【観戦記】16年1st第13節:浦和 3-2 FC東京 ~ 浦和の状態がどんなに酷くても毎度毎度勝ち点をくれるFC東京の心配りに感謝!!!
・あんまりな前半の試合内容、そして後半頭から「ララ浦和」のロングコール(=良い思い出が全くない)をやりだしたことで正直心が折れていました。試合終了後に李が「今日このスタジアムの中で、この試合、2点ビハインド、諦めていた人いますか?」と語っていましたが、率直に「はい」と認めざるを得ません。後半早々のムリキのシュートがポストに当たる場面がありましたが、あれが入っていたらその時点で事実上試合終了だったでしょう。
・ただ冷静になって振り返れば、前半の浦和の試合内容が糞だったのは事実ですが、それは「おいおい今日は何点取られるんだよ!」という不安からであって浦和がノーチャンスではなかったのは確か。ゆえに運良く3点目を取られさえしなければ同点くらいには持って行けるかもしれない。そんな希望的観測を胸に選手達は粘り強く闘っていた一方、こちらは3点目を取られるのも時間の問題だろうと半ば以上諦めていたわけで、このメンタルの弱さは大いに反省しなければなりません。今更どうにもならないとは思いますが(自嘲)。
・FC東京(以下「瓦斯」)はムリキ&ネイサンと珍しく外国人FWを二人並べただけでなく、中盤に守備的な選手をずらずら並べて高い位置からガンガンプレッシャーをかけての露骨なショートカウンター狙い。そしてそのミエミエの瓦斯の狙いに進んで嵌りに行くのが今の浦和。阿部のボールロストをきっかけに米本→ネイサン→ムリキと手数をかけずに瓦斯が早々に先制。
・さらに衝撃的だったのは2失点目。前目でボールを奪えずにフリーで徳永に展開され、パスを出した先のネイサンバーンズをなんと4人がかりで潰しに行ったにも関わらずボールを奪いきれないというザルっぷり。疲労で守備陣の強度が著しく落ちているのでしょう。こぼれ玉が橋本に渡ったのは不運といえば不運ですが、そもそもネイサン対応に人数をかけすぎて橋本がフリーになる状況を自ら作っているのですからどうしようもありません。
・それ以外にも羽生→ムリキ→ネイサンで簡単に裏を取られたり、お約束の何の可能性もない浦和CKからカウンターを喰らう場面もあって、いつでもどこからでも失点する気配濃厚。タイトな日程なのは浦和も瓦斯も同じはずですが、瓦斯はやることがはっきりしているせいか前半は概して出足が良く、球際にも強く、攻守の切り替えでも浦和に勝っているように思いました。衝撃の3連敗ですっかり心がすさんでいるのに、このあんまりな内容で後半に希望を持てというのが無理というもの。
・ただ3連敗後の試合でさえなかったら、前半の瓦斯の守備も結構怪しく、浦和がそこそこチャンスを作っていたことにもうちょっと希望を見出していたかもしれません。失点前に森脇→興梠ヘッドの絶好機があった他、失点後もこぼれ玉を拾った武藤が裏抜けに成功したり、宇賀神→李→武藤→エリア内で関根シュート、さらには阿部がミドルシュートを放つ場面もありました。
・瓦斯は浦和にボールを持たれて押し込まれた時の対応が意外にいい加減。きっちり4-4-2なり5-4-1なりの守備ブロックを作るわけではなく、両SHが浦和WBに釣られて出たり下がったりして時折6バックぽくなったりしているうちに最終ラインの前がグダグダ、スカスカになってしまう場面が散見されました。
・それでも動きが浦和に勝っていた前半はなんとか凌げましたが、後半も半ばに差し掛かってくると瓦斯の足も止まりがちになり。人数がいるだけで棒立ちも同然という有り様に。そしてミシャが駒井&梅崎とそこそこ動ける選手を入れて前線の活性化を図り、しかもそれが奏功したのに対して、城福の選手交代はどれ一つとして何の役にも立たず、運動量を回復できないテイタラク。
・特に徳永を下げたのが謎で、ただでさえ瓦斯左サイド小川が駒井に大苦戦しているのに、徳永がいなくなって左右ともヤバくなってしまいました。橋本のSBは戦前予想通り穴。
・浦和の1点目は柏木CKからの流れ。右サイドに流れた興梠→槙野ヘッド。槙野にはかろうじて丸山が付いていましたが、槙野の前後に李と阿部がフリーで飛び込んでいて森重は行方不明。瓦斯の堅守ってなんなん?と首をひねらざるを得ない惨状でした。
・2点目は遠藤が大きく右サイドへ展開→駒井→李スルー→エリア内中央で興梠ポスト→槙野というミシャらしい攻撃が嵌ったもの。槙野のシュートが見事ですが、それ以前に瓦斯の最終ラインが浦和のパス回しに付いてゆけなくなっていることを象徴した場面でもあり。
・3点目は柏木FKからの流れ。こぼれ玉を拾った阿部のシュートがバーを直撃し、その跳ね返りがたまたまそこにいたとしか言いようがない李の胸に当たってゴールというこの上なくラッキーなもの。いったん流れが良くなるとこんなものなんでしょう。
・後半立ち上がりにも柏木CK→遠藤→武藤という決定機があり、この日は今年の浦和には珍しくセットプレーの流れから得点機が生れました。
・後半の瓦斯は米本→ネイサン→ムリキの決定機があった他、ムリキが前に出ていた西川の頭上を抜こうとループ気味のシュートを放ったのが惜しかったくらいで、その後はチャンスらしいチャンスを作れず。相手が自爆しなければ点が入らない、自ら仕掛けて点を取ることはできない瓦斯のあんまりな貧攻ぶりを如実に示し、へろへろな浦和でも楽々逃げ切り。
・文句なしの試合内容で前半2点先制しながらのまさかの逆転負け、しかも監督の采配がかなりの部分寄与した逆転負けで、またしても城福のメンタルが大崩壊しなければいいのですが・・・ 1点も取れなくてウノゼロの敗戦なら瓦斯の仕様通りなので諦めもつくでしょうが、守備が大崩壊しての敗戦は瓦斯の仕様にはないでしょうから城福には堪えるでしょうなぁ(苦笑)
-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----
得点:66分 槙野、72分 槙野、78分 李
58分 関根→駒井
63分 武藤→梅崎
77分 宇賀神→ズラタン(梅崎が左WBへ)
・大胆なターンオーバー、大胆な選手起用が裏目に出て連敗したことを気に病んだのか、この日のスタメンは前節から駒井→柏木の入れ替えのみって、前節とても試合に出れる状態ではなかった柏木を無理使いして墓穴を掘ったばかりなのに柏木をスタメンで出すか、フツー・・・
・1失点目、いとも簡単にボールを失った阿部もさることながら、この日は遠藤のパス精度が劣悪で何度もカウンターのピンチを招く始末。広島戦もそうですが守備がいかにも軽かったり、おかしな応対も散見されたりして、もはやとてもスタメンで使える状態ではないように見受けられました。五輪代表どころかA代表にも呼ばれて休む暇がなかったのがこの惨状を招いたのは明らか。
・もっとも出来が悪いのは遠藤に限ったことではなく、最終ラインも両ボランチもほぼ壊滅状態といって差し支えないくらい。鉄板の固定スタメンに復して勝ち点3を拾ったのはいいとしても、中2日で迎える神戸戦はどう乗り切るつもりなのだろう?
・両WBや前目はなんだかんだとターンオーバーしたり、途中選手交代があったりして後ろ目よりはコンディションがマシなよう。武藤が目に見えて復調しており(その武藤を真っ先に下げるのが不思議ですが)、興梠も決定機でシュートが枠に飛ぶようになり、2アシストを決めれるようになってようやくドン底から抜けつつあるのかも。
---ムリキ---ネイサン---
羽生--------橋本
---米本--高橋---
小川-丸山--森重-徳永
-----秋元-----
得点:13分 ムリキ、31分 橋本
63分 ネイサン→前田
67分 徳永→河野(橋本が右SBへ下がる)
76分 羽生→田邉
・スタメンからネイサンバーンズとムリキの2トップという組み合わせは初めてだと思いますが、これが予想以上に出し手・受け手として機能。浦和が自爆ボタンを押すたびに確実にフィニッシュにまで持って行く力があり、そのままで何の問題もなかったはずですが、何を思ったのか城福は後半早い時間帯にネイサンを下げて前田を投入。前田はその後何の役にも立たずじまいで、浦和にとって大助かりな城福の大失着。
・J3ですらさして点が取れず、「もはやムリキは無力」と侮っていましたが、どうもあんまりな浦和守備陣がムリキの覚醒を促してしまったようで、とうとうJリーグ初ゴールを献上。次回対戦時には一段とパワーアップしているかもしれません。
| 固定リンク