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2016.05.28

【展望】16年1st第14節鳥栖戦

・過去経営難で潰れかかったことがあるのが嘘のよう。J1も5年目で強力なスポンサーも付いて、今や戦績・財政規模とも事実上「九州の盟主」にのし上がった感のある鳥栖。

・ただ2014年半ばのユン・ジョンファン監督謎の退任劇を機に監督選びで迷走を繰り返したのが祟ってか徐々に成績を下げ、今年はとうとう残留争いに巻き込まれそうな状況に追い込まれた模様。

・昨オフにはとにかくやたら練習が厳しい(合理的かどうかはともかく)ことで知られるマガト招聘を試みたものの条件が折り合わずに破局。

・とはいえ、その代わりに守備構築に定評がありFC東京(以下「瓦斯」)で実績証明済みのフィッカデンティ監督(俗称「ふっかちゃん」)の招聘に成功したので結果オーライと思ったのですが、意外や意外ふっかちゃんは鳥栖では完全にスタートダッシュに失敗。

・監督が決まるのが年明けと遅かったので、ふっかちゃんの希望する選手補強が全然できなかったのが成績低迷に繋がっているのかもしれません。今年は水沼(FC東京)、藤田(神戸)の中盤の主力が2名流出。獲得した選手でJ1で実績のあるのは楠神(C大阪)と藤田(柏)ですが、楠神はリーグ戦で全く出番なく、藤田はスタメンを確保しているものの右SBなので抜けたポジションの穴埋めになっていないというチグハグ加減。

・ふっかちゃんは守備構築に定評がある反面、攻撃には見るべきものがほとんどなく、瓦斯でもセットプレー頼みの色彩が濃厚でした。セットプレーに強みがある鳥栖はふっかちゃん向きと思われたのですが、肝心のプレースキッカーが2名とも流出。おまけに藤田のロングスローもチャンスメークに役立っていたので、その流出は鳥栖にとって大打撃。今は一応キムミヌがFKを蹴っていますが。

・流れの中からはサイドでちまちまボールを繋いでのクロス攻撃一辺倒。左SB吉田や右SHキムミヌからのクロスに活路を見出しているようですが、如何せん攻めが遅くて相手の守備ブロックが出来上がってから攻めている有り様なので、なかなか豊田まで良いボールが入りません。瓦斯時代はどちらかといえば素早いカウンターを得意にしていたはずですが、武藤(じゃないじゃないほう)に相当するCFがいないので諦めているのかどうか???

・また瓦斯時代は太田のアーリークロスを多用していたかと思いますが、鳥栖では太田並のクロス精度を期待できないためか、そういう場面はほとんど見られず。元来鳥栖は「最終ラインからいきなり豊田目がけてのロングボール&セカンドボールを拾っての連続攻撃」を得意としていたはずですが、ふっかちゃんはそういうのを禁じ手にしているみたいで、鳥栖は良く言えばスマート、悪く言えば無骨ゆえの怖さがないスタイルになってしまいました。

・よって瓦斯時代ですら貧打が顕著だったふっかちゃんは鳥栖では全くと言っていいほど点が取れず、リーグ戦12試合を終えて総得点わずか7とウタカどころか大久保、シモビッチ一人にすら及ばない惨状。しかもリーグ戦ただいま4試合連続無得点。

・フォーメーションは瓦斯時代と変わらず4-3-1-2。3ボランチを中心に選手を組織的にボールサイドへ寄せて網でボールを絡めとるような守備が持ち味なのも同じ。ただ米本のような選手がいないせいか、寄せに鋭さを欠いている気がしないでもありません。総失点13は下位チームでは最もマシですが、如何せん点が取れないので選手がバテる終盤に耐えきれずに失点して負ける、あるいは同点に追いつかれるのがいつものパターン。

・またふっかちゃんは瓦斯時代からなぜか浦和を極端に苦手にしていて、昨年は2試合とも大量失点。だからといって何か特殊な浦和対策を講じられるチーム状態ではないと思いますが。

・前節大宮戦でキムミヌが小破し、ナビスコ杯にはベンチ外となりましたが浦和戦への出場可否不明。欠場ならただでさえ乏しい攻め手を一段と失うことに。また鎌田がU23トゥーロン遠征で不在でトップ下の最適任者がいない格好。

・浦和はソウルとの120分間の死闘を経て中3日。鳥栖も水曜にナビスコ杯があって、豊田以下主力の半数が出場していましたが、如何せんACLとナビスコ杯では試合の強度が全然違うのでコンディション面で浦和の不利は免れません。おまけに2度にわたって勝利寸前まで行きながらの敗戦というショッキングな結末ゆえ、気持ちの切り替えが上手く行かない選手もいるかと思います。

・よって鳥栖戦はミシャといえどもスタメンをいつものリーグ戦仕様から多少いじらざるをえないでしょう。武藤→ズラタン、宇賀神→梅崎、遠藤→那須、阿部→青木くらいは普通にあって然るべきだと思います。

・条件がイーブンであれば負ける相手ではないはずですが、心身の疲労&メンバー入れ替えに伴うコンビネーション不全で浦和のパフォーマンス低下も必定ゆえ、苦しい一戦になりそう。ただこういう試合をものにしてこそ、ソウルでの苦杯も無駄ではなかったということになるかと。

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<前節:鳥栖 0-1 大宮>

---岡田--豊田---
-----ペクソンドン---
-チェソングン-高橋-キムミヌ--
吉田-谷口--ミンヒョク-藤田
------林-----

33分 キムミヌ→岡本(負傷交代) ※フォーメーションを4-4-2へ変更
64分 岡田→富山
82分 チェソングン→池田

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