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2016.05.19

【観戦記】16年ACL ラウンド16 第1戦:浦和 1-0 ソウル ~ ラッキーだろうが何だろうが1点は1点

・内容はあまり芳しくありませんでしたが、結果はアウェーゴールを与えない勝利というほぼ理想的なものに。浦和の決定機は多くはなかったので追加点まで望むのは少々無理があり、それよりに相手にアウェーゴールを与えなかったことを高く評価すべき試合だったと思います。

得点はほぼ偶然。宇賀神のクロスがそのままゴールマウスに吸い込まれるという、当の宇賀神を含めて誰もがびっくりした形。ただラッキーだろうが何だろうが1点は1点で、しかもその1点が非常に大きかった。先制点を取ったことで浦和はリスクをかけてまで攻める必要がなくなり、ソウルの猛攻を凌ぎきる余裕が生まれました。逆に言えば、スコアレスのまま推移していればこの日も何かとミスが多い浦和はソウルのカウンターに沈む可能性が高かったと思います。

・ほぼ理想的な形での勝利とはいえ、わずか1点差。この日はソウルのシュートミスに救われた面も多々あって、一歩間違えればボコボコにされかねないくらいソウルが手強かったのも確か。ソウルが終盤高さ勝負で浦和に脅威を与えたとはいえやや単調な側面もあって、足元でしっかり繋いでエリア内で溜めたところに多数の選手がなだれ込むような地上戦を織り交ぜられたほうが浦和は守りづらい気がしました。

・よってこのままではアウェーの第2戦でも無失点で凌げるとは想像し難く、選手起用なりゲーム運びなりに一工夫加える必要があると思います。

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・ソウルの基本布陣は3-1-4-2というJリーグでは目にすることがない形ですが、守備時は両SHが下がって5-3-2に。2トップは立ち上がり5分くらいは浦和最終ラインにプレッシャーをかけてきましたが長続きせず、基本的に高い位置にブロックを作って待ち構える狙い。

・アンカーのオスマルが上手くパスコースを消していることもあってか、あるいは高萩が要所で汚いファウルで止めにくるせいか、そんなソウルに対して浦和は前3人へ縦パスがほとんど入れられずに苦戦。低調な出来だった大宮戦・新潟戦を引きずるかのように、この日もわずかにパスがずれたり、タイミングが合わなかったりして危険な形でのボールロストが目立ちました。また遠藤や西川がプレゼントパスを犯してしまう場面もあって、自然カウンターを浴びる場面が増えてしまいました。

・前半最大のピンチは39分ダムヤノビッチからの縦パスでアドリアーノに裏に抜け出された場面。遠藤がなんとか戻って足を出したのが効いたせいか、シュートは枠外。その前にも26分遠藤がエリア内でアドリアーノに入れ替わられてシュートを浴びる一幕も。

・中央突破が全く形にならない反面、それなりに有効だったのがサイド攻撃でラッキーな先制点もその一環。森脇→宇賀神と大きく振って、宇賀神が武藤へワンタッチで折り返すという浦和得意の攻撃パターンが運よくゴールに直結。その後も前半武藤→関根→李という決定機も。また立ち上がりに宇賀神から斜めに興梠へパスが入り、興梠が遠目から枠内シュートという場面もありました。

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・後半に入っても関根や宇賀神、さらにサイドに流れた興梠からクロスを入れる場面がありましたが、いずれもシュートに至らず。素早いリスタートで関根がエリア内に飛び出す絶好機がありましたが、これはシュートを撃ちきれず。

・追加点を奪いたい浦和は低調な出来に終始した武藤を早々に諦めて駒井をシャドーへ投入。いつもなら武藤に代わって入るのはズラタンか梅崎ですが、あえて駒井を入れたのがミシャらしからぬ妙手。駒井はカウンターの好機に単騎ドリブルで仕掛けて自らフィニッシュという見せ場を作り、カウンターでソウルに脅威を与えるのに一役。

・宇賀神が足を攣ったこもあってか、71分ソウルが長身FWシムウヨンを入れた直後に満を持してズラタン投入。ソウルは当然ながらロングボール攻撃、ハイクロス攻撃が増え始めましたが、浦和はハイボールで競り負けてもそのセカンドボールをいち早く拾うことでなんとか対応。セットプレーからの流れでオスマルに際どい一撃を浴びるピンチがありましたが、ここも槙野が諦めずに寄せてシュートは枠外。

・セカンドボールを拾った浦和はカウンターで何度か反撃するも、途中手数をかけすぎるのか、あるいはソウルの帰陣が早いせいか、とにかくシュートで終われない。無理にシュートを撃ってその跳ね返りからカウンターを喰らうのを恐れたのかもしれませんが、あんまりなシュートの撃てなさ加減を見ると、ある程度独力でシュートまで持って行ける駒井をミシャが最初にシャドー要員として選択したのも頷けます。

・そうこうしているうちに関根も足を攣ってしまい、やむなく梅崎を投入せざるを得なくなったのはミシャにとって誤算だったかも。シムウヨン対策としてイリッチを入れられなくなったのでミシャはなんとズラタンを後方に下げてハイボール跳ね返し要員に。

・全くミシャらしくないというか、ミシャに「守れ!」のコマンドがあること自体驚き。しかもズラタンも跳ね返し要員として十分機能したとはいえず、セカンドボールも拾えなくなった挙句、AT投入直前にエリア内でボールを繋がれてアドリアーノにシュートを撃たれてしまいましたが、シュートは西川の正面で事なきを得。

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-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:14分 宇賀神

65分 武藤→駒井
72分 宇賀神→ズラタン(駒井が左WBへ)
81分 関根→梅崎(梅崎が左、駒井が右WBへ)

・この日のスタメンはリーグ戦と全く同じ。これまでACLではズラタンや梅崎をスタメン起用してきましたが、ここでリーグ戦仕様を採用したのが少々不思議。しかも大宮戦・新潟戦の試合内容が芳しくなかったのに、あえてリーグ戦仕様にする理由はないかと。特に武藤は途中交代が多いとはいえ心身とも疲労著しいようで、危険な位置でのボールロストが多く、スタメン起用できるレベルにはなかったように思いました。

・一方イリッチが珍しくベンチ入り。那須が出場停止の上、永田も加賀も小破しているようで、これは窮余の策。高さ勝負を仕掛けてくる相手にイリッチの出番がないのなら、今後どこで使うんだろう???

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