【展望】16年1st第16節広島戦
(広島の現状)
・未消化試合はなく、勝ち点23(6勝5分4敗)の5位。スタッツを見ると例年守備が堅い広島にしては珍しく失点が多い(リーグ戦総失点16)のが目に付きます。大崩れはしないものの連勝も2連勝が2回だけ。また川崎・鹿島・G大阪・柏と上位陣には分が悪く、勝ったのは大宮だけ。
・ACLは毎度毎度の手抜き工事風でいきなり連敗スタートだったのが響いてグループリーグ敗退、しかも1試合余しての敗退決定というお約束っぽい結果に終わりました。勝たないと先がない第5戦山東戦ですら主力大量温存で臨んで案の定敗戦。毎年のこととはいえ、ACLをナビスコ予選同然のチーム力底上げの場と割り切ってしまう広島の姿勢には苦笑を禁じ得ません。
・多少広島に同情すべきところを指摘すると、開幕してまもなくCB佐々木が負傷して長期離脱を強いられた上に、FW浅野も故障。おまけに主力に寿人、ミキッチ、森崎和など無理が効かないベテラン選手がいるので、どうしてもACLが手抜き工事風になってしまうのだろうとは思いますが。
・浅野は戦線に復帰したもののU23でちょろちょろ抜けがちな上、今度はミキッチが故障離脱。
・長期離脱中の佐々木に代わって水本がスタメン出場。昨年は水本がレギュラーで佐々木が控えという位置づけだったので、水本がスタメンで出ても本来何の問題もないはずですが、今年の水本の出来は芳しくなくてしょっちゅう最終ラインに大穴を開けて、これが失点増の主因になっている気がします。しかもその水本が前節FC東京戦の直前に故障して全治2カ月。
(戦力)
・昨年まさかの大ブレイクでリーグ優勝の原動力になったドウグラスは徳島からのレンタルだったのが祟って中東へ流れてしまいましたが、その代わりに獲得したウタカがこれまた大当たり(清水での出来を見るとウタカが当たる可能性はドウグラスよりはるかに高いと予想していましたが・・・)。ただウタカもレンタル移籍で、しかも清水との契約を更新した直後にレンタルに出された経緯があるので、また今オフに一波乱あるのは間違いなし。
・なお今年は寿人の出番が激減しており、浅野も相変わらず途中出場止まりなので、ウタカは1トップで起用されています。
・他に京都から宮吉を補強。ACLでの慣らし運転(!)を経て、第14節からとうとうシャドーでスタメン出場。リーグ序盤は昨年CWCで突如ブレイクした茶島がシャドーでスタメン起用されていましたが、宮吉が茶島からスタメンを奪取した模様。シャドーのもう一角は柴崎が不動なので、完全に出番がなくなった野津田は出番を求めて新潟へ移籍(新潟でもほぼ途中出場止まりですが)。
・ミキッチは連戦が効かないのでWBの層を厚くすべく山形からキム・ボムヨンを補強しましたが、こちらは未だリーグ戦出番なし。昨年出番が激減した山岸を放出したのでWBは柏&清水で固定せざるを得なくなっています。
・さらに佐々木に続いて水本も故障したので、左CBには宮原を起用。宮原はリーグ序盤に森崎和の代わりにボランチでスタメン出場しており、昨年は塩谷の代わりに右CBで出場機会を得ていましたが、左CBでの出来も悪くはない模様。
(戦術)
・お得意様だったはずの広島に対して昨年はとうとう1分1敗と勝ちなし。
・広島の出方も判り切っていて、5-4-1のフォーメーションで徹底して引いて守ってのカウンター狙い。前半はスコアレスどころか1点ビハインドくらいなら全然問題なしとまで割り切って、終盤浅野を投入してから一気に寄り切りみたいな。
・もっともこの広島の手口は浦和戦に限ったことではなく、多かれ少なかれどの試合も同じ。実に堅実で勝ち点は稼げるが興行性に乏しくて、これじゃ客は増えないだろうとは思いますが、それに勝てないようでは負け惜しみというか単なる愚痴に過ぎないわけで。
・前述のように広島は主力に怪我人が続出していて、森保監督は苦しいやり繰りを強いられています。森保監督もどちらかといえばミシャと同じスタメン固定型で、前節交代枠を一人余らせて終わったところを見ると信頼できる駒は既に尽きており、3連戦でもローテーションをかけるにかけられないのかもしれません。
・ただ広島が浦和と決定的に違うのは普段全然出番がない選手が突然起用されても大きな穴にはならないどころか、昨年CWCの茶島のように突如ブレイクしてしまったりすること。森保監督の控え選手のマネジメントがよほど優れているのか、あるいはACLをリーグ戦で出番の少ない選手の調整の場として割り切ってしまえるのがよほど高い効果を生んでいるのか。
(浦和の対応)
・やることなすことまるでダメ。弄れば弄るほど裏目に出る浦和は前節出場停止の森脇、前節お休みの宇賀神&梅崎、途中出場の興梠&武藤がスタメンに戻っていつもの面々に近い格好で広島に臨むのでしょう。ただ柏木・阿部・槙野・遠藤とお休みがない面々の疲労は著しく、彼らを代える目処が立たないまま半とっかえ的なターンオーバーをかけたところで事態が一気に好転するとは思えず。
・ACLの疲労が事実上ないも同然とはいえ3連戦でしんどいのは広島も同じ。浦和はG大阪戦のように無理に攻めに出てカウンターを喰らうのは愚の骨頂なので、ボールを保持するものの無理には攻めない、広島も浅野投入までは前に出て積極的にはボールを取りに行かないと、あたかも双方勝ち点1で談合したかのような試合展開になっても不思議はありません。
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<前節:FC東京 1-1 広島>
-----ウタカ------
--柴崎----宮吉--
清水-和幸--青山--柏
-宮原--千葉--塩谷-
-----林------
得点:66分 浅野
HT:宮吉→浅野
80分:清水→高橋
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