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2016.05.26

【TV観戦記】16年ACL ラウンド16 第2戦:ソウル 3-2 浦和(PK7-6) ~ 死闘の末にPK戦で散る

・延長後半でいったん逆転に成功。ATも残り1分を切ろうかというところまで行きながら耐えきれずに失点してPK戦へ。PK戦でも5人目西川が決めていれば浦和勝ち抜けというところまで行きながら結局敗戦。2度も勝利を掴みかかりながら掴みきれなかった浦和。120分の死闘を繰り広げた選手及び監督・スタッフには悔やんでも悔やみきれない敗戦だったと思います。

・ただ浦和の実力がソウルを凌駕していた、間違いなく勝てた試合だったかとなると甚だ疑問。後半半ば以降になって浦和がようやく何度か決定機を掴み、それを決めて90分のうちに同点に追いついていれば勝てたという見方もあるでしょうが、それ以上に浦和に致命的なミスが多く、追加点を取られずに済んだことが奇跡的といっていいくらいの試合内容。西川の奮戦でなんとか1失点のみで凌いだものの概して内容は芳しくありませんでした。

・とにかくこの日の浦和は致命傷になりかねないミスが多かった。最初の失点は遠藤のトラップが流れてアドリアーノに掻っ攫われたのが主因。後半開始早々には縦ポン一発でダムヤノビッチに簡単に最終ライン裏へ抜け出させる一幕も。また後半終了間際にもカウンターのピンチであまりに淡白な対応で抜け出しを許して大ピンチに。

・それ以外にも自陣で横パスをカットされたり、不用意すぎるボールロストでカウンターを喰らう場面が頻発しました。阿部を含めて最終ラインの面々はACL・リーグ戦とも使い詰めを強いられて疲労困憊なのでしょう。

・また攻撃陣も後半半ばまで全くと言っていいほどいいところなし。特に武藤の不振は深刻で、サイド攻撃を封じられて中央からなんとか打開するしかない浦和にとって前三人のコンビネーションもイマイチかみ合わないようではどうしようもありません。もっとも武藤の不振はこの試合に限ったことではなく、この数試合いいところなし。武藤もACL・リーグ戦とも出ずっぱりで、ミシャは試合の流れとは関係なく後半早めに交代させて武藤のコンディション維持に努めて来たようですが、それも限界に来たのでしょう。

・武藤を早めに見切らざるを得なくなったのが主因となって浦和は90分、しかも早目の時間帯に3枚交代枠を使い果す羽目になった一方、ソウルは1枚交代枠を残したまま延長戦へ。否が応にも昨年のCS準決勝を思い起こさせる展開になってしまった時点で浦和の不利は免れず。

・もっとも延長突入で一見有利になったはずのソウルが最後に長身FWシム・ウヨン投入で試合を決めたわけではないどころか、一時は逆転を喰らっているので、ミシャの早めの選手交代が失敗というのは結果論すぎると思いますが。

・攻勢の終末点。ラウンド16で浦和の体力はついに尽きた。端的に言えば、そういうことなのでしょう。これより先へ進むには信頼しうる駒が攻守とも1枚ずつ足りなかった。紙一重の差での敗戦だけれども、突き詰めれば浦和の力不足。捲土重来を期すべく今年のリーグ戦に全力を注いでもらいたいものです。

-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:(浦和)112分 李、115分 李
   (ソウル)29分 ダムヤノビッチ、94分 アドリアーノ、120+2分 コ・ヨハン

HT 武藤→ズラタン
62分 関根→駒井
74分 宇賀神→梅崎

・この試合のポイントはチェ・ヨンス監督がオスマールを3バックの左CBに配したこと。第1戦ではオスマールがアンカーにいて浦和の縦パスを悉く封じていたのでこの配転はラッキーと思ったのですが、チェ・ヨンスは浦和のストロングポイントはサイドで、中央はたいしたことないと見切っていたのかもしれません。

・そしてチェ・ヨンスの策は見事に奏功して浦和のサイド攻撃は梅崎投入あたりまでほとんど機能せず。一方、第1戦よりは縦パスは入るようにはなりましたが、武藤の不振も相まって前半は全く何もできずに終了。ソウルのミスに乗じて高い位置でボールを奪取する場面も何度かありましたが、ソウルの帰陣が早いというか、浦和の攻めが遅いというか・・・

・前半から飛ばし気味だったソウルの足が止まりだした後半半ばになってようやく浦和が何度か決定機を掴みましたが、柏木→興梠は合わせきれず、梅崎→遠藤は惜しくもブロックされ、梅崎→ズラタンはわずかに枠外。いずれもソウルGKがびびるような場面ではなく、「あれを決めていれば」と言えるかどうか微妙。

・浦和得意のサイド攻撃が炸裂したのは延長後半に突入してから。槙野→駒井→李、ズラタン→梅崎→李といずれも両サイドを広く使う、あるいは中から外へ展開するミシャの得意中の得意パターンで実に惚れ惚れするもの。特に李の1点目はこの試合どころか今年初めて駒井のサイド攻撃が結実したもので、これで駒井は自信を持っていいと思います。PK失敗の責任を重く受けとめている駒井ですが、それ以上のものをこの試合で掴んだといって差し支えないかと。

・攻撃面で「ああ、ミシャサッカーを続けてきたのは間違いなかった!!」と確信させてくれた一方、失点は実にお粗末。最後の最後でカットインしてきたコ・ヨハンに梅崎も阿部も付ききれずにゴラッソを喰らったのは個々人の頑張りでなんとか糊塗しているに過ぎない浦和の守備(=個々人がお疲れになった時点でおしまい)を象徴したもの。

・さらに延長前半の失点はさらに酷く、梅崎がなぜか前に残ったまま&柏木も付ききれずに浦和左サイドでパク・チュヨンにどフリーで抜け出されたところで勝負あり。その前にバイタルエリアでチュ・ゼジョンへの寄せが甘くて簡単にスルーパスを許すのもどうかと思いますが。

・西川はPK戦苦手なのかな? ユ・サンフンがコースにきっちり反応してあと一歩でセーブという場面が何回かあった一方、西川は逆を突かれる場面が少なくなく、枠外だったオスマールを除いて全くのノーチャンスのまま。5人目のPKを失敗したことは責められません(=西川よりPKに自信がある選手がいなかった)が、PKストップの見せ場がないどころかかすりもしないのは残念でした。もっとも西川でなければ90分で負けていた試合なので、PK戦ばかり取り上げるのは本末転倒でしょう。

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