【観戦記】16年1st第14節:鳥栖 0-0 浦和 ~ やり切った感がしない何もない試合
・90分間およそ点が入る気がしないまま、ただただ時が流れていっただけ。全く見どころがない強烈な塩試合でした。良かったことといえば一日降り続いていた雨が試合中だけ止んでいた時間が長く、ずぶ濡れにはならずに済んだことくらい。
・ソウルとの120分間の激闘、しかも勝利を目前にしながらPK戦で敗れるというショッキングな結末から中3日なので、選手は心身ともに疲労困憊していたでしょうから、この試合に内容を求めるのはおよそ無理があります。そんな状況下でも勝ち点1が取れたことで前向きに評価してもいいのかもしれません。
・しかし、「出来ることを精一杯やった結果としての勝ち点1だったのか?」となるとかなり疑問符が付きます。無論選手に出来不出来はありましたが、選手を責めるつもりはありません。一方、この試合についてはミシャに相当不満が残りました。
・スタメンはソウル戦と全く同じ。これだけでも開いた口が塞がらない級の悪い意味でのビッグサプライズだったのに、なんと交代枠を一つ余して試合終了。「怒りのの三枚替え」みたいな選手交代が早すぎる性癖があるミシャが交代枠を余らせたまま試合を終えるなんて非常に珍しい話。戦況は悪くない、あと一歩で押し切れそうなのであえて選手を変えないのなら納得できますが、この試合は誰がどう見ても膠着状態のまま終盤を迎えてそのままスコアレスドロー。
・よって全然やり切った感がしない試合の勝ち点1を高く評価することはできません。むしろ先々悔いが残りそうな試合になりそうな気がします。
・昨年も終盤戦に自陣で守備を固める鳥栖を攻め倦んでの1-1の引き分け。豊田も藤田もいない鳥栖に何とも淡白、何とも気迫に乏しい攻めに終始し、勝利への執念を見せることなく淡々と試合が終わってしまったのが何より残念でした。個人的には昨年勝ち点1位を逃した主因はG大阪戦@万博の敗戦ではなく、この鳥栖戦の実にしょーもないドローだと感じており、それと同じような臭いがこの試合から漂っているような気がしてなりません。
・中3~4日の連戦が続いた4月はACLとリーグ戦で多少面子を入れ替えて上手く連戦をこなしていたのですが、5月になってリーグ戦2試合順延もあって多少スケジュールが開いたせいか、大宮戦以降リーグ戦仕様でスタメン固定。
・「勝っているチームはいじらない」ならともかく、負けてはいないが内容は良くない試合続きなのにスタメン固定とはいったいどういう了見なのか?「レギュラー陣重用→サブメンバーとの力量差拡大→レギュラー陣重用」の悪魔のサイクルがもたらすレギュラー陣の疲弊で、今年は早々と失速してしまう予感ムンムンのただただ残念な試合でした。
-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----
58分 関根→駒井
71分 興梠→ズラタン
・開始10分くらいから2トップも自陣に下がって5-3-2の形で守る鳥栖を最後まで攻め崩せず。サイドチェンジを繰り返して鳥栖の3ボランチを左右に振り回し、槙野&森脇を共に高く上げてサイドからの打開を試みたり、前半は遠藤が自ら持ち上がったりしてはみましたが、如何せんお疲れで肝心なところでパス精度を欠いたり、タイミングがわずかに合わなかったりしてやることなすことまるでダメ。
・ゆったりと鳥栖守備ブロックの前で同じようなテンポでボールを回すだけの時間がやたら長く、急にテンポを上げてパス交換なりフリックなりで中央で打開を図ろうにも3本、4本とパスが繋がらない惨状ではどうにもならず。
・サイドチェンジして、鳥栖SHの加勢が間に合わないうちに浦和WBが対面の相手をぶち破れればいいのですが、この日も両WB、特に関根が不振で何もできず。
・わずかに得点の気配があったのは駒井投入直後の10分くらい。柏木が鳥栖最終ラインの裏へ飛び出したり、逆サイドでフリーになっている宇賀神へボールが渡ったりしましたが、いずれも決定機には至らず。宇賀神→梅崎でもうひと押しと思ったのですが、ミシャは謎の沈黙。
・良いところなしの興梠→ズラタンの交代も妥当ですが、誤算は肝心のズラタンの出来もさっぱりだったこと。こういうのを見るともう浦和は悪魔のサイクルにずっぽり入ってしまったのかも。
・この試合であえて良かった探しをすると、何度もしょーもないパスミスやコントロールミスでカウンターを喰らいかかりながらも素早く攻守を切り替えて鳥栖にほとんどシュートを撃たせなかったこと。お疲れながらも守備意識だけは高く保たれていていました。レギュラー組とベンチ組の決定的な差異はおそらくこの点なのでしょう。この日梅崎に出番がありませんでしたが、ソウル戦延長開始早々の失点の主犯になったのが高くついた気がします。
・もう一つ良かった探しをすれば、右CKを武藤が蹴ったこと。2回遠藤にあっていて、ほんのわずかながら浦和のセットプレーに光明が(苦笑)。
---早坂--豊田---
ペクソンドン----チェソングン
---福田--高橋---
吉田-谷口--ミンヒョク-藤田
------林-----
8分 早坂→富山
81分 ペクソンドン→菊地(菊地がCBに入って完全に5バック化)
・鳥栖は前節故障したキムミヌがベンチ外となり、さらに鎌田がU23トゥーロン遠征で不在で中盤の駒を欠いているせいか、いつもの4-3-1-2ではなく、基本4-2-2-2。但し、守備時は右SHチェソングンが下がって5-3-2に。
・カウンター狙いは明々白々でしたが何分ボールを奪う位置が低い上に、カウンターを発動する最初のパス精度が低くて勢いを殺ぎがちで、攻撃は全くと言っていいほど形にならずシュートはたった3本。チャンスらしいチャンスといえば、前半30分くらいにパス交換で浦和右サイドをペクソンドンが深く抉ってのクロスがあったくらい。
・終盤キムミンヒョクが足を攣り、用意していた菊地に代えるのかと思いきや、なんと代えたのは同じく傷んでいたペクソンドンのほう。菊地は最終ラインに入ってチェソングンが下がらなくなり、本格的な5-3-2を組成=完全に引き分け狙いに。
・もともとまともなプレースキッカーがおらず、この日も誰がFKを蹴るのかチーム内で意見がまとまってないような場面もちらほら。そしてこの日キッカーを務めていたペクソンドンをも代えてしまったので、終盤FKの好機を全く活かせず。セットプレーで点が入る気がしない浦和も困ったものですが、それより酷いのが今の鳥栖。前半は鳥栖CKからしっかりカウンターを喰らう始末で、周囲の鳥栖サポから乾いた笑いが。
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