
・浦和は序盤3度あった決定機を決めていれば楽な試合になったはずですが、勝ち味が遅くていたずらにベストメンバーを使い潰す羽目に。これではシドニー戦に影響が出ないわけがなく、ミシャが出場停止の森脇の穴埋めを筆頭にどの程度選手を入れ替えてくるかが見ものに。
-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----
得点:53分 李、74分 興梠、76分 武藤
73分 宇賀神→梅崎
82分 興梠→石原(李が1トップに)
89分 関根→駒井
・前出のように仙台はサイドの守備が甘いので浦和は立ち上がりから宇賀神→(興梠スルー)→李、宇賀神→興梠と左サイドから決定機。さらにノープレッシャーの遠藤→関根がエリア内に飛び出す好機もありましたが、これは関根がシュートを撃ちきれず。いずれも得点には至りませんでしたが、早々と仙台の守備の問題点が露呈していたかと。ただ浦和のアタッカー陣もお疲れなのか細かいミスでチャンスをフイにしてしまうようで、仙台守備陣が元気なうちは得点を上げられず。
・浦和の最終ライン、さらには柏木がたいしてプレッシャーを受けないことをいいことに浦和は興梠に仙台最終ライン裏を突かせたり、両サイドへ大きく展開したりして仙台守備陣を上下左右に揺さぶり続けたのが後半になってようやく奏功。立ち上がりの関根→興梠、槙野→李とサイドから2度の決定機は決められませんでしたが、53分についに槙野→李で先制。
・仙台に全くと言っていいほど攻め手がないので先制すれば勝ったも同然。文化シヤツター様が「今日は完封で勝ったな、風呂でも入るか!」と思われても当然なくらい。ところがびっくり、その直後に単騎カットインしてきた三田にバイタルエリアからぶちこまれてたちまち同点に。完封勝ちと思い込んだ文化シヤツター様が怒りのあまり自社製品を蹴り上げてもおかしくないくらいの大失態。
・とはいえ浦和の優位は動かしようがなく、74分にキムミンテが自陣深い位置で浦和の守備網に引っかかって阿部→興梠で追加点。キムミンテがなんであの位置でボールをこねているのかが不可思議でしたが、浦和が今季掲げている高い位置でのボール奪回が見事に得点の形で結実。
・さらにその直後に途中投入の梅崎→武藤でダメ押し。これまたサイド攻撃が実ったもの。
・2点リードしたところで石原、駒井と試運転してそのまま試合終了。
-----ハモンロペス----
野沢---キムミンテ---奥埜
---三田--富田---
石川直-渡部-平岡-大岩
-----石川慧----
得点:54分 三田
66分 野沢→藤村
80分 キムミンテ→西村
85分 大岩→蜂須賀
・長期離脱中のリャン、金久保、六反、関に加え、なんと前節スタメンで出ていたウイルソン、金園、水野まで不在。前目がごっそりいないので4-5-1は窮余の一策だったのかもしれませんが、慣れない面子で慣れないことをやるのは愚策過ぎたかと。
・三田のゴールは遠藤が付ききれなかったのが目立ちますが、そもそも浦和右サイドからのスローインを奪われてからカウンターを喰らっているのが情けない。しかも右サイドで仙台の攻勢を潰しきれず。とはいえ三田が単騎でカットインしてきただけなので、浦和守備陣は数的優位を保っていたはずですが遠藤をフォローしきれずに被弾。三田は左でしか撃てないと舐めてかかって痛い目にあったのかも。
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