【展望】16年1st第12節新潟戦
・浦和の状態がどうであれ、毎年毎年勝ち点6を配給してくれるのが新潟。試合内容でどんなに新潟が圧倒していても、終わってみれば勝ったのは浦和。どうしてそうなってしまうのか不思議ですが、極端に相性が良いのは確かです。
・新潟は2年間連続で二けた順位に終わった柳下監督をとうとう諦めて、柏をたった1年で退任したばかりの吉田監督を招聘。
・元来カウンターが持ち味で、柳下監督のもとでも「前目からの積極果敢なプレッシング&ショートカウンター」を最大の武器にしていたのに、ポゼッションを重視する吉田監督へスイッチするのは個人的には甚だ疑問でしたが、どうもその危惧は当たりだったようで目下勝ち点9の暫定15位。第5節福岡に勝って以来2分4敗と6戦勝ちなしで、さらに浦和&川崎戦が続くという厳しい状況です。
・新潟不振の主因は明らかで失点が多いこと。ここまでの総失点20は湘南と並んでJ1最悪。神戸に6点取られたのが響いていますが、それ以外の試合でも複数失点が目立ちます。もっとも昨年も失点が非常に多かったので、失点の多さは監督交代とはあまり関係がないのかもしれません。
・柳下監督のもとで新潟は「ジュビレックス化」が進みましたが、柳下監督退任と共に昨年の主力だった大井と山本康が磐田へ戻ってしまうという判りやすい構図には思わず苦笑。
・代わりにJ1で実績がある選手の補強はなく、移籍ウィンドウ終了間際に野津田(広島)がレンタルで転がりこんできたくらい。他に酒井(福岡)や小塚(山口)からレンタル先から戻ってきたのが目立つくらい。しかも野津田を含めて新戦力は現状ほぼベンチスタートなので、スターターの戦力は昨年よりダウンしていると断じざるを得ません。戦力ダウンの上に、過去の系譜とは連続性がない監督を招聘したとなるとシーズン序盤の苦戦は自明の理。
・また運が悪いことにFWラファエル・シルバが離脱中。どんなにチャンスの山を作っても決め手に欠けるのが柳下監督時代の新潟の悩みでしたが、チーム得点王を欠くとなると吉田監督も同じ悩みを抱えそう。柏でもボールは良く回るが結局のところクリスティアーノに仕上げてもらわないとどうにもならなかった感じでしたし。達也が積極的にミドルシュートを撃ってきますが、シュート精度に難があるのは浦和晩年から変わりなし。
・フォーメーションは4-1-4-1と4-2-2-2を併用。吉田監督は柏では極端なまでにポゼッション重視でしたが、さすがに新潟ではかなりカウンターの色彩を強めていてやや芸風が変わった感じも。ただ相手に守備ブロックを固められるとエリア内に入る術がないみたいで。
・なお吉田監督は柏での前回対戦時は基本4-1-4-1。守備時はアンカーが最終ラインに下がって5-2-3、さらにWGも下がって5-4-1の格好で高めの守備ブロックを形成してのカウンター狙いに徹して来ました。
・しかし、新潟は運動量豊富な加藤や達也を代表格に前からどんどんプレッシャーをかけるのが持ち味で、それは前監督時から変わっていません。前節大宮の善戦にならって4-4-2、あるいはより積極的に4-2-4みたいな格好で浦和のビルドアップを封じに来る可能性が高いと思います。
・浦和は中3日でFCソウルとの大一番が控えていますが、特にメンバーを弄るようなことはしないでしょうなぁ。新潟は達也が電池切れで交代を余儀なくされた辺りから急激に失速する傾向にあるので、スコアレスのまま時が流れても変に焦りさえしなければ必ず勝機があると思います。
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<前節:新潟 0-0 G大阪>
---山崎--平松---
達也--------加藤
---レオシルバ-小泉--
前野-大野-増田-舞行龍
-----守田-----
78分 山崎→端山
80分 達也→伊藤
90+1分 平松→酒井
・中3日での連戦を考慮してか、その前の鹿島戦からスタメン4人入れ替え(コルテース→前野、大野→舞行龍、野津田→平松、指宿→山崎)。但し、指宿は腰の違和感でベンチ外とのことで浦和戦の出場可否は不明。
・他にSB松原、FW鈴木武蔵が故障長期離脱中。
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